・【個室ビデオ店火災】上半身裸で徘徊 奇行目立つ小川容疑者(産経新聞)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/183425/
・【個室ビデオ店火災】“個室店難民”、再起半ば絶たれた希望(同上)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081003/crm0810031217008-n1.htm
・個室ビデオ店火災:仮眠用やネットカフェと同様の利用も(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081001k0000e040034000c.html
今回は、この前の大阪・難波の個室レンタルビデオ店放火事件との関連で、少し感じていた事を書きます。
まず、この事件を巡るこの間のマスコミ報道の姿勢ですが、事件容疑者の特異性ばかりを、ことさらクローズアップしている様に思えてなりませんでした。勿論それ以外にも、店の防火対策や消防法の不備、ネットカフェとの類似性の指摘や、この様な簡易宿泊施設を利用せざるを得なくなった貧困層の存在にも目を向けた報道も、決して少なくはないのですが。しかしどうも、事件容疑者のギャンブル癖や日常の奇行とか、愛人に入れあげていたの戸籍を売ったのと、そういう容疑者個人の問題に矮小化している様な気がしてなりませんでした。
確かに、そういう個人の弱さに起因する部分も、今回の場合は大いにあるとは思います。幾ら「格差社会が悪い」と言っても、犯罪に走る人は数から言えば少数なのですから。しかしその一方で、普段は保守反動で鳴らす産経新聞ですら、3日付記事では、倒産して多額の債務を負い「個室ビデオ難民」に落ちぶれながらも、再起を図ろうと懸命に生きている介護ヘルパーの話を取り上げていました。そこで我々が考えなければならないのは、それを単なる苦労話や道徳美談に終わらせるのではなく、そういう人が何故「個室ビデオ難民」に甘んじなければならないのか、憲法25条で謳われた生存権が保障されないのか、という事である筈です。
また、奇行癖ばかりがことさらクローズアップされた形になっている事件容疑者にしても、事件そのものは到底許せないのは勿論ですが、かつては大手電機メーカーに勤め自宅も購入していた程の大の大人が、何故そこまで転落してしまったのかを考えると、やはりそこにはセーフティネットの不備や、「負け組」に対する差別、連帯感の欠如といったものが、大きく影を落しているのは確かでしょう。生活保護受給を罵られリストカットにまで至ったという容疑者の証言からも、社会保障を「権利」としてではなく只の「施し」としてしか捉えられないこの国の後進性が、図らずも浮かび上がってきます。
ここで少々穿った見方をすると、その前に起こった東京・秋葉原での無差別殺人事件の後に、「確かにやった事は許せないが、犯行の動機となった疎外感・絶望感については、同じ派遣社員としてよく分かる」という書き込みがネットに溢れたのに対し、新自由主義を信奉する政府・財界がそこに「体制の危機」を感じ取り、今回はマスコミを使って火消しに躍起となっているのではないかと、訝しく思ってしまいます。
特に、石原慎太郎・東京都知事が今回の事件について、「ネットカフェ難民なんて当人が粋がっているだけで、当人の甘えでしかない」「山谷のドヤ街に行けば2~300円で1泊出来るのに、1500円も使って贅沢だ」という趣旨の、許しがたい暴言を吐いているのを聞くと、余計にその感を強くします。私なぞはそれを聞くと、「観光紛いの海外視察や、思いつき殿様商売の新銀行東京への公費投入などの、公私混同やり放題の御仁が、自分の事を棚に上げて何を偉そうに言うか」と、もう呆れてモノも言えませんでした。
しかも実際には、ネットカフェ難民の救済に取り組んでいるNPO法人「もやい」が石原都知事に突きつけた公開質問状の中でも、山谷でも2~300円で泊まれる所なんて全然無い事が露呈してしまい、却って墓穴を掘る結果となったのには、もう愉快と言う他ありません。
食うや食わずの生活困窮者が政治的発言の機会を奪われて何も言えないのを良い事に、こんな「白を黒と言いくるめる」が如き、いい加減な言説を垂れ流すのは、到底許される事ではありません。流石は一家揃って政治家揃いで苦労知らずの世襲政治家集団・石原ファミリーです。一度ぐらいはマジで数ヶ月間、ネットカフェやゼロゼロ物件に住んで、1日1食やカップめんとオニギリだけでランチを済ませ、最低賃金ギリギリの生活を体験して、庶民の苦労を実感すれば良いのです。
・石原都知事「200円の宿」発言に波紋(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3965181.html
・石原慎太郎、ネットカフェ難民をファッションと非難(カナダde日本語)
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1132.html
・石原都知事に公開質問状「200円の宿があるなら紹介してください」(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/labornet/news/2008/1223258651860staff01
そのNPO法人「もやい」ですが、この間の米国発の金融恐慌のあおりを受けて、存続の危機に立たされています。「もやい」の大口スポンサーでもある不動産会社が、サブ・プライムローン破綻の影響で急激に資金繰りが悪化し、破産手続きに入ってしまった為です。
リーマン・ブラザースを初めとする米国投機資本家筋の「切った張った」のギャンブルの所為で、何の関係も無い「もやい」が、回りまわって腐朽資本家の尻拭いを押し付けられた格好になっているのです。こんなモン、「もやい」には何の責任もありません。
「もやい」は、新たなスポンサー企業を見つけながら、当面の急場を支援者からのカンパで凌ぐつもりです。別添のカンパ申し込み要領の中には「一口5万円を目途に」という文面がありますが、必ずしも5万円をカンパしなくてはならないのではなく、あくまでの一つの目安であって、払えない人は払える範囲でカンパに応じてくれれば、それで良いようですので、みなさんも是非ご協力をお願い致します。詳細については下記の各リンク先サイトを参照して下さい。私も、何とかやりくりをつけて、少しでもカンパしようと思っています。
米国や日本の政府も、こんな懲りないギャンブル資本家に、幾ら公金を投入しても無駄だという事に、何故気が付かないのか。懲りない面々は、自分たちの私腹を肥やすのに懸命で、公金返済や社会貢献の事なぞ全然考えていないのですから。マイケル・ムーアが「ウォール街救済プラン」の中で言っている様に、【緊急救済すべきは住居を失う人々だ。8つ目の住宅を建設する連中ではない。】
・米国金融安定化法案否決と新自由主義の終焉(植草一秀の『知られざる真実』)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-c593.html
・マイケル・ムーアのウォール街救済プラン(地球が回ればフィルムも回る)
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1451.html
・「もやい」ピンチ 後援社破産、ホームレス支援困難(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008100502000059.html
・緊急カンパキャンペーンご協力のお願い(もやいHP)
http://www.moyai.net/modules/m1/index.php?id=22
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/183425/
・【個室ビデオ店火災】“個室店難民”、再起半ば絶たれた希望(同上)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081003/crm0810031217008-n1.htm
・個室ビデオ店火災:仮眠用やネットカフェと同様の利用も(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081001k0000e040034000c.html
今回は、この前の大阪・難波の個室レンタルビデオ店放火事件との関連で、少し感じていた事を書きます。
まず、この事件を巡るこの間のマスコミ報道の姿勢ですが、事件容疑者の特異性ばかりを、ことさらクローズアップしている様に思えてなりませんでした。勿論それ以外にも、店の防火対策や消防法の不備、ネットカフェとの類似性の指摘や、この様な簡易宿泊施設を利用せざるを得なくなった貧困層の存在にも目を向けた報道も、決して少なくはないのですが。しかしどうも、事件容疑者のギャンブル癖や日常の奇行とか、愛人に入れあげていたの戸籍を売ったのと、そういう容疑者個人の問題に矮小化している様な気がしてなりませんでした。
確かに、そういう個人の弱さに起因する部分も、今回の場合は大いにあるとは思います。幾ら「格差社会が悪い」と言っても、犯罪に走る人は数から言えば少数なのですから。しかしその一方で、普段は保守反動で鳴らす産経新聞ですら、3日付記事では、倒産して多額の債務を負い「個室ビデオ難民」に落ちぶれながらも、再起を図ろうと懸命に生きている介護ヘルパーの話を取り上げていました。そこで我々が考えなければならないのは、それを単なる苦労話や道徳美談に終わらせるのではなく、そういう人が何故「個室ビデオ難民」に甘んじなければならないのか、憲法25条で謳われた生存権が保障されないのか、という事である筈です。
また、奇行癖ばかりがことさらクローズアップされた形になっている事件容疑者にしても、事件そのものは到底許せないのは勿論ですが、かつては大手電機メーカーに勤め自宅も購入していた程の大の大人が、何故そこまで転落してしまったのかを考えると、やはりそこにはセーフティネットの不備や、「負け組」に対する差別、連帯感の欠如といったものが、大きく影を落しているのは確かでしょう。生活保護受給を罵られリストカットにまで至ったという容疑者の証言からも、社会保障を「権利」としてではなく只の「施し」としてしか捉えられないこの国の後進性が、図らずも浮かび上がってきます。
ここで少々穿った見方をすると、その前に起こった東京・秋葉原での無差別殺人事件の後に、「確かにやった事は許せないが、犯行の動機となった疎外感・絶望感については、同じ派遣社員としてよく分かる」という書き込みがネットに溢れたのに対し、新自由主義を信奉する政府・財界がそこに「体制の危機」を感じ取り、今回はマスコミを使って火消しに躍起となっているのではないかと、訝しく思ってしまいます。
特に、石原慎太郎・東京都知事が今回の事件について、「ネットカフェ難民なんて当人が粋がっているだけで、当人の甘えでしかない」「山谷のドヤ街に行けば2~300円で1泊出来るのに、1500円も使って贅沢だ」という趣旨の、許しがたい暴言を吐いているのを聞くと、余計にその感を強くします。私なぞはそれを聞くと、「観光紛いの海外視察や、思いつき殿様商売の新銀行東京への公費投入などの、公私混同やり放題の御仁が、自分の事を棚に上げて何を偉そうに言うか」と、もう呆れてモノも言えませんでした。
しかも実際には、ネットカフェ難民の救済に取り組んでいるNPO法人「もやい」が石原都知事に突きつけた公開質問状の中でも、山谷でも2~300円で泊まれる所なんて全然無い事が露呈してしまい、却って墓穴を掘る結果となったのには、もう愉快と言う他ありません。
食うや食わずの生活困窮者が政治的発言の機会を奪われて何も言えないのを良い事に、こんな「白を黒と言いくるめる」が如き、いい加減な言説を垂れ流すのは、到底許される事ではありません。流石は一家揃って政治家揃いで苦労知らずの世襲政治家集団・石原ファミリーです。一度ぐらいはマジで数ヶ月間、ネットカフェやゼロゼロ物件に住んで、1日1食やカップめんとオニギリだけでランチを済ませ、最低賃金ギリギリの生活を体験して、庶民の苦労を実感すれば良いのです。
・石原都知事「200円の宿」発言に波紋(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3965181.html
・石原慎太郎、ネットカフェ難民をファッションと非難(カナダde日本語)
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1132.html
・石原都知事に公開質問状「200円の宿があるなら紹介してください」(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/labornet/news/2008/1223258651860staff01
そのNPO法人「もやい」ですが、この間の米国発の金融恐慌のあおりを受けて、存続の危機に立たされています。「もやい」の大口スポンサーでもある不動産会社が、サブ・プライムローン破綻の影響で急激に資金繰りが悪化し、破産手続きに入ってしまった為です。
リーマン・ブラザースを初めとする米国投機資本家筋の「切った張った」のギャンブルの所為で、何の関係も無い「もやい」が、回りまわって腐朽資本家の尻拭いを押し付けられた格好になっているのです。こんなモン、「もやい」には何の責任もありません。
「もやい」は、新たなスポンサー企業を見つけながら、当面の急場を支援者からのカンパで凌ぐつもりです。別添のカンパ申し込み要領の中には「一口5万円を目途に」という文面がありますが、必ずしも5万円をカンパしなくてはならないのではなく、あくまでの一つの目安であって、払えない人は払える範囲でカンパに応じてくれれば、それで良いようですので、みなさんも是非ご協力をお願い致します。詳細については下記の各リンク先サイトを参照して下さい。私も、何とかやりくりをつけて、少しでもカンパしようと思っています。
米国や日本の政府も、こんな懲りないギャンブル資本家に、幾ら公金を投入しても無駄だという事に、何故気が付かないのか。懲りない面々は、自分たちの私腹を肥やすのに懸命で、公金返済や社会貢献の事なぞ全然考えていないのですから。マイケル・ムーアが「ウォール街救済プラン」の中で言っている様に、【緊急救済すべきは住居を失う人々だ。8つ目の住宅を建設する連中ではない。】
・米国金融安定化法案否決と新自由主義の終焉(植草一秀の『知られざる真実』)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-c593.html
・マイケル・ムーアのウォール街救済プラン(地球が回ればフィルムも回る)
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1451.html
・「もやい」ピンチ 後援社破産、ホームレス支援困難(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008100502000059.html
・緊急カンパキャンペーンご協力のお願い(もやいHP)
http://www.moyai.net/modules/m1/index.php?id=22
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