アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

これはもはや過失などではない、れっきとした犯罪だ

2007年08月28日 08時42分48秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
 まずは、生活保護問題対策全国会議を初めとする弁護士・福祉関係者・労組員・一般個人が北九州市小倉北区福祉事務所長を刑事告発した、その告発状より引用(長文ですが、非常に明快に事の本質を断じていますので、敢えて当該部分を全て引用します)。

(引用開始)
3 告発事実
⑴ 公務員職権濫用罪(刑法193条)
A 生活保護実施機関の所長として全般的に責任を負う被告発人が
B 生活保護実施機関としての指導助言の権限に仮託して(*生活保護法27条1項参照)、経済的自立の目処が立っていない被害者に、辞退届を書かざるをえないと誤信、これを作成させ、保護を廃止するという違法行為を行い、       
C 被害者の生活保護受給権を侵害した

⑵ 保護責任者遺棄致死罪(刑法219条・218条)
A 生活保護実施機関の所長としてその事務全般を掌握し、生活保護受給者が困窮しないよう、保護を継続する責任を負う被告発人が、
B ①被害者男性が、就労可能な状況になく、生活保護を打ち切ればたちまち窮迫する状況にあったにも関わらず、辞退届を作成させて保護を廃止し(*辞退を理由とした保護廃止の要件につき、広島高裁平18.9.27)
  ②違法な廃止処分を行った以上、当該処分を取り消し、被害者の生命侵害の危険を除去する義務を負っていたにも関わらず、かかる義務を怠って被害者を放置した結果
C 被害者を、身体の一部がミイラ化した状態で餓死するに至らせた

4 適用法条
(1) 刑法193条(公務員職権濫用罪)
公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。
(2) 刑法219条,218条(保護責任者遺棄致死罪)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する(218条)。
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する(219条)。 *傷害罪:懲役15以下又は罰金50万以下

5 北九州市の生活保護行政について
 北九州市は、生活保護行政において、「適正化」名目の下、徹底した保護費削減政策をとっており、その手法は「闇の北九州方式」とも呼ばれる。各種データを参照しても、保護の申請率:全国30.6%に対し北九州市15.8%、保護率:全国は増加傾向にも関わらず北九州市は逓減傾向と際立っており、窓口で保護の申請をさせない(いわゆる水際作戦)、受給中の保護者に指導の名の下に圧力をかけ、保護打ち切りに追い込むなどの事態が報告されている。同市では2005年、2006年と、生活保護申請が認められなかった男性が死亡する事件が発生しており、本件は3年連続の生活保護制度にからむ死亡事件となる。
 被害者男性ケースは、同市において「19年度自立重点ケース」と位置付けられ、病状調査の結果「普通就労可」として就労指導が行われ(*なお、根拠とされた病状調査の結果については、被害者の死後、担当医師から、そのような診断を行ったことはなく、精神的にも不安定な状態で、普通の就労ができる状態ではなかった、と抗議がされている)、自立見込についても「6カ月以内」に丸の付けられた個別協議票が3月30日付で係長課長の決裁を受けていた。本件発覚後も、同市は「自立のモデルケースだった」「(本件のような)取り扱いは従前通り」とコメントをしており、被害者男性の死は、組織一体となっての継続的・確信的な運用の結果であることがうかがわれる。
(引用終了)
 http://seihokaigi.com/kitakyukokuhatu200708.aspx

(関連記事)
・[AML 15402] 【転送歓迎】北九州市福祉事務所長を刑事告発します
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-August/014937.html
・「保護打ち切り違法」告発 小倉の男性死亡で弁護士ら(西日本新聞)
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070824/20070824_055.shtml
・北九州市福祉事務所長 “餓死事件”で刑事告発される(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/living/0708/0708241272/1.php


 引き続いて、グッドウィルユニオンが先日東京地裁に提訴した「データ装備費」返還訴訟の訴状からも引用(こちらも前記以上に長文ですが、同等の理由で当該部分全文を引用)。

(引用開始)
第3 本件「データ装備費」名下での賃金からの天引き
1 一稼働あたり200円の天引き
被告は、前述の「スポット派遣」で働いた労働者の賃金から、労働者を1回稼働させるごとに「データ装備費」として、金200円を賃金から控除してきた。各原告の控除日、控除回数及び控除額は、別紙「請求債権目録」記載のとおりである。

2 「データ装備費」の実態と違法性
被告が派遣スタッフに配布している「派遣スタッフ就業規則」によれば、「データ装備費として勤務ごとに任意に200円を皆様からいただいております」「データ装備費は、皆様個人の所持品として支給するユニフォーム、ヘルメット等の安全装備、情報管理、万が一の際の十分な補償を得るため、会社で一括購入している障害・物損の民間保険料の一部に充当するものです」と記載されている。
しかし、本来、安全装備、個人情報の管理にかかる費用は使用者が負担すべきものであり、労働者に負担を求めること自体が労働基準法、労働安全衛生法、労働者派遣法の定めによる労働者の権利保障の趣旨に反し、公序良俗に反して違法である。
また、民間の損害保険料にかかる費用については、原告らが登録に際し、あるいは派遣労働契約を締結するに際して、保険関係の当事者や契約内容、労働者に如何なる権利があるのか、保険関係の成立にかかる説明は一切なく、その後原告らが問い質しても被告はまったくその内容明らかにしないなど、何らの根拠もないものであることは明白である。にもかかわらず、労働者から損害保険料名下に保険料を徴収して労働者の負担とすることは、欺罔という故意に基づいて労働者の権利を侵害する違法行為というべきである。

3 優越的地位にあることを利用して継続させた徴収行為
被告は、この「データ装備費」の徴収が違法であるとの非難を浴びることを回避するため、徴収は労働者の「任意」の同意によるものであると弁明するであろうが、前記就業規則には、「所得税の源泉徴収額とデータ装備費は給与から控除させていただきます」と記載され、現実には、被告会社を派遣元として労働者派遣関係のもとで働く労働者は、有無を言わさず一稼働200円の「データ装備費」が徴収されてきた。要するに、たとえ徴収行為を拒絶しようと、被告は一方的に「データ装備費」を徴収してしまうのであり、そもそも被告による徴収行為を拒絶できるような構造にはない。
労働者は、日々の契約によって生計を維持しているから、このように一方的に徴収されるものであっても契約を締結しなければならず、被告は、労働者のこのような窮状に乗じて、95年の創業時から「データ装備費」名下での控除を継続してきた。

4 「データ装備費」の実態の究明と被告の対応
その後、原告らが加盟する派遣ユニオンが団体交渉を通じて実態を究明するなかで、本年に至りようやく「データ装備費」が根拠のないものであることが判明した。すなわち、労働組合との団体交渉において、被告が説明した「データ装備費」の使途は、「保険料に充当した」「個人情報管理の費用である」「ヘルメット・ユニフォームなどの費用である」など、その説明を二転・三転させるものであり、何ら実態のないものであることに加え、それらが現実に労働者の待遇改善に使われたという事実もないことが明らかになった。
また、データ装備費を如何なる名目により経理処理しているのかを問いただしても、被告は何らの説明も資料も示すことができなかったばかりでなく、各支店の支店長は、データ装備費徴収額についてのノルマを課せられ、これが被告の利益として計上されていたことが明らかになった。
被告は、「データ装備費」についての批判の高まりを受けて、2005年5月1日から2007年4月30日までの過去2年分を返還すると発表し、対象者約80万人に対して、最大37億円を返還する方針を決めた。しかし、「データ装備費」の返還の範囲については、賃金債権の消滅時効期間である2年間に限るとして全額の返還には応じていない。ちなみに、業界2位のフルキャストも1稼働当たり250円の「業務管理費」を徴収していたが、創業時に遡って返却することを労働組合との間で合意している。

第4 原告らの請求権
1 不当利得返還請求権
(1) 被告会社の不当利得
被告は、前記のように徴収すること自体が違法であり、かつ実体のない法律関係に基づき、しかも原告らの同意もなく、「データ装備費」名下に一稼働あたり200円を賃金から天引きしてこれを徴収し、原告らに別紙請求債権目録記載の損失をもたらし、その損失を自らの利益としてきた。これは法律上の原因のない利得であり、民法703条以下の「不当利得」に該当する。

(2) 悪意の受益者
また、被告が、「データ装備費」名下の費用徴収について法律上の原因を欠くものであることを認容してなしたものであることは明らかであるから、被告は、民法703条に基づいて不当利得の返還請求義務を負担することはもちろん、悪意の受益者として、利息を付してこれを返還しなければならない義務を負う(民法704条)。

(3) 原告らの返還請求権
よって、原告らは被告に対し、民法703条及び同法704条に基づく不当利得返還請求権として、別紙請求債権目録記載の金員及び不当利得の日の翌日から支払い済まで年5分の割合による利息金の支払を求める。

2 不法行為に基づく損害賠償請求権
(1) 本件徴収行為の不法行為該当性
被告は、前記のとおり、何らの実体もなく、またその徴収が、労働基準法、労働安全衛生法、労働者派遣法等労働関係法規によって定められた労働者の権利保障の趣旨を逸脱し、あるいは、労働者の利益に還元されるようなものでは全く無いにもかかわらず、実体があって労働者の利益として還元されるかのように偽って、労働者に対し圧倒的に優越した地位にたつという力関係を利用して、1稼働あたり200円を強制的に徴収するという違法行為を行ったものであり、これは、民法709条の、故意により他人の権利を侵害した不法行為を構成する。

(2) 原告らの損害
原告らは、被告の前記不法行為によって、別紙請求債権目録記載の支払い年月日欄記載の各不法行為日に各稼働ごとの金200円の損害を蒙った。

(3) 損害賠償請求権
よって、原告らは、被告に対し、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求権として、別紙請求債権目録記載の各人別の合計欄記載の金員及び各不法行為日の翌日から支払済まで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める。
(引用終了)
 http://ameblo.jp/goodwillunion/entry-10044882401.html
 http://ameblo.jp/goodwillunion/entry-10044882490.html

(関連記事)
・“ピンハネ返せ”派遣労働者がグッドウィルを提訴(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/living/0708/0708231228/1.php
・グッドウィル:労組員が返還訴訟「装備費」天引き問題で(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070824k0000m040091000c.html
・グッドウィルのデータ装備費@まとめウィキ
 http://www34.atwiki.jp/gw-200/
 http://www34.atwiki.jp/gw-200/pages/13.html
 グッドウィルによる派遣給与200円ピンハネは、「毎月」ではなく「1勤務毎」です(つまり給与から毎日200円ピンハネ!)。しかも、表向き言っていたような「保険充当目的」なぞではなく「会社の裏金」として!


 この様なアコギな企業や役人どもに対しては、団交や調停だけで対応していたのでは埒が明きません。これは、もはや瑕疵や過失などではない、れっきとした犯罪行為です、それも故意の確信犯による。言を左右にして居直る相手に対しては、刑事告発や訴訟も視野に入れた対応をすべきでしょう。例えば、偽装請負是正・直接雇用契約再締結で合意しておきながらそれを会社側が一方的に反故にした、次の様なケースに対しても。

・「偽装請負告発し失職」 日亜化学への勧告申し入れ(東奥日報)
 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20070723010002361.asp

 そして、昨今の少年犯罪・外国人犯罪に対しては何かとエキサイトする人たちも、こういう企業・行政による明白な犯罪についても、同等にエキサイトして然るべきでしょう。そうでなければ「不公平」「逆ダブル・スタンダード」の謗りは免れません。 
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