学習塾に子供を通わせれば、それだけで自動的に成績が上がっていくものと思い込んでいる人がいます。
確かに、学習塾で勉強すれば、しないよりは出来るようになるでしょう。
しかし、それはあくまで努力とか継続とかいった条件をクリアしてからのことであって、そういうこともなしに「自動的に」上がるものだと決め付けるのであれば、それは断じて違います。
ここでいう努力とか継続というのは、一過性であっては意味を成しません。
未来永劫とは言わないまでも、最低でも何ヶ月単位か、目標が高いのであれば、1年2年といった時間を要することさえ珍しいことではありません。
大変残念なことですが、以前、こういう例がありました。
ある中学生男子で、彼の学力は決して低くはなく、一度の説明で吸収できる量は多く、それを定着させる力も、また、それを応用して色々な問題を解く力も高いレベルにありました。
しかし、彼には致命的な欠点がありました。
それが「努力することと、継続すること」の欠如です。
折角の高い能力を彼は自らの怠惰な性格ゆえに、その殆どを無駄にしてしまっていたのです。
そればかりか、どこでそうなったのか、いつの間にか適当な嘘を吐いてその場を凌ぐ事まで覚えてしまい、結局最後はこれを投げ出す寸前のところを行ったり来たりという有様で、これなどは典型的な自己責任の例であろうかと思います。
普通であっても、結果を出すまでには一定の努力とそれを継続することが必要であって、その上ある程度の時間がかかるものなのに、今この瞬間の才能のようなものに安住してしまい、その結果努力の継続をしないばかりか、今それをしない事実を嘘で隠蔽するなどのおろかな行為で自滅の道を進んでいた彼。
結局は、こちらの再三の周囲や叱責にも応えず、保護者の方にそれを伝えても、保護者は保護者で子供の嘘を真に受けて現実を見られないという事態に至り、最後は塾での居場所も無くなって退会ということになった彼は、かつてはまだ何とかその才能だけでもっていた成績の維持もままならず、今では下位に低迷してここから抜け出せないでいるという、そういう状況なのでした。