Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

ん~、って感じ

2012-09-19 07:13:07 | 映画
他ではまだ見たことが無いオリジナルの脚本に、いい役者が揃ったサスペンス?コメディ?
どうもこの映画の監督は、オリジナル脚本にこだわっているようだ。
それも練りに練り、細部までよく計算された脚本ならなおのこと。
「運命じゃない人」「アフタースクール』と、凝ったオリジナル脚本の面白さで、一躍業界に名をはせた内田けんじ監督の第3作は、前2作同様に「映画の8割は脚本で決まる」というビリー・ワイルダーの言葉を思い出させる。
ワイルダーのファンを公言している内田監督は当然そのことをよくわかり、過剰なほど意識しているのだろう。
しかし今回も脚本のユニークさは有るものの、前作よりも群を抜いているかと言えば、僕にはその印象が少なかったので、ちょっとがっかりが正直なところ。
35歳にもなって極貧の売れない役者が、銭湯で転倒して記憶を失った殺し屋?の鍵を盗んだことで、ふたりの人生が入れ替わるという奇想。
入れ替わると言うと大げさかな?
ただ人の富を利用して、ひと時の幸せを掴んだ極貧役者。
そこに、計画的婚活を実施する編集者がからみ、3人の運命はあれよあれよと思わぬ方向へ....言ってくれれば楽しかったのに....。
キャラクターの個性と窮状で笑わせ、観客の思い込みをかわしてアッと思わせ、どんでんと予想を裏切る展開....それを前2作同様に期待していただけに残念だな~
前半でまかれた伏線が後半、きれいに収束されていくのだが、今までより「あれっ?」と思うくらい簡単。
「あれよあれよ」に至るまでの前半も、もっさり気味。
これで優れた脚本があれば演出がまずくてもなんとかなるが、役者がまずくては台無しだ。
逆に、優れた脚本にいい役者が揃えば鬼に金棒。
堺、香川、広末という人選、そして僕の好きな荒川ヨシヨシやB級俳優が出てくるので、もっと脚本がよければ、鬼に金棒そのものだったハズだ。
しかし、脂の乗りきった彼らが見せる意外な表情、掛け合いが生む化学反応は中身が苦しくても見続けられる、僕にとっては最後の最後の2つのシーンが、やっと内田監督らしさが有ったようで、多少はそれで救われたかな?
見る前は、今年度邦画ナンバー1になる予測をしていただけに残念~