帰宅すると、奥さんが心配している。
ナンダナンダと事情を聞くと、
「もう勉強なんかしたくない」ってことらしい。
そりゃ、タイヘンなことである。
遊びを切り上げて通塾するのがイヤと仰る。
まだ小学四年生。ごもっともである。
「何で塾に行かなくちゃあいけないの?」とチビ。
それもそうだ。
行かなくたって、必要にして十分な成績だもんなあ。
おまけに中学受験で合格すれば、仲のいい友達とは離れ離れになる。
「いいことなんか、何にもないじゃん!」。そうチビは思うわけだ。
いろんな問題集や参考書が入ったリュックを買ったばかりだけど、
その重みがずっしりとチビの肩に掛かっているのかしらん?
で、30年前を思い起こす私。
そう言えば、なんで中学受験したんだろ?
ババアが教育ママだったので、
ちっちゃいころから刷り込まれていたのは事実。
「HAPPY MANちゃんは賢いんだから、受験しなくちゃね」なぞと。
で、大きいのは、六年生の時分は「転校生」だったということだ。
一年から五年までを福山市で過ごし、六年になって広島へ。
幼稚園時代に親しかった謙ちゃんだけが頼りで、
他の連中は知りゃあしません。
その謙ちゃんが受験する方向になったので、
「コレ幸い」と同じ塾に通い、追随したんだっけなあ。
それと、当時の地元中学は坊主頭が強制されてた。
今ならなんでもないんだけど、
その頃は「信じられない暴挙」に映ったんだよね、私の目に。
要するに、受験は必然だったのだ。
だから、チビのような「なんで?」とはちーとも考えなかった私である。
で、いまだに答えを用意できていない。
よい知恵があったら貸していただきたい今日この頃である。
とはいえ、まあチビにしても、
新しいゲームを買ってもらう為の「条件闘争」みたいなフシもある。
あんまり真剣に考えないでもいいような、
でもちゃんと受け止めてやりたいような…。
すこーし思い悩む、父親なのであった。