アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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基地はいらない、どこにも

2009年12月12日 16時00分10秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
普天間飛行場の危険性【普天間第二小学校】


 前回記事「辺野古は普天間の代替ではなかった!」のコメント欄に書いた、私の下記投稿について、もう少し詳しく説明しておきます。私の下記投稿ですら、当事者たる基地周辺住民・沖縄県民からすれば、「今更何言ってるんだ」という代物で、まだまだ言い足らない不十分なものですが、この程度の基本的な事柄も踏まえない、あまりにもデタラメな報道・論評が、世間で堂々とまかり通っているので。

>おじさんの言う通り (プレカリアート)  2009-12-10 06:25:03
>ぼんくらおじさんの言う通り、普天間基地は無条件撤去しかありません。辺野古だろうがグアムだろうが、移設なんて言い出すから、米国が沖縄戦のどさくさに紛れて住民から土地を強奪して作った基地の移転先を、日本政府が考えてやらなければならなくなるのです。
>第一、米国が押し付け日本本土の安保賛成派が見て見ぬふりしてきた沖縄の苦しみを、今度はグアムの人々に押し付ける事になる。それは人間としておかしい。だから、宜野湾市長が出したあの報告書は、米国の論理の身勝手さの証拠としてのみ使うべきであって(その限りでは有力な武器になるので私も紹介したのです)、我々はあくまでも無条件撤去一本で押していけば良いのです。

 まず押さえておかなければならないのは、普天間基地の無条件撤去を求めるのは、決して「住民のエゴ」なんかではなく、「当然の要求」だという事です。それは、普天間基地が作られた経緯を調べれば、直ぐに分かります。

>普天間飛行場は1945年4月の米軍の上陸と同時に米陸軍工兵隊が日本本土爆撃用の飛行場として建設に着手し、同年6月15日に完成したといわれています。このときの規模は2290mの滑走路をもつ飛行場で、設計図や当時の地図を見ると、今日の普天間飛行場に比べてかなり小さいものだったようです。けれども飛行場の建設によって宜野湾や神山といった集落が更地に破壊され、その他兵舎や病院の建設によって、普天間、真志喜、宇地泊、大謝名などの地域が接収されていることが見て取れます。人々は米軍基地にはじき出され、新たな地域に集落を形成せざるをえなくなりました。
>中国革命、朝鮮戦争、冷戦時代への突入は沖縄の人々を再びほんろうさせることになりました。沖縄での基地建設が急速かつ大規模に展開され始めます。普天間飛行場は1952年には2400mに、そして1953年には2700mへと拡張され、ほぼ現在の規模にまで拡張されました。人々が居住し耕作していた地域も接収されました。1946年に収容所から”帰村”し、米軍基地の合間をぬって住まいと耕作地域を再生してきた人々の土地をまたもや基地として徴用し始めたのでした。沖縄戦を生き抜き、ようやく”帰村”して復興の道にたった人々が、またしても半ば強制的な移住に追いやられる事態まで生み出されることになりました。普天間基地やキャンプ・瑞慶覧の拡張のために、伊佐、安仁屋、喜友名、新城一帯の土地の「銃剣とブルドーザー」による強制接収に、住民の土地を守る「伊佐浜闘争」が繰り広げられ、これに多くの人々が合流し、米軍の圧政への「島ぐるみ闘争」へと拡大していきました。同年普天間基地は立ち入り全面禁止となりました。(「普天間飛行場 今昔」より)
 http://www.geocities.jp/yanbaru_yamato/50_material/20080720/20080720.html

 このように、米軍が戦中・戦後のどさくさにまぎれて、「銃剣とブルドーザー」で住民から強奪した土地に作られたのが、今の普天間基地なのです。基地周辺に住宅がへばり付いているのも、元々基地内に住んでいた人たちが、基地建設によって故郷を追われ、やむなく基地周辺に再定住し始めたのが発端です。そんな無権利状態の中から、普天間基地周辺や伊江島などから始まった軍用地接収反対闘争が、後にやがて島ぐるみの祖国復帰運動(沖縄返還闘争)にまで発展していくのです。
 そういう基本的な史実もきちんと踏まえていないから、「騒音対策は基地より住民の方を動かせ」(平野官房長官)なぞという荒唐無稽な発言が、臆面もなく出てくるのでしょう。
 http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-11-M_1-002-1_002.html
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-12-10/2009121001_04_1.html

 そんな火事場泥棒同然に米軍が作った基地を、今度は「撤去」ではなく「移設」で解決しようとする。「移設」と言えば聞こえは良いが、はっきり言えば「嫌なものを今度は他人に押し付ける」という事でしかない。それを、よりによって「左派」の社民党が言い始め、「国民生活第一」の民主党も早速「渡りに船」と乗ろうとする。
 いつから日本人は、こんな自己中心的な民族になり下がったのか。これでは、イラク・中東も日本の国益(利権)の草刈場としか看做さない「ポチ帝国主義者」・田母神あたりの思考とも、全く同じではないか。

 普天間「移設」先の筆頭候補とされるグアムを見れば、それがよく分かります。東京都心部ほどの面積と17万人ほどの人口しかないこの島は、19世紀以来、事実上、米国の植民地として扱われてきました。その下で、何と全島の約3分の1もの土地が、米軍用地として使われているのです。
 島の経済も、長年に渡る米軍支配によって、過度の基地依存に歪められてきました。産業振興も碌に手がつけられないまま、農漁業は荒れるに任され、島の先住民は、軍政府から配給されたフードスタンプで、米系資本のスーパーでジャンクフードを買わされる生活を強要され続けてきました。
 何も知らない日本人観光客が毎年大挙して訪れるビーチにしても、実際は米軍基地から垂れ流される有毒物質によって、目には見えない形で環境破壊が広がっているのです。グアム住民の発ガン率は、世界の他地域よりも遥かに高いのです。
 住民の無権利状態がそれに輪をかけます。グアムの住民は、米国市民でありながら、米本国の連邦議会に議決権のないオブザーバー議員を1名送り込む事が出来るだけで、大統領選挙にも一切投票できないのです。
  http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/10/150-54fa.html

 そんなグアムに、普天間「移設」で、全島人口の約1割近い米軍兵士が、それも沖縄でさんざん婦女暴行やら暴力沙汰やら引き起こしてきた部隊が、大挙して押し寄せて来たら、島は一体どうなりますか。その混乱の比は、沖縄を遥かに上回るのではないでしょうか。
 そんな事が、果たして「日本の国益」擁護の名目で許されるのか否かは、同じような苦しみを味わい、琉球立法院2.1決議(1962年)では国連の「植民地解放宣言」も引用して米軍支配からの解放を求めた沖縄県民が、一番良く知っている筈です。

>普天間基地をグアムに移設すべきという人びとは、チャモロの人びとが米軍基地の撤去を求めていることを知っているのだろうか。今日までのグアムの約110年間の歴史は戦後沖縄の64年間の歴史に驚くほど似ている。今年9月グアムを訪れて同地の女性たちと交流した沖縄の「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんは「同じです」と報告している。普天間基地のグアム移転はグアム住民の苦しみをさらに増す。沖縄の苦しみをグアムの人びとに押しつけることが「普天間問題」の解決であっていいのか。
 私はグアム移設に反対する。それなら普天間基地をどうするのだという問いにも答えておきたい。軍事基地はどこにもあってはならないものである。あってはならないものは、どこにもあってはならないのだから「なくす」しかない。普天間基地は即時閉鎖され撤去されるべきである。あってはならないものを「どこに移設するか」という問題設定自体がそもそも間違っているのだ。([CML 002256] 反戦の視点・その92 沖縄から出て行くべき普天間基地は、グアムでも大迷惑!)
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-December/002221.html

 これは、普天間の「移設」先がグアムに限らず、現在は一般住人がいない硫黄島や馬毛島(種子島付近の離島)であっても同じです。一体全体どこの世界に、「暴力団組事務所の移転先を、被害者のマンション住民の方で探してやらなければならない」なんて屁理屈がまかり通るのか。
 つまり、単に「基地を無人島に移せば良い」という問題ではないのです。アフガン・イラク侵略の基地を抱えている事自体が問題なのです。その一番肝心な事を抜きに、それを「日本国内・周辺の何処に移すか」なんて議論しても、全然意味がありません。

 そういうと必ず出てくるのが、「北朝鮮や中国が攻めてきたらどうなる」という話です。この問題まで詳しく書き出すと話がばらけてしまうので、ここでは簡単に触れるに留めますが、そんな事には絶対なりません。米・日・中・韓はおろか北朝鮮までもが互いに××握り合っている、このグローバル化の時代に、そんな事になる筈がない。個別の拉致やスパイ行為は今後もあるかも知れませんが、それは戦争ではなく犯罪行為です。犯罪に対処するのは、自衛隊ではなく警察や海上保安庁の仕事です。
 北朝鮮や中国の人権問題も、それを監視するのは基本的にはNGOの仕事であり、政府が関わる場合も人権外交に限られるのであって、少なくとも、米国が普天間の海兵隊を出してどうこう出来る話ではありません。ピノチェト・ポルポト・タリバンやイスラエル・コロンビアの人権抑圧を、今まで散々影で支えてきた「二枚舌」の米国が、イランや北朝鮮に対してだけいくら善人ぶっても、全然説得力がありません。

 そんな、日本防衛とも全く無関係に、「米国の都合」でのみ機能している基地存続の為に、なぜ我々の税金が使われなければならないのか。それも、沖縄の苦しみを更にグアムやアフガン・イラクの人々に押し付けてまで。
コメント
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