アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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原発の方が北朝鮮のミサイルよりもよっぽど危険だろうが

2012年04月12日 06時59分10秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
 
 
 
 福井県・大飯原発3・4号機再稼働阻止を訴えて関電本社前で行われている緊急ハンストに、私も3時間ほどですが、急遽飛び入り参加してきました。(上記写真)
 国が原発再稼働を目論み、それも断層が間近に迫り築後数十年にもなろうとする老朽原発の大飯をその突破口にしようとしている事に抗議して、4月9日から13日のそれぞれ朝10時から夕方5時まで断続的に、反原発市民団体「ストップ・ザ・もんじゅ」の方たちを中心に、緊急のハンガーストライキが組まれているというニュースは、私も既にメーリングリストなどで知っていました。
 しかし、実際はなかなか参加する踏ん切りがつきませんでした。「既に何度も反原発のデモや集会に参加してきたし、それでなくても毎日仕事でしんどいのに、別にどこの運動団体に加入している訳でもないのに、こんな雨の日にまで折角の仕事休みを犠牲にしてまで参加する事はないだろう」と。
 でもやっぱり、「戦争にしても原発事故にしても、真っ先に犠牲を強いられるのは下積みの我々だ。我々がどれだけ犠牲になろうと、国の偉い奴らは痛くも痒くもない。幾らでも代わりはいる位にしか思っていない。しかし、我々自身もそれを当然とか仕方ないとか思ってしまったら、それこそ奴らの思う壺じゃないか。確かに反対しても無駄かも知らんが、最初から諦めていたら阻止できるものも出来なくなってしまう。たとえ大した事は出来なくとも、誰かがやってくれるのを当てにするのではなく、まず自分から動かなければ」と思い直し、最終的に参加する事にしました。

  
 関電本社前には朝10時過ぎに着きました。「ストップ・ザ・もんじゅ」以外にも、「全交」(平和と民主主義をめざす全国交歓会)という団体が連帯の座り込みをされていました。「もんじゅ」の人たちが本社前右端に座り込んでハンストをされているのに対して、こちらは本社前左端にテントまで張って、「もんじゅ」よりも長時間(朝8時~夜10時)座り込みをされていました。但し、こちらはハンストではなく純粋の座り込みでしたが。(上記写真)
 実をいうと、私この団体に対しては、余り良いイメージを持っていませんでした。どんな集会やデモにも顔を出して、自派の機関紙(週刊MDS)の購読を勧めに来るからです。機関紙の主義主張はそんなに悪くはないのですが、その気さえあればネットで幾らでも情報が手に入れられるのに、わざわざそんな週刊紙を買ってまで読もうという気にはならないので。幾ら「最初の4週間は無料サービス」だと言われてもね。
 しかし、今回の件で少し見直しました。代表の方はよく勉強されていて演説も上手かったし、たとえ自派の宣伝絡みではあっても、こんなに機敏に連帯行動がそうそう取れるものではない。特に、今回のような緊急で人数も少ない集会参加者にとっては、こういう手弁当でも駆けつけて来てくれる人がいれば、それだけで励ましになります。少なくとも何もしない人間よりはずっと立派です。だからと言って新聞を取ろうとまでは思わないけどw。

 地震列島にも関わらず世界第4位の54基も原発を乱立させてきた、この日本でも、福島原発事故以降は次々と原発が休止に追いやられ、今や稼働中の原発は僅か1基のみとなりました。この北海道・泊原発の残る1基も、5月5日からの定期検査で止まれば、日本中の原発は全て停止する事になります。震災以降の鳴り物入りの計画停電や節電キャンペーンにも関わらず、今後は産業構造転換や人口減少、省エネ普及の影響で「電力需要はどんどん下がっていく」「今でも実際は電力はダブついており、その捌け口としてオール電化が推進されてきた」(市民団体の方の発言)。電力は既存の水力・火力発電で十分賄う事が出来、わざわざ被曝のリスクを冒してまで高コストの原発を推進する必要なぞ全くないのです。(参考資料:http://www.minusionwater.com/slideshow2.htm
 それを承知の上で、政府はわざわざ高リスク・高コストの原発を推進し、原発を造れば造るほど儲かる料金体系にして電力会社とグルになって、交付金(アメとムチ)で地方自治体を「原発漬け」にしてきました。それは何故かと言えば、偏に将来の核武装を睨んでの核燃料確保の為です。何の事はない「核を弄ぶ北朝鮮」と同じ発想です。そして軍需利権の美味しい所だけ自分たちで山分けし、環境破壊や被曝のリスクは全て地方や下層階級の者(原発ジプシーなど)に押し付けてきた。

 北朝鮮についても少し触れると、戦前日本さながらの彼の国の独裁体制なんて、本来ならとうに民衆革命によって倒されていても不思議ではないのです。それは、盤石に思えた東ドイツの独裁体制が、難民流出であっけなくひっくり返ったのを見ても分かるでしょう。にも関わらず、米国が、東西冷戦後もアフガン・イラクとは違って、北朝鮮を「生かさず殺さず」で塩漬けにしてきたのは何故か。日本や韓国に武器を高値で売りつけて、両国を経済植民地として押し止めておくのに、北朝鮮の脅威を上手く利用できるからでしょう。中国・ロシアも、その米国の思惑を知っているからこそ、逆に北朝鮮を緩衝国家や切り札として利用してきたのでしょう。
 しかも、今はもうグローバリゼーション(国際化)の時代です。経済活動はとうに国境の垣根を越え、日本も米国も中国その他の新興国も、上辺ではあれこれ対立しながらも、裏では「持ちつ持たれつ」なのです。資本家は途上国に進出し、その国の人民を低賃金で搾取しながら、仕事が奪われると先進国の労働者を脅す。そうして先進国と途上国の労働者同士をいがみ合わせ、漁夫の利を貪っている。北朝鮮が塩漬けにされているのは、そうやって国内を引き締めるのに、各国支配者にとって都合が良いからという側面もあります。
 だから日米も中露も、時には北朝鮮の暴走に手を焼きながらも、彼の国を適度に利用してきたのです。原発事故に手を焼きながらも、決して原発を手放さないように。

 
  
 しかし、そんなものは支配階級の勝手な理屈にしか過ぎません。そんな理屈を、上の奴らが下の奴らを抑えつける為に言うだけならまだしも、日々低賃金や過労死や被曝労働に苛まされる下々の我々自身も「仕方ない」と言って認めてしまったら一体どうなります。「お前ら自身も認めたんじゃないか」という事で、我々の存在は全く無き物にされてしまいます。
 それに対して「誰かが反対してくれるのを待つ」(時機が熟するのを待つ)というのも、なるほど一つの方法です。しかし、それだけでは「熟す物も熟さなくなる」。かつてマルチン・ニーメラーというドイツの牧師は、ナチスが左翼やユダヤ人や新聞社を弾圧しても、「自分は関係ない」と黙っていました。教会にも弾圧の手が及んできたのを見て、ようやく「自分は牧師だから」と抵抗したが、もうその時は手遅れでした。戦前の日本も、軍部の横暴を心の中では疎ましく思っていた人間が実際は結構いたにも関わらず、弾圧を怖れて沈黙してしまったから、空襲や原爆で軍部と心中させられる破目になってしまったのでしょうが。(上記写真は、「もんじゅ」「全交」共同で即興的に取り組まれた「人間の鎖」の手をつなぐ直前の様子と、その時に掲げられたプラカードの一部)

 今、北朝鮮のミサイル発射で政府もマスコミも大騒ぎですが、アホかと思いますね。落ちて来るかどうかも定かでないミサイルの破片よりも、今度福島原発事故みたいな事が起こったら、放射能で琵琶湖も関西も全部ダメになるのが確実な、大飯原発再稼働の方がよっぽど危険なのに。北朝鮮のミサイルの事ばかり大騒ぎして、政府や関電がその裏でドサクサ紛れに何をしようとしているか、全然注意を払おうとしないのだから。それは何も原発だけとは限りません。消費税増税、TPP、派遣法改正骨抜き、普天間移設、その他にももっと一杯あるでしょう。
 或いは「北朝鮮は信用できないが政府・関電は信用できる」とでも思っているのでしょうか。若しそうだとしたら、お目出度い限りです。どちらも、その人間性無視や隠蔽体質の本質については同じでしょうが。でなければ、30項目か13項目か何か知りませんが、たった数日間の論議だけで決められた即席の、先送りだらけで期限も曖昧な、電力会社任せのいい加減な「暫定安全基準」とかいう「作文」と引き換えに、「いつか上手くなるし本人も努力すると一応言っているから、今はどんなにムチャクチャな運転でも卒検合格のお墨付きを与える」かのような姿勢で、政府が原発再稼働しようとする筈がないでしょう。

 人権侵害については、北朝鮮によるものでも日本やアメリカによるものでも等しく抗議する。少なくとも「見て見ぬふりはしない」。これは何も難しい事を言っているのではない。人間としてごく当たり前の態度だと思うのですが。
 しかし現実には、中国核実験場の汚染を告発しながら、日本の原発推進や核武装を唱える(高田純・札幌医科大教授や石原慎太郎)。原発は地下に造れば良いとほざく(平沼・立ち上がれ日本代表)。幾ら作業員が生き埋めになり地下水が汚染されようと、国家さえ守られればそれで良いと思っているのだろう。
 そんな国家を守る為に、「脱原発」の筈の橋下徹が一方で「日の丸・君が代」を強制し、民営化・福祉削減で保育所や地下鉄を企業の金儲けの道具に変え、学校選択制で受験エリートだけを優遇しようとする。「ルールだから守れ」とただ強制するだけなら、ブラック企業の経営者と同じだ。その「脱原発」も、財界向けには「脱原発依存」、つまり依存度を今より下げるだけだと、民主党や自民党でも言いそうな内容に変えて。「脱原発」を、被曝労働を強いられる者の痛みなぞそっちのけで、単なる人気取りや新たなビジネスチャンスぐらいにしか思っていないから、そんな態度が取れるのだろう。
 そんなエセ愛国者どもがチヤホヤされ、ここまで増長するようになったのも、我々が抑圧に負けて、或いは日頃の忙しさにかまけて、声を挙げなくなったからだ。
 
コメント (5)
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