『旧石器時代のヴィレンドルフのヴィーナスvs縄文のヴィーナス』
『数万年も続いた悠久の美的センスと、偶像のポータブル化』
歴史のこと、センセーショナルなキャッチフレーズが躍る昨今ですが、縄文時代は、いろいろ興味があります。 最近見つけた情報が、ウイーンの自然史博物館にある、小さな『ヴィレンドルフのヴィーナス(11㎝)』(旧石器時代27.000~30.000年前)。
これに対して日本には『縄文のヴィーナス(27㎝)』(縄文時代晩期、約4,000~5,000年前)があります。 どちらも帽子のようなものを被っており、腰が大きく表現されており、安産に通じるものを感じます。 この間は2万年余と、悠久の歴史の流れには驚くと同時に、人間・ヒトの美的センスと自然で写実的な表現が2万年余も変わらずに続いてきています。
ヴィレンドルフのヴィーナス(ウエブ情報から)
『その時代に"人為的に作られた像"ということで非常に価値が高いもので、日本の高校の世界史の教科書にも載っています。(現在は知りませんが私の時代は載っていました)
高さ11cm、石灰岩で作られていて、シンメトリーに女性の豊満な裸体を表現しています。 頭は大きくて少し右側に傾き、また顔はありません。 髪型なのか、それとも何かをかぶっているのでしょうか。 肩はせまく、腕は細く、重い胸の上に置かれているようです。 腰も力強く、お腹も大きく出ています。
女性部分が意図的に強調されています。
この像は古来の地母神との関係があるでしょうか。 元々代赭石(たいしゃせき)による赤い着色が施されていました。 代赭石とは土状をした軟質の赤鉄鉱で、ドイツ語ではRötelです。
この土の赤色は生命の象徴とされていたそうです。 このヴィレンドルフのヴィーナスは特別なケースに展示されています。』
ウキペデイアより引用
縄文のヴィーナス(ウキペディア情報から)
妊婦を象っており、高さは27cm、重さ2.14kgである。 粘土に細かい雲母片が練りこまれているために、肌がうっすらと輝いているように見える。 雲母片が練りこまれた土偶も例が少なく、ほかの土偶が体の一部を破壊されているものが大半であるのに対し、この縄文のヴィーナスはほぼ完全な形で見つかったことも珍しい。 「土偶」の名称で国宝に指定されている。 茅野市尖石縄文考古館所蔵。 国宝になった中ッ原遺跡の仮面の女神も同館に所蔵されている。 1986年(昭和61年)9月に八ヶ岳山麓の長野県茅野市米沢に位置する棚畑遺跡から発掘された。 当初は出土した遺跡の名前にちなんで『棚畑姫』と呼ばれたこともあった。 環状集落の中央広場の土坑と呼ばれる穴に横たわる形で埋められており、ほぼ完全な状態で出土した。 1989年6月12日の重要文化財指定を経て、1995年6月15日国宝に指定された。
ウキペデイアより引用
この二人のヴィーナスは、随分昔のことに思えますが、下記の地球・人類の歴史から見れば、ごく最近のことです。
・180~120億年前 ビックバンによる宇宙誕生
・46億年前 地球誕生
・40億年前 最初の生命が誕生
・1億9000万年前 大型爬虫類、恐竜出現
・ 200万年前 縄文打製石器
・ 150万年前 原人出現
・ 80万年前 旧石器時代前期
・ 2万年前 旧石器時代中期
‣ 2万年前 旧石器時代後期
・ 3-4万年前 縄文磨製石器
・ 2.7~3.0万年前 石灰石彫『ヴィレンドルフのヴィーナス(11㎝)』
(旧石器時代)
・4,000~5,000年前 土偶『縄文のヴィーナス』国宝(縄文時代晩期)
・2,800~3,300年前 土偶『縄文のマドンナ』国宝(縄文時代晩期)
ウキペデイアより引用
『縄文のヴィーナス』から『縄文のマドンナ』ヘの変化の2000余年を要しています。 今の、自然を破壊しながらの変化のスピードは、やはり異様です。
(記事投稿日:2020/11/29、 #253)
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