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貧困ビジネスとしての加計学園

2017年06月28日 17時37分53秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を

萩生田官房副長官(右)の2013年5月10日付のブログに掲載された、(左から)安倍首相、加計学園の加計孝太郎理事長の写真。東京新聞より。

 安倍首相が突然、「獣医学部の全国展開を図る」と言い出しました。それまでの獣医抑制の方針から180度の転換です。「加計学園系列の獣医学部新設だけ何故認めるのか?」「お友達の経営者だけ特別扱いして。これでは完全な政治の私物化じゃないか!」と、野党やマスコミから連日叩かれるので、苦しまぎれの思いつきで口にしたのでしょう。そう思っていたら、案の上、翌日には早速、安倍自身が「その通り」だと白状してしまいました。安倍いわく「余り叩かれるので頭に来て言った」のだそうです。「お前は、子どもか!」と思わず言いたくなりますが、その「子ども」の党を選挙で勝たせてしまったのも私たちです。それを思うと、悔やんでも悔やみきれません。

 では、実際はどうなのか?果たして、全国展開を図らなければならないほど、獣医が不足しているのか?「保育園落ちた、日本死ね!」ならぬ「獣医にかかれない、日本死ね!」というほどの事態にまでなっているのか?そう思い、少し調べてみました。そうすると…

獣医の病院給料ウラ話!? コンビニに負ける獣医師たち(+獣医のペット病院ウラ話!?)
http://pet-net3.sakura.ne.jp/pet-urabanashi/juui-sugao/juui-kyuryou/

 上記ブログの記事いわく、病院勤務の獣医さんの初任給は20~23万円。非正規バイトの給料よりは多少良いが、その代わりにボーナスはおろか残業代も付かない。それでいて、1日15時間労働が常態化しているのだそうです。夕方近くになってようやくランチにありつける。休みは週1日のみで、その代わりに夜勤が毎週ある。夜勤の後も続けてフルタイムの日勤があり、下手すれば48時間連続勤務になる場合もあるとの事です。なぜなら、獣医は人間の医者とは違って内科や外科の別がないから、動物の全ての病気に対応しなければならないからだそうです。医師の絶対数も少ないので、必然的に長時間労働に追い込まれる事になります。その辺の事情は看護士や介護士ともよく似ています。時給換算すればコンビニ店員の方がまだマシだそうです。
 開業医になると収入面では多少マシにはなりますが、それでも年収600万円。普通のサラリーマンとさほど変わりません。それと言うのも、人間の医者とは違って保険がきかないので、ペットが病気になっても金銭的に余裕のある人しか病院には来ないからなのだそうです。多分、診療報酬も低く抑えられているのでしょう。人間の医者とは大違いです。

総理、全国の都道府県議会の意思=公務員獣医の処遇改善を無視するのですか? (広島瀬戸内新聞ニュース)
http://hiroseto.exblog.jp/25871666/

 だから上記ブログの記事のように、特に地方では獣医のなり手がいなくて、何とか人材を確保してくれと、地方議会で数多くの決議や意見書が上がるまでになっています。獣医の貧困問題が解決されない限り、獣医不足も解消されません。それを、まるで安倍首相は、獣医学部の拡充(頭数の確保)だけで解決できると思っているようです。しかも、それを単なるビジネスチャンスとしか捉えていない。ブラック労働ゆえに人が来ず、現場は人手不足に陥っている。しかし、その現場の苦境をよそに、それをビジネスチャンスや金儲けの道具としか見ない輩が、政権と癒着して甘い汁を吸っている・・・という構図が、調べていく中で浮かび上がって来ました。

 この構図こそ、今まで散々、派遣労働や介護労働でも指摘されてきた問題と全く同じではないですか。社会保険や労災保険にも入れてもらえず、景気が悪くなれば即切られる現場の派遣労働者の苦境をよそに、派遣大手のパソナやグッドウィルの会長が政権と癒着して「男たちの悪だくみ」にふけり、派遣搾取の上にあぐらをかく。特養に入れず老々介護に追われる人が一杯いる中で、下流老人を食い物にする劣悪な介護施設がはびこる。貧乏人を食い物にする貧困ビジネスの構図そのものじゃないですか。

一番左から加計孝太郎・加計学園理事長、一人挟んで安倍首相。安倍昭恵のフェイスブックより。

加計学園の獣医学部新設はどれほど馬鹿げているのか、系列大学の偏差値や四国の実態から考えてみた(Buzzap)
http://buzzap.jp/news/20170603-kake-juui/

 上記の記事によると、加計学園が愛媛県の今治に獣医学部の設置を進めている岡山理科大学の偏差値は35~40なのだそうです。俗に「Fラン大学」と呼ばれる三流の私立大学です。もちろん、偏差値だけが全てではありません。たとえ偏差値はそんなに高くなくとも、マグロ養殖に成功した近畿大学のように、高い学問的業績を上げている大学もあります。では、加計学園系列の大学はどんな学問的業績を上げているでしょうか?ほとんど皆無に等しいじゃないですか。もし百歩譲って、本当に安倍の言う通り、獣医学部の拡充、全国展開が必要だとしても、地元の国公立大学や私立の北里大学など、学問的業績を上げている大学が既にあるのですから、そちらの規模拡充を図る方がはるかに有益ではないでしょうか。獣医学部の新設を申請していたのは加計学園だけではありません。京都産業大学も同じように獣医学部の新設を申請していました。なぜ、京都産業大学の申請が認められずに加計学園だけが認められたのか?安倍のお友達だったからでしょうが。これはもう規制緩和ですらありません。ただ規制をねじ曲げただけです。政治の私物化そのものです。

 つまり、こういう事です。加計考太郎にとっては大学も単なる金儲けの道具でしかない。安倍晋三にとっては獣医拡充も単なる責任逃れの方便でしかない。稲田朋美にとっては自衛隊も単なる自民党の集票マシーンでしかない。奴らにとっては国民なんてただの金づるでしかない…。しかし、競馬ファンだって馬を単なる金づるだなんて決して思ってやしない。そんな事思っていたらハルウララやプロレタリアトなんて応援できない。競馬ファンより加計や安倍や稲田の方が、よっぽど人でなしの「ド底辺」じゃないか!

 ここに来て、ようやく安倍内閣の支持率が下落し始めました。毎日新聞の世論調査では36%と、既に3割台の危険水域に突入しています。朝日が41%、共同・時事が45%前後、産経・NHKが48%前後、読売は最も高くて49%。各社に数値のバラツキはありますが、どの新聞社も以前より大きく下落している事は確かです。いくら安倍首相が記者クラブから批判的なメディアを締め出し、マスコミ幹部を会食に誘って囲い込もうとしても、マスコミも所詮は商売。今までは安倍ヨイショ記事の方が売れたが、今後は安倍批判記事の方が売れると判断すれば、そちらにどんどん傾いていきます。安倍は今頃になって、ようやく世論の力を思い知った事でしょう。しかし、それでもまだまだ内閣支持率が高すぎます。南スーダンPKOの日報隠しや森友・加計学園疑惑、共謀罪の強行採決に加え、豊田真由子議員のパワハラに稲田防衛相の「自衛隊としても自民党を応援」発言と、安倍政権の暴走は、もはやとどまる所がありません。今や「安倍が先に倒れるか、それとも国民が先にやられるか」の瀬戸際まで来ています。一刻も早く安倍政権を倒さなければなりません。

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