自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

慟哭/雛が居なくなった!

2010-10-10 | 体験>知識

鳥の雛は孵化直後から生き抜くための自立遺伝子をもっている。
それは孵化行動でまず発動する。
くちばし上部付け根にヤスリが着いていて、それで卵の殻の内面を削って割れ目を作り殻を破って出て来る。
不要になったヤスリは自然に剥離する。
次に、最初に動く物を親とみなしてついて歩く習性が刷り込まれているから、人間や電動玩具について歩くことも珍しいことではない。
わたしが親代わりに育てていたひながいた。
始終ついてまわって餌をねだったり懐で休んだりするから自ずと愛情がわく。
ある日曜日、家族で市内の親類を訪ねたとき道路に駐車して車内に不用意にひなを放置した。
帰る段になって車に戻ってみるとひなが居なくなっていた。
通りすがりに持って行かれたことは明らかだった。
自責の念と喪失感で数日間夜も昼もベットの上で文字通り慟哭した。
遊ぶことも食べることもせず哭いた。
後にも先にもこれほど泣いたことはない。



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