文学青年でも、詩人でもありません。
自民党総裁選挙で与謝野馨さんが立候補され六本木で見かけたことで、思い出した。
与謝野晶子さんの詩を。
こんな詩があることも、知らず。
受験勉強用として知っていた歌人の名・与謝野晶子。
社会人になり、何かのきっかけでこの詩 君しにたもうことなかれ を知った時は衝撃を覚えました。
『君しにたもうことなかれ』
ああ、弟よ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ。
末(すゑ)に生れし君なれば
親のなさけは勝(まさ)りしも、
親は刄(やいば)をにぎらせて
人を殺せと教へしや、
人を殺して死ねよとて
廿四(にじふし)までを育てしや。
堺(さかい)の街のあきびとの
老舗(しにせ)を誇るあるじにて、
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ。
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事(なにごと)ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家(いへ)の習ひに無きことを。
君死にたまふことなかれ。
すめらみことは、戦ひに
おほみづからは出(い)でまさね
互(かたみ)に人の血を流し、
獣(けもの)の道(みち)に死ねよとは、
死ぬるを人の誉(ほま)れとは、
おほみこころの深ければ、
もとより如何(いか)で思(おぼ)されん。
ああ、弟よ、戦ひに
君死にたまふことなかれ。
過ぎにし秋を父君(ちゝぎみ)に
おくれたまへる母君(はゝぎみ)は、
歎きのなかに、いたましく、
我子(わがこ)を召(め)され、家(いへ)を守(も)り、
安(やす)しと聞ける大御代(おほみよ)も
母の白髪(しらが)は増さりゆく。
暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかに若き新妻(にひづま)を
君忘るるや、思へるや。
十月(とつき)も添はで別れたる
少女(をとめ)ごころを思ひみよ。
この世ひとりの君ならで
ああまた誰(たれ)を頼むべき。
君死にたまふことなかれ。
明治の日露戦争の時代にこの反戦歌を詠むことが出来た素晴らしい歌人だと思っています。
発表時は喧々諤々したようですが、それでも社会が受け入れた包容力のある時代。
第二次世界大戦時の昭和では非国民と言う事で、同じ趣旨の歌を詠む事が出来でしょうか。
売国奴と言われずに兵役拒否できたアメリカの良心的兵役拒否者。
そんなことを思い起こしてしまった素晴らしい詩人。
おまけの画像
我が家のホトトギスを台所に活けて。
自民党総裁選挙で与謝野馨さんが立候補され六本木で見かけたことで、思い出した。
与謝野晶子さんの詩を。
こんな詩があることも、知らず。
受験勉強用として知っていた歌人の名・与謝野晶子。
社会人になり、何かのきっかけでこの詩 君しにたもうことなかれ を知った時は衝撃を覚えました。
『君しにたもうことなかれ』
ああ、弟よ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ。
末(すゑ)に生れし君なれば
親のなさけは勝(まさ)りしも、
親は刄(やいば)をにぎらせて
人を殺せと教へしや、
人を殺して死ねよとて
廿四(にじふし)までを育てしや。
堺(さかい)の街のあきびとの
老舗(しにせ)を誇るあるじにて、
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ。
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事(なにごと)ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家(いへ)の習ひに無きことを。
君死にたまふことなかれ。
すめらみことは、戦ひに
おほみづからは出(い)でまさね
互(かたみ)に人の血を流し、
獣(けもの)の道(みち)に死ねよとは、
死ぬるを人の誉(ほま)れとは、
おほみこころの深ければ、
もとより如何(いか)で思(おぼ)されん。
ああ、弟よ、戦ひに
君死にたまふことなかれ。
過ぎにし秋を父君(ちゝぎみ)に
おくれたまへる母君(はゝぎみ)は、
歎きのなかに、いたましく、
我子(わがこ)を召(め)され、家(いへ)を守(も)り、
安(やす)しと聞ける大御代(おほみよ)も
母の白髪(しらが)は増さりゆく。
暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかに若き新妻(にひづま)を
君忘るるや、思へるや。
十月(とつき)も添はで別れたる
少女(をとめ)ごころを思ひみよ。
この世ひとりの君ならで
ああまた誰(たれ)を頼むべき。
君死にたまふことなかれ。
明治の日露戦争の時代にこの反戦歌を詠むことが出来た素晴らしい歌人だと思っています。
発表時は喧々諤々したようですが、それでも社会が受け入れた包容力のある時代。
第二次世界大戦時の昭和では非国民と言う事で、同じ趣旨の歌を詠む事が出来でしょうか。
売国奴と言われずに兵役拒否できたアメリカの良心的兵役拒否者。
そんなことを思い起こしてしまった素晴らしい詩人。
おまけの画像
我が家のホトトギスを台所に活けて。
