知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

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『ナスカの地上絵-1、雨乞いの儀式用であったが!』―画像「動植物の絵」→「幾何学模様」→「直線」への変遷は、水源表示へ?―

2023-10-26 08:31:47 | 歴史・世界
『ナスカの地上絵-1(雨乞いの儀式用であったが!)』
『画像「動植物の絵」→「幾何学模様」→「直線」への変遷は、水源表示へ? 

 世界の八番目の不思議と言われるナスカの地上絵は,南米ペルー南部の海岸に近い岩石砂漠に約2,000年前に描かれていましたので、まだ最近の発見です。 1939年6月22日、動植物の地上絵は考古学者のポール・コソック博士により発見されました。 その後ドイツの女性数学者、マリア・ライヒェ氏が終生この地に住み着き、彼女を中心として、地上絵の解明作業と、保護が行われるようになった。

ナスカ地上絵の衛星写真

ウキペディア(ナスカの地上絵)より引用

 ナスカの地上絵といえば、鳥・魚・昆虫等動物の絵(一筆書き、これが雨乞い巡礼儀式に繋がる)が多いと言われます。 実際には

❶直線800本以上(交点がある)、その中には、48㎞の長さに及ぶものがある。 三角形、長方形、台形などの基本図形に、螺旋模様、矢印、ジグザグ模様、波線など、

❷幾何学模様、300以上が見つかっています。  

ナスカの地上絵と言えば、動物や植物を覚えていますが、
❸動植物の絵が、70個以上、大きいものは、長さ370ⅿ近くないなる地上絵も存在します。 不思議なことに、サボテン、トカゲ以外は、岩石砂漠にはあまり縁のない、蜘蛛、猿、クジラ、カモ、花、樹木、犬、ペリカン、シャチ、ラマ、ハチドリなど海や水に関係のあるものが描かれています。 

先ずはウエブ情報です。
 古代の道路の特徴は直線である。 ナスカの地上絵よりも古い、古代ローマの道路は直線であった。 また7世紀に作られたとされる日本の奈良盆地の下ツ道は総長25キロの直線道路である。
 
 古代人が、未開で野蛮であったというのは思い込みで、高度な技術力を持っていた文明も数多く存在する。 直線を引こうと思えば、二つの点を結べば直線ができる。 少しの道具、知恵、労力があれば古代の人たちにも十分に直線が引けたと考えられる。

コルゲート大学のA・F・アヴェニ教授の言う「世界の不思議」の条件;
第一; 唯一無二。
第二; 途方もない労力をつぎ込んで作られている。
第三; 時代に左右されてないメッセージを永遠に投げかけていること。

 世界の七不思議は、古代地中海時代の建造物だけであり、「八番目に」と言われるナスカの地上絵の『描き方・How』は、酸化した暗色の石を取り除き、幅1-2ⅿで深さ20-30㎝の両側に暗色の石を並べて、その間に、白い・浅い溝の道をつくる。 絵は三角の拡大法による。

原画拡大法(ウエブ情報)
 原画拡大法とは、最初に地上絵のモデルとなる絵を描き、それを元にさらに大きな絵を描いていく方法です。 モデルの絵には支点となる木棒を打ち込み、拡大したい長さの紐と絵を描くためのもうひとつの木棒を取り付けます。これによってモデルの絵と全く同じ線を拡大して描くことが可能になります。
この方法も大きさ200ⅿ位まで、それ以上大きな絵の描き方は解っていない。
ナスカの地上絵の描き方は、ほぼ解明されているが 最大のミステリーは『何のために描かれたか・Why』だが、今まで言われてきたのは沢山あり;

① マリア・ライヘ女史などによる暦法関連の『カレンダー説』
② イリノイ大学のザウデマ教授の『社会事業説』
③ 雨乞い儀式利用の『雨乞い説』
④ 『成人試験説』
⑤ 『権力者の葬式・お墓説』
⑥ 『巡礼に関する役割説』
⑦ 『食料管理説』
⑧ 『宇宙人のマーキング説』等、

 最近では、『何のために描かれたか・Why』は、随分絞られてきました。 先日(20200407)NHKBS『ザ・プレミアム・シリーズ・知られざる古代文明 ナスカ大地に隠された未知なる地上絵』の中で紹介されていた内容は、目から鱗のごとく、この番組から新事実が解りました。

 一次文明は、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河の四大文明。 日本は中国の影響を受けているので二次文明と言われます。 アンデス文明は一次文明であり、一次文明は自然発生した文明であります。 ナスカの地上絵は、地上からは何も分からないが、空から見れば分かる。 何のために描かれたのか? 

 アンデス文明は 紀元前2500年から紀元1532年まで、ナスカの地上絵は、その間の紀元前200年から紀元700年頃までに描かれたもの。

 有名なハチドリ、コンドル、シャチ、クモ、サルの絵がある。一番大きいのはコンドルで全長135mあるが、線の幅はわずか15㎝。 足の幅と同じサイズなので、古代人が、足を引きずって絵を描いたのだと思われます。

ウエブ情報(ナスカの地上絵 コンドルの画像)引用

 この一筆書きのコンドルの絵は、『何のために描かれたか・Why』の、③雨乞い儀式利用の『雨乞い説』につながります。 それが雨乞いのための、楽隊の通り道になったという、ホスエ・ランチョ氏の説もある。 ペルーの国宝の壺にもこの楽隊が描かれたものがある。 また、現在も続いている行事で、人々は雨乞いのために一列になって同じ道を練り歩く。 この道筋としてナスカの地上絵が作られた可能性がある。 しかし動物の地上絵の線は幅が非常に狭く、人間が歩行するのには適していない。ゆえにこの説も疑問が残る。

 地上絵の線の上や周辺から、隣のエクアドルでしか取れないキスポスプンディルス貝の破片が見つかっている。 当時は雨乞いの儀式でこの貝が使用されたことが他の遺跡研究から分かっている。 そのため、ペルー人考古学者のジョニーイスラ氏も雨乞い説をとっている。

ウエブ情報(ナスカの地上絵 シャチの画像)引用

 上の写真ですが、ウエブ情報の中では、『ペルー「ナスカの地上絵 シャチと首級」ナスカ文化 』と紹介されています。  このシャチが持っている首級が『何のために描かれたか・Why』の、③雨乞い儀式利用の『雨乞い説』を想像させる。 それが雨乞いのための生贄と思われる。


縄文土器の装飾とナスカの地上絵は、縄を使った縄アートと同じだということである。 ナスカの地上絵でまず感心するのは、その直線や角の正確さである。


 ウエブ情報(アートワークス、縄文人とナスカの地上絵)引用

 『何のために描かれたか・Why』の、③雨乞い儀式利用の『雨乞い説』それが雨乞いのための楽隊の通り道になったという、ホスエ・ランチョ氏の説もある。

 こんな単純な方法で描いた絵が2000年も風化せずに残っていることに驚く。 雨が全く降らない砂漠地帯だからこそ、2000年も同じ風景、同じ状態を今も保っているのだろう。 現在宇宙からの映像で地上絵が増えているようである。

 最後に一番多い『❶直線800本以上(交点がある)、その中には、48㎞の長さに及ぶものがある』。 今後の課題は、『ナスカの地上絵は、紀元前200年から紀元700年頃までの、約千年にわたって描かれたもの』、この順序が『動植物の絵』『幾何学模様』→『直線』であれば、ナスカの地上絵は、海抜520ⅿ前後の岩石砂漠に住んだナスカの人々が、水を入手することが難しく、その水をどうにかして確保したいという『思い』がナスカの地上絵が描かれる理由になったという説です。 
ナスカの水利の仕組み(多い直線の絵と水源の関係)と、生贄習慣の実態と雨乞いとの関係は、今後の課題とします。
       (記事投稿日:2020/04/12、最終更新日:2022/03/27、#506)


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