秋葉原通り魔殺人事件で揺れた6月8日の日曜日は、また沖縄県議選の投票日でもありました。この選挙は、この春に行われた衆院山口2区補選と並んで、後期高齢者医療制度を始めとする、福田内閣・自公与党の悪政に対する審判の場となりました。そして、やはりこの選挙でも、先の山口補選と同様に、与党に厳しい評価が下される事となりました。
本来ならば、私のブログでは、このニュースの方こそ、真っ先に取り上げなければならない筈でしたが、ついつい秋葉原の事件に目が行ってしまい、こちらのニュースについて取り上げるのが、遅くなってしまいました。
沖縄県は、今まではどちらかと言えば、選挙で争点になるのは基地問題が中心でした。それも、「基地問題か、しからずば地域振興か」の二者択一の形で争われる事が多く、「前者が争点になれば革新(野党)有利、後者が争点の時は保守(与党)有利」とも言われてきました。しかし、今回は様相が一変しました。全国で問題になっている後期高齢者医療制度の問題が、沖縄でも重要な争点に浮上してきたのです。取り分け沖縄では、全人口に占める高齢者の割合も高く、お年寄りが大事にされる土地柄もあって、与党は防戦一方に回る事を余儀なくされました。それに加えて、それまでの米兵による女子中学生暴行事件や、普天間基地の移設問題も、引き続き重要な争点になりました。
県議選の結果は、自民党現職の相次ぐ落選となりました。連立与党の公明党がしぶとく現議席を維持したものの、自公与党全体では過半数を割り込む結果となりました。それと対照的だったのが野党各党です。民主党は4議席増の躍進、共産党も元職返り咲きなどで2議席増、社民党も1議席増で同党系無所属を併せれば野党第一党に躍り出るという結果になりました。残念ながら土着革新政党の沖縄社会大衆党は他の野党躍進のあおりを受けて議席減となりましたが、総体としては野党が県議会の過半数を占め、自公与党を更に窮地に追い込む事になりました。
その流れを受けて、参院で福田内閣問責決議案が可決される事態となりました。この問責決議案そのものは、今や内閣支持率が2割台にまで落ち込んだ福田内閣に事実上の不信任を突きつけるという、至極当然の内容です。但し、民主党がそれまでの自民党との協調路線(宇宙軍拡・少年法改悪容認など)を誤魔化す為に、やにわに出してきたという側面もあったので、その事で自民党に居直る口実を与えてしまい、折角の問責も若干効果が薄められてしまいましたが。
しかし、たとえそうであったとしても、問責決議案の中身自体は、至極当然の内容です。その提出のタイミング・出し方については色々異論があるとしても。少なくとも、参院の問責決議案に対抗して与党が多数を頼んで衆院で可決した、信任の具体的理由を何ら挙げる事が出来ずに、ただ「一生懸命頑張っているから信任に値する」というだけの、空虚な福田内閣信任決議とは、雲泥の差です。国民の2割しか支持する人がいないのに、何が信任かw。
後期高齢者医療制度の問題点につては、このブログでも今まで取り上げてきましたが、もうトンでもない内容です。つい先日も、大阪でも保険医協会が同制度の中止・撤回を求めるビラを配っていました(上記写真参照)。そこには後期高齢者医療制度の説明が、以下の様に大阪弁で分かりやすく載っていました。―75歳過ぎたら・・・(1) なるべく医者に行かんように、(2) 慢性疾患は定額医療で、(3) なるべく入院しないように、(4) 入院したら末期ガンでも退院して、(5) 薬は少なく、絶対重ならないように、(6) 死ぬときは病院ではなく「在宅」で(病院以外でという意味)、(7) 生きているうちに死に方を考えといて!(死ぬ前の医療=終末期医療)・・・もう完全な「厄介払い」ですね。
更に酷いのは、これは決して「後期高齢者」だけに留まる話ではない、という事です。今回は「後期高齢者」が医療費抑制の槍玉に挙げられていますが、その次は生活習慣病患者(つまり大多数の国民)が槍玉に挙げられるのが、目に見えています。【国民の健康の為ではなく、あくまで医療費抑制の為に】、禁煙(健康増進法、タスポ)やらメタボ抑制(特定健診)が盛んに言われているのが、その何よりの証拠です。本当に健康を考えての事ならば、タバコや酒で憂さを晴らさなくても済む様な働き方(ディーセント・ワーク)を、国が率先垂範すべきですが、現状は全く逆なのですから。何でも「自己責任」だけで済むのなら、政治家は不要です。
自公与党が郵政民営化のペテンで掠め取った虚構の多数にしがみつくのも、いい加減にしろ。一刻も早く衆院を解散して、民意とのネジレを解消しろ。姥捨て山・差別・棄民政策の後期高齢者医療制度なぞ、一刻も早く撤回しろ。これが今の民意です。民主党がそれに沿う限り、国民は民主党を支持します。しかし、若し自民党と馴れ合って公然と裏切る様な事になれば、その時は民主党にも、かつての村山社会党と同じ目に遭わせてやるだけです。
そういう重要なニュースがあった日なのに、当日はアキバ事件報道で完全に埋もれてしまいました。政府にとっては、「困った時の北朝鮮」ならぬ「―通り魔殺人」という形となって、今回は偶々一時的に命拾いする事となりましたが、そうそういつまでも同じ手が使えるとは限りません。「後期自民党政治制度の残存能力」は、日増しに衰退の度を辿っている事は確かです。今こそ、弱者の暴発ではなく自民党政治の廃絶を。
(参考資料)
・野党逆転26議席 自民4減、民主全員当選(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132949-storytopic-3.html
・野党が逆転 26議席/自民惨敗、民・共躍進(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200806091300_01.html
・沖縄県議選 選挙開票結果>各党議席(NHK沖縄)
http://www.nhk.or.jp/okinawa2/senkyo/
・首相問責決議 参院が示した重い判断(北海道新聞・社説)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/98385.html
・大詰め国会/胸に響いてこない「問責」(神戸新聞・社説)
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0001114184.shtml
・内閣総理大臣福田康夫君問責決議(参議院HP)
その下の衆院の信任決議とは違い、問責理由が具体的に述べられています。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_c04_02.htm
・福田内閣信任決議案(衆議院HP)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g16913003.htm?OpenDocument
本来ならば、私のブログでは、このニュースの方こそ、真っ先に取り上げなければならない筈でしたが、ついつい秋葉原の事件に目が行ってしまい、こちらのニュースについて取り上げるのが、遅くなってしまいました。
沖縄県は、今まではどちらかと言えば、選挙で争点になるのは基地問題が中心でした。それも、「基地問題か、しからずば地域振興か」の二者択一の形で争われる事が多く、「前者が争点になれば革新(野党)有利、後者が争点の時は保守(与党)有利」とも言われてきました。しかし、今回は様相が一変しました。全国で問題になっている後期高齢者医療制度の問題が、沖縄でも重要な争点に浮上してきたのです。取り分け沖縄では、全人口に占める高齢者の割合も高く、お年寄りが大事にされる土地柄もあって、与党は防戦一方に回る事を余儀なくされました。それに加えて、それまでの米兵による女子中学生暴行事件や、普天間基地の移設問題も、引き続き重要な争点になりました。
県議選の結果は、自民党現職の相次ぐ落選となりました。連立与党の公明党がしぶとく現議席を維持したものの、自公与党全体では過半数を割り込む結果となりました。それと対照的だったのが野党各党です。民主党は4議席増の躍進、共産党も元職返り咲きなどで2議席増、社民党も1議席増で同党系無所属を併せれば野党第一党に躍り出るという結果になりました。残念ながら土着革新政党の沖縄社会大衆党は他の野党躍進のあおりを受けて議席減となりましたが、総体としては野党が県議会の過半数を占め、自公与党を更に窮地に追い込む事になりました。
その流れを受けて、参院で福田内閣問責決議案が可決される事態となりました。この問責決議案そのものは、今や内閣支持率が2割台にまで落ち込んだ福田内閣に事実上の不信任を突きつけるという、至極当然の内容です。但し、民主党がそれまでの自民党との協調路線(宇宙軍拡・少年法改悪容認など)を誤魔化す為に、やにわに出してきたという側面もあったので、その事で自民党に居直る口実を与えてしまい、折角の問責も若干効果が薄められてしまいましたが。
しかし、たとえそうであったとしても、問責決議案の中身自体は、至極当然の内容です。その提出のタイミング・出し方については色々異論があるとしても。少なくとも、参院の問責決議案に対抗して与党が多数を頼んで衆院で可決した、信任の具体的理由を何ら挙げる事が出来ずに、ただ「一生懸命頑張っているから信任に値する」というだけの、空虚な福田内閣信任決議とは、雲泥の差です。国民の2割しか支持する人がいないのに、何が信任かw。
後期高齢者医療制度の問題点につては、このブログでも今まで取り上げてきましたが、もうトンでもない内容です。つい先日も、大阪でも保険医協会が同制度の中止・撤回を求めるビラを配っていました(上記写真参照)。そこには後期高齢者医療制度の説明が、以下の様に大阪弁で分かりやすく載っていました。―75歳過ぎたら・・・(1) なるべく医者に行かんように、(2) 慢性疾患は定額医療で、(3) なるべく入院しないように、(4) 入院したら末期ガンでも退院して、(5) 薬は少なく、絶対重ならないように、(6) 死ぬときは病院ではなく「在宅」で(病院以外でという意味)、(7) 生きているうちに死に方を考えといて!(死ぬ前の医療=終末期医療)・・・もう完全な「厄介払い」ですね。
更に酷いのは、これは決して「後期高齢者」だけに留まる話ではない、という事です。今回は「後期高齢者」が医療費抑制の槍玉に挙げられていますが、その次は生活習慣病患者(つまり大多数の国民)が槍玉に挙げられるのが、目に見えています。【国民の健康の為ではなく、あくまで医療費抑制の為に】、禁煙(健康増進法、タスポ)やらメタボ抑制(特定健診)が盛んに言われているのが、その何よりの証拠です。本当に健康を考えての事ならば、タバコや酒で憂さを晴らさなくても済む様な働き方(ディーセント・ワーク)を、国が率先垂範すべきですが、現状は全く逆なのですから。何でも「自己責任」だけで済むのなら、政治家は不要です。
自公与党が郵政民営化のペテンで掠め取った虚構の多数にしがみつくのも、いい加減にしろ。一刻も早く衆院を解散して、民意とのネジレを解消しろ。姥捨て山・差別・棄民政策の後期高齢者医療制度なぞ、一刻も早く撤回しろ。これが今の民意です。民主党がそれに沿う限り、国民は民主党を支持します。しかし、若し自民党と馴れ合って公然と裏切る様な事になれば、その時は民主党にも、かつての村山社会党と同じ目に遭わせてやるだけです。
そういう重要なニュースがあった日なのに、当日はアキバ事件報道で完全に埋もれてしまいました。政府にとっては、「困った時の北朝鮮」ならぬ「―通り魔殺人」という形となって、今回は偶々一時的に命拾いする事となりましたが、そうそういつまでも同じ手が使えるとは限りません。「後期自民党政治制度の残存能力」は、日増しに衰退の度を辿っている事は確かです。今こそ、弱者の暴発ではなく自民党政治の廃絶を。
(参考資料)
・野党逆転26議席 自民4減、民主全員当選(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132949-storytopic-3.html
・野党が逆転 26議席/自民惨敗、民・共躍進(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200806091300_01.html
・沖縄県議選 選挙開票結果>各党議席(NHK沖縄)
http://www.nhk.or.jp/okinawa2/senkyo/
・首相問責決議 参院が示した重い判断(北海道新聞・社説)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/98385.html
・大詰め国会/胸に響いてこない「問責」(神戸新聞・社説)
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0001114184.shtml
・内閣総理大臣福田康夫君問責決議(参議院HP)
その下の衆院の信任決議とは違い、問責理由が具体的に述べられています。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_c04_02.htm
・福田内閣信任決議案(衆議院HP)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g16913003.htm?OpenDocument