Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

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男には男の、女には女の事情

2020-02-13 13:07:28 | 映画
離婚調停の捜査員の目の前で思わぬ怪我をする。
原因は些細な注意不足だったのに、その傷は深い。
それは今回の主題である別れに似ている。
気がつかないうちに相手を傷つけ、自らも傷を負う二人の男女の物語。
最初は弁護士抜きで進むはずだった離婚は泥沼にはまっていく。
二人でチャイルド・シートを取り付ける、酒に酔ってよろめいたのを受け止める...離れていく二人がお互いに見せた思いやりのはずだったことが、離婚調停の場では、それぞれの弁護士の手に渡ると命取りの刃となる。
行き違い、誤解、遠慮、我がまま。
結婚の土台を少しずつ崩していった小さな傷が次々と明らかになっていく。
しかしその中にも最初の離婚調停員が提案した「相手の良いところ」をお互いが読み上げる...と言うシーンが離婚がお互いの本心なのかどうかも疑う。
両親の離婚に対する少年の想いを“大人は分かってくれない”という。
別れていく父母の事情と想いを知り得ない少年を主人公夫婦の間に置いて、“子供は分かってくれない”という。
お互いが感情の赴くままに、自分を主張し過ぎて、その自分自身に、そしてこの離婚に至った過程に、言葉では憎しみあっていようが本心はお互いにあるということに気付いたのか、お互いが最後は涙する。
主人公夫婦が最後に見せる優しさ。
それは偶然にも、演じるスカーレット・ヨハンソンが「ジョジョ・ラビット」でも見せたジェスチャーと重なる。
一つの身振りが一人の女優によって二つの映画で繰り返されることで、見る側にとってそれは愛の行為として記憶される。
そして気がつく。
これは離婚ではなく「結びの儀式」結婚の物語だったのではないかと。