小布施にはプライベートで行ったのですが、ちょうど到着の日に、林・中扇地区の脳のリフレッシュ教室「ななくさの会」の活動日という情報が。
もちろん、飛び入り参加しました。年に一度のカラオケ大会の日ということで、カラオケ店に直行しました。
挨拶もそこそこしかできません。というのも、みなさんが体育会系のノリで次々歌い続けているから(笑)
店主とデュエット。この店主も傑物。妻に先立たれた後に、娘が使わなくなっていたカフェをカラオケ店にして「楽しんでる」。毎日1時間以上の散歩も「楽しんでる」。
ななくさの会の立役者
もう一人の立役者。悲しい酒を熱唱。
お上手でびっくり
私の隣にいらっしゃいましたね。なんと87歳。
「おじいさんが死んじゃってね。長く患ったから、看病は思い残すことがないほどやったんだよ。そのまま家でなにもしなかったらおかしくなっちゃったと思うけど、教室に誘ってくれたおかげで楽しく過ごしてます」
私が写真を撮っていたら
「ねえ、ねえ、何かに出すの?」
「私のブログに使ってよかったら、使わせて」と答えると
「この前は新聞に載っちゃって。家の若い衆が『悪いことしたんじゃないからいいよ』って言ってくれたよ」と恥ずかしそうに言いながらも、内心の喜びが伝わってくるようでした。
小布施町のマンホール。北斎からでしょう、波文様。
お開きになって、ようやくお話が聞けることに。
林・中扇地区の脳のリフレッシュ教室が始まったのは平成19年。
教室開始前は「ばらばらだった」という声と「結構まとまってたよね」という声が聞かれました。新しく家を建てた人も多く、割合に自由な雰囲気があった地区のようでした。
「1年目はやってもらうだけ。1年間ほんとによく面倒を見てくれたよ、在介は」
「2年目はとにかくやらなくっちゃあいけないから、いろいろ皆で知恵を出し合ってね」
といってますが、立役者のH間さんはこうして参加者をハグして回るような行動力がある方です。毎年度末に行われる「脳のリフレッシュ教室の交流会」では、ストーリー性のある面白い演目を用意してくださいます。
観客まで巻き込んだ楽しいものですね。
「新聞に載ったというのは?」とようやく尋ねることができました。
「7月のおぶせ議会だよりにも載ったよ。それを見て地方紙の取材があったんだよ」
内容が素晴らしい。
脳のリフレッシュ教室では「『体の健康・脳の健康』ともに気を付けよう。そして元気にボケずにイキイキ長生きしよう。脳の健康のためには三頭立ての馬車を自分らしく走らせることが大切」ということを言い続けます。
取材された内容を紹介しましょう。
日曜祭日を除く毎日、だいたい8時10分ごろH間さんが愛犬コロを連れて出発。教室仲間が三々五々連れ立って散歩を始めます。多い時は8人になるといいます。
そして、教室には参加していない一人暮らしの高齢者の家に立ち寄って声をかけるのです。玄関先まで出てきてもらうか、縁側まで出てきてもらうか、とにかく顔を見て話します。そして今日の日付や生年月日を聞いたりして、そのまま近所のお年寄りの家まで一緒に行くそうです。
そしてそこでまた世間話を楽しむのですが、お茶になったりお菓子やお漬物が出たり。その後「じゃあまたね」と散歩しながら帰るのです。だいたい1時間ほど。
「もちろんお年寄りは待っていてくれるし、道中も老若男女いろんな人達と声をかけたりかけられたり、なかなか楽しい。体にもいいし、雨くらいだと休まないよ」
見守りグループは、自分たちの健康維持の目的と地域の支えあい活動を見事に両立実践しています。
付け加えたいのは、見守りグループの皆さんはこのことが、体だけでなく脳の健康のためにも有効だということと、世間話も脳の活性化に役立っているという自覚があることなのです。
かくしゃく高齢者への道を、みんなで手を取り合って進んでいらっしゃる!
小布施町の長年にわたる認知症予防活動のひとつの実りではないでしょうか。