自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

汚と穢おまかせパック/ 病める社会のルーツ 

2010-10-23 | 環境>教育

在日イスラム教徒の霊魂が宙をさ迷っている。
地元の反対で山中にすら土葬墓を造れないのだ。
戦前はやむなく土葬だったが人々は死の穢れを忌避するために
種々の禁忌をつくった。
禁忌があるということはまだ共同体があるということだ。
村八分になっても葬式だけは別(一分)だった。
いまでは葬儀社が文字通り始末してくれて参列者は帰りに清め
の塩をもらっても使い道すら知らない人が多い。
それだけ生きている者の魂が死者の霊魂の重みから解放された。
裏側のないメダルはない。文化も同じだ。
死が軽くなったということは生も軽くなったということだ。
我が子や老いた親に対する信じられない仕打ちには文化の伝統
と変容の背景もあると思う。
私が居たブラジルは土葬だった。
オラリアに隣接する移民宅で雇われていた独身日本人男性が死んで葬式があった。
付き合いのないわが家族も告別式から市営墓地の土葬まで始終
付き添った。
資産家は洋風の家族墓を買っていたが身寄りのないかれは掘り
返されたばかりの墓穴に降ろされた。
参列者みなが一握りの土をふりかけて最後の別れを告げた。
土盛にはいまだ土に還りきらなかった髪の毛や骨片が見えた。



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