エネルギー・資源価格の大幅下落は日本経済にとって棚ぼたで、もしそれが無かったら今頃日本経済はマイナス成長で不況になっていただろう。昨年は石油だけで6兆円も産油国から富の移転があったからだ。ところが昨日来の総合商社の決算予想で、銅鉱山やLNG開発による減損損失のため、三菱商事は4300億円の減損を計上、連結最終損益が1500億円の赤字、三井物産も2800億円の減損計上で700億円の最終赤字になると発表、過去のどんな不況の時でも黒字を確保していた両社だが戦後初の連結赤字だ。アナリストの予想も資源価格の大幅下落が商社の決算に影響することは織り込んでいたが黒字予想であった。まさにビックリポンで、日本の国益を考えたらエネルギー・資源を確保することが重要との使命感もあって、商社マンは奮闘したのだが、大きな国際経済の流れの中にはこうゆうこともある。
一方、伊藤忠商事は今期業界で初の利益トップに立つ見通しで、現時点の純利益予想は1割増の3300億円と連続最高益がほぼ確実だ。資源では財閥系にかなわないとみて、13年に「非資源ナンバーワン」を掲げ、食料や繊維の強化を推進した効果が早くも出た。
しかし、三菱商事も三井物産もエネルギー・資源価格が堅調だったこの数年、毎年3000億円から4000億円もの最終連結利益をあげてきた。三菱商事は期末配当については下げることはないと言明している。両社が有しているチリの銅鉱山やオーストラリアのLNGサイトは日本の資源確保に大きな役割を持っており、ここで手放すようなことはしてほしくない。むしろ、非資源分野に注力することで総合商社の強みを発揮して貰いたい。
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