◎ヒトスジシマカに関する情報提供を望む
今月四日のコラムで私は、次のように書いた。
しかし、楽観は許されない。代々木公園で、デング熱ウイルスに感染した人は、全国各地に散らばっている。その中には、まだ発症していない人や、感染しても発症しない人も含まれているだろう。そういう人たちが各地で、ヒトスジシマカに刺された場合には、そこでまた、デング熱の感染が広がる可能性は否定できない。ちなみに、ヒトスジシマカというのは、別に珍しい蚊ではなく、全国どこにでもいる、俗にいう「藪っ蚊」のことらしい。
その後、代々木公園以外の場所で、蚊に刺され、デング熱を発症した人があらわれた。また、代々木公園で蚊に刺され、デング熱を発症した女性が、横浜市金沢区の公園でも蚊に刺されたと申告したために、当該公園が閉鎖されたというニュースもあった。
やはり、楽観は許されなかったのである。
時事通信は、昨日(六日)二三時、次のように配信したという。
環境省は6日、代々木公園(東京都渋谷区)や新宿中央公園(新宿区)などで蚊に刺され、デング熱に感染する事例が拡大しているのを受け、7日から当分の間、新宿御苑(同)を閉園すると発表した。新宿御苑での感染は報告されていないものの、園内の蚊を捕獲し、ウイルスの保有状況を調査する。
環境省によるこの措置が、適切だったのかどうかは、今の時点では何とも言えない。しかし、環境省が、こういう措置を取ったことを聞いて感じたのは、なぜ東京都は、もっと早く、代々木公園を閉鎖できなかったのかということである。
代々木公園が感染源であることが、すでにわかっていた。まず代々木公園を閉鎖しておいて、そのあと、「園内の蚊を捕獲し、ウイルスの保有状況を調査」すべきだったのはないか(五日のコラムでも、このことは指摘した)。
いずれにしても、この数日間で、関係機関の対応が本格的になってきたことは、当然とはいえ、評価すべきことであろう。
ところで、関係機関の広報担当者、マスコミ関係者に、ひとつ望みたいことがある。それは、デング熱ウィルスを媒介するというヒトスジシマカに関する、信頼すべき情報提供である。どういう蚊なのか、ふつうの家蚊(イエカ)との違い、寿命はどのくらいか、何月くらいまで出没するのか、どういうところに産卵し、ボウフラはどういうところにいるのか、ボウフラはどうすれば退治できるのか。
こうしたことについて、わたしたちは、ほとんど知らされていない。今の若い人や、児童生徒の中には、ボウフラというものを見たことがない人、それが蚊の幼虫であることを知らない人も多いに違いない。ぜひ、早急に、ヒトスジシマカに関する情報提供をお願いしたい。
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