あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

ポール・ロジャースの『The Royal Sessions』を聴く

2014年02月03日 | CD紹介(P・ロジャース)
フリーやバッド・カンパニーで知られるポール・ロジャースが、
R&Bとソウルの名曲を取り上げたカヴァー・アルバム『The Royal Sessions』を制作。
日本国内盤は2014年1月29日にメイキングDVD付きで発売された。



曲はオーティス・レディングの「I've Been Loving You Too Long」、
そして、アルバート・キング、アン・ピーブルスらの代表曲がチョイスされている。

レコーディング場所は、数多くの傑作を生みだしたメンフィスにあるウィリー・ミッチェル所有のザ・ロイアル・スタジオ。
オリジナル曲のレコーディングにも参加していたミュージシャンが本作のレコーディングにも参加しているとの事。

まさに“ザ・ヴォイス"、ポール・ロジャーズが、自らのルーツを探求するアルバムだ。

ポール・ロジャースがルーツ回帰したアルバムといえば、1993年に発表した『マディ・ウォーター・ブルーズ』があるが、
この人がブルースやソウルを歌えば鉄板で、『The Royal Sessions』も好盤になってること間違いなし・・・てな印象だったが。

まぁ、やっぱりロジャースさんはロジャースさん。
普通にロジャース流で歌ってくれてましたわ。

余裕さえ感じさせるくらいのマイペース。

『マディ~』はメンバーもロック系で、一流ギタリストを取っ替え引っ換えして注目を集めたが
今回はソウルの本場ミュージシャンとのセッションなので、ますますリラックスしたムード。
必要以上にリキんでいないのはニクイくらいだ。

プロになってからもポールが聴いてきたソウル・ミュージック。
オーティス・レディング、ブッカ―T & MG'sらの名曲。



それを、ザ・ロイアル・スタジオで
オーティス、サム&デイヴ、アル・グリーンらとの録音を実際に行ったアーティストたちとセッションしての録音。
こりゃ、ロジャースさんも感無量だったでしょう。

ロジャース先生が大きな舞台でソウル曲を歌った・・・というと
1988年5月14日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた『アトランティック・レコード創立40周年コンサート』が思い起こされるが

そこで、スティーヴ・クロッパーらをバックにオーティス・レディングの『ドック・オブ・ベイ』をカヴァーしたシーンは圧巻であった。

今回『ドッグ・オブ・ベイ』こそ収録されていないが、
60~70年代のソウル、R&B の楽曲を中心とした『The Royal Sessions』は、正に`ザ・ヴォイス'の本領発揮となっていました。いろんな意味で。

ちょっと必死になっているんじゃないのか・・・なんて期待したが
普通に上手く歌いこなしちゃってるのよね・・・。
※まぁ、さすがに「I've Been Loving You Too Long」は
 歌い上げてらっしゃいましたが・・・

アルバムのプロモ映像(EPKオフィシャル)


●『The Royal Sessions』

01. Thank You
02. Down Dont Bother Me
03. Cant Stand The Rain
04. Ive Been Loving You Too Long
05. Thats How Strong My Love Is
06. Walk On By
07. Any Old Way
08. Its Growing
09. Born Under A Bad Sign
10. Dreams To Remember
11. Shake
12. Walk In My Shadow
13. Wonderful World

The classic rhythm section
includes Reverend Charles Hodges (Hammond B3),
Michael Tolls (guitar),
LeRoy Hodges Jr. (bass),
Archie“Hubby” Turner (Wurlitzer),
Steve Potts and James Robertson Sr. (drums),
The Royal Horns and the Royal Singers.



「Born Under A Bad Sign」や「Cant Stand The Rain」は『マディ~』でもカヴァー済みだが
本場録音でも、ある意味余裕の歌いっぷり。

日本盤ボーナス・トラックの3曲は、お得な選曲。
「Walk In My Shadow」は、フリーの1st収録のオリジナル曲だし。

「まさにフリーらしい曲・・・と言われたけど、結成前にボクが作ってたモノなんだよね」と本人は苦笑していたが
この「英国のブルースロック歌手」が10代の頃に作りあげたブルースロック・ソング、本場のギタリストはリフをクールに弾いておいでだが
やっぱりロジャースさんの歌唱がグッと来る。
ボートラで一番感激してどうする・・・って感じですね。

あとは、『The Royal Sessions Part2』の制作に期待ですなぁ。

やっぱ「ドック・オブ・ベイ」も収録して欲しいし
後半怒涛の盛り上がりのある「トライ・アリトル・テンダネス」も、ロジャース版で聴いてみたい。

ウィルソン・ピケットやエディ・フロイドのカヴァーも・・・。

そして
やっぱアルバムの成功を引っさげての来日も希望したいですね。

ポール・ロジャースのブルース・R&Bカヴァー集『The Royal Sessions』、もうすぐ日本で発売

2014年01月12日 | CD紹介(P・ロジャース)
フリーやバッド・カンパニーで知られるポール・ロジャースが、
R&Bとソウルの名曲を取り上げたカヴァー・アルバム『The Royal Sessions』を制作。
国内盤は2014年1月29日にメイキングDVD付きで発売される。



曲はオーティス・レディングの「I've Been Loving You Too Long」、
そして、アルバート・キング、アン・ピーブルスらの代表曲がチョイスされている。

レコーディング場所は、数多くの傑作を生みだしたメンフィスにあるウィリー・ミッチェル所有のザ・ロイアル・スタジオ。
オリジナル曲のレコーディングにも参加していたミュージシャンが本作のレコーディングにも参加しているとの事。

まさに“ザ・ヴォイス"、ポール・ロジャーズが、自らのルーツを探求するアルバムだ。

ポール・ロジャースがルーツ回帰したアルバムといえば、1993年に発表した『マディ・ウォーター・ブルーズ』があるが、
この人がブルースやソウルを歌えば鉄板で、『The Royal Sessions』も好盤になってること間違いなし・・・てな印象。

『マディ~』はブルースロック一辺倒だったが、
今回は、もうひとつのルーツ=ソウルも取り上げてるのが特徴か。

さらに『マディ~』はメンバーもロック系で、一流ギタリストを取っ替え引っ換えして注目を集めたが
今回はソウルの本場ミュージシャンとのセッションなのも異なるところだ。

プロになってからもポールが聴いていたソウル・ミュージック。
オーティス・レディング、ブッカ―T & MG'sらの名曲。



それを、ザ・ロイアル・スタジオで
オーティス、サム&デイヴ、アル・グリーンらとの録音を実際に行ったアーティストたちとセッションしての録音。
こりゃ、ロジャースさんも感無量でしょう。

ロジャース先生が大きな舞台でソウル曲を歌った・・・というと
1988年5月14日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた『アトランティック・レコード創立40周年コンサート』が思い起こされるが

そこで、スティーヴ・クロッパーらをバックにオーティス・レディングの『ドック・オブ・ベイ』をカヴァーしたシーンは圧巻であった。

今回『ドッグ・オブ・ベイ』こそ収録されていないが、
60~70年代のソウル、R&B の楽曲を中心とした『The Royal Sessions』は、正に`ザ・ヴォイス'の本領発揮となっている事でしょう。

アルバムのプロモ映像(EPKオフィシャル)


●『The Royal Sessions』

01. Thank You
02. Down Dont Bother Me
03. Cant Stand The Rain
04. Ive Been Loving You Too Long
05. Thats How Strong My Love Is
06. Walk On By
07. Any Old Way
08. Its Growing
09. Born Under A Bad Sign
10. Dreams To Remember
11. Shake
12. Walk In My Shadow
13. Wonderful World

The classic rhythm section
includes Reverend Charles Hodges (Hammond B3),
Michael Tolls (guitar),
LeRoy Hodges Jr. (bass),
Archie“Hubby” Turner (Wurlitzer),
Steve Potts and James Robertson Sr. (drums),
The Royal Horns and the Royal Singers.

「Born Under A Bad Sign」や「Cant Stand The Rain」は『マディ~』でもカヴァー済みだが
本場録音で、どう変わってくるかも楽しみ。

日本盤ボーナス・トラックは3曲が収録される予定。
「Walk In My Shadow」は、フリーの1st収録のオリジナル曲。
「まさにフリーらしい曲・・・と言われたけど、結成前にボクが作ってたモノなんだよね」と本人は苦笑していたが
この「英国のブルースロック歌手」が10代の頃に作りあげたブルースロック・ソングが、本場でどう甦ってるかにも注目だ。

※公開されてるメイキング映像で少し聴けますがね
 パワフルに歌ってますなぁ、ロジャース先生・・・

アルバムの成功を引っさげての来日も希望しますわ。

私の中にてロジャース先生関連で再燃した「もう一つの期待」もあるんですが
それはまた別の機会で・・・。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連アルバム・レビュー!(21)

2005年12月12日 | CD紹介(P・ロジャース)
最後に彼らの近況など。

ロジャース先生は、「NOW」「エレクトリック」などのソロ・アルバムを発表。
流行やファッションに疎いロジャース先生が「ナウ」を意識しちゃダメでしょう・・・ってんで。
また活動は地味に戻ってしまったのだが(本人が「こんな古いタイプの演ってもなぁ」ってくらいが流行一回りしててOKだったりして)。

この辺のツアーにも私は行ったが、まぁ「マディ・ツアー」と大差ない感じであった。
マディ・ツアーでは、ワタクシ追っ掛け状態で。
サンプラザ中野では、出待ちをしてしまい(笑)、パンフにサインなんて貰い、握手もしてもらい感動の対面を果たし、「思い残す事なし」状態。

ま、直後のネーちゃんに気を取られたロジャース先生の態度には参りましたが。
ま、若いネーちゃんに出待ちされたら御機嫌になるのも仕方ないか・・・ってんで。
その後、発車した移動バスからニール・ショーンがギター・ピックを投げるも、誰も飛びつかず(笑)。
「しゃーないなぁ」と優しい兄ちゃんが道路に落ちたピックを拾ってあげていたのでした。

その後、21世紀に入り、音沙汰聞かなくなったと思っていたらバッド・カンパニーを再編してて。
ベスト盤に新曲を収録したり、ツアーやったりと活動するも、やはり短期間で終わった模様。
バドカンに関しては、2002年にライヴ・アルバムとDVDを発売してますが。
もちろん、M・ラルフスは不参加(笑)。

一時期「ロジャース抜きバドカン」が、ケッコウ米国で人気あったが「ロジャース抜きのバドカンなんて」って声も多く。
そんな声にも「権利の関係で もう、ボクのバンドじゃないんだよ」とボヤいていたロジャース先生、やはり愛着は深かったのね。

結局、意趣返しのような形でラルフスとボズ・バレル抜きのメンバーで行われたコンサートのライヴ盤は、フリーの曲も収録された充実のセットリストとなったのでした。



――で。
以下がCD収録曲。

【Bad Company In Concert: Merchants of Cool】

1.Burnin' Sky
2.Can't Get Enough
3.Feel Like Makin' Love
4.Rock Steady
5.Movin' On
6.Deal With The Preacher
7.Ready For Love
8.Rock Roll Fantasy
9.All Right Now
10.Bad Company
11.Silver Blue Gold
12.Shooting Star
13.Joe Fabulous
14.Saving Grace

最後の2曲は新録。

音は・・・・やっぱり薄い。
どのバンドもそうだけど、新しいライヴ録音は、ギターの中低域が寂しいのよねぇ・・・。あと、カークがありきたりなドラム叩いてる(涙)。

年齢的に仕方ないがねぇ・・・。
あと、曲中でビートルズ・カヴァー演ってたりするのも不満でした(笑)。

まぁ、個人的には「Deal With The Preacher」と「Silver Blue Gold」が聴けるのが嬉しいですが。

特に「ディール・ウィズ・・・」は。ハイトーン厳しいかと思いきや、(ホントに厳しいトコロはキー下げてるとは言え)必死に歌いこなすロジャース先生に感動・・・。

超代表曲は、歌い慣れ過ぎてて、歌メロ崩したりと感心できん部分もあるが、この辺は新鮮で・・・(涙)。

今回の「+クイーン」ツアーでも「上手い」とは言われまくってるが、ワタシャ本来「上手い」で済まされるヴォーカリストじゃ不満足なんですわね。

2002年バドカン・ライヴのロジャース先生は、確かに上手いが「嫌味な上手さ」とも感じられ。

ワタシャ、フリー時代に較べて、好き指数は3~4割落ちてます。だから「リクエストが多かった」と言って、ピアノに向かいながら歌う「シルバー、ブルー・・・」の微妙なタドタドしさが、むしろ嬉しかったりするのです。

同様のピアノ曲「バッドカンパニー」は余裕過ぎて、スリルに欠けるし。
いっそピアノを誰かに任せた「シルバー・・・」を聴きたい気もする(フリー時代はフレーザーも弾けたんだよなぁ)。

なんだかんだ言っても、このメンバー(ロジャース、カーク&新メンバー)のバドカンで来日してくれても行きますがね。

ギタリストのシャツなんて、いかにもM・ラルフスの着てそうなウエスタン風ですけど(笑)。

なお、DVDでは、スラッシュとニール・ショーンが参加した「ウィッシング・ウェル」が収録されており。
すでに顔がスッキリしたロジャース先生(ジム通い開始直後)の横、嬉々としてギターを弾いている2人が微笑ましいです。

フリーに較べ、全盛で正規のライヴ盤が出てないバドカン。
74~75年頃に出せてればねぇ・・・。
また評価も変わっていたろうにねぇ・・・・。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連アルバム・レビュー!(20)

2005年12月10日 | CD紹介(P・ロジャース)
――で。「マディ・・・」の余韻は、まだまだ続き。
90年代半ばには、川崎のクラブチッタでクラブ級の公演。

93年のツアーでは追っ掛け状態だったワタクシ、チッタのHPでチケット購入して、ここだけで満足してました。

しかも、ステージから4列目ほどの位置にて、1時間以上(?)立ちっぱなしで開演を待つ・・なんて若い事もやらかしました。

ま、殆ど目の前でロジャース先生を拝めたので大満足。

ギターのジェフ・ホワイトホーンも、ベテラン英国人らしいプレイで(マギー・ベルなどと活動)、ニール・ショーンより相性良さ気に見えました。

ベースのジャズ・ロッホリーも善戦。
チャーと組んでたドラムのジム・コプリーも、手数の多さで魅せ、大満足のライヴだったワケですが。

1996年に発表されたライヴ・アルバムは、やはり音が薄くって、魅力半減なんだよなぁ・・・。



【Paul Rodgers - LIVE】1996発売

1:Little bit of love
2:Be my friend
3:Feel like makin' love
4:Louisiana blues
5:Muddy water blues
6:Rolling stone
7:I'm ready
8:Wishing well
9:Mr. Big
10:Fire and water
11:The hunter
12:Can't get enough
13:Alright now

――代表曲を網羅したベストアルバム的な選曲だが。

音は小ギレイだし、ジャケットは「P・ロジャース・ディナーショー」みたいで(客席のファンと握手しながら歌うオールバックのロジャース氏・・・な構図はダサすぎますぞ!!)。



今は『Paul Rodgers Live/the Loreley Tapes』の名称で流通しているようだが。

あんまりフェイバリットでは無いアルバムなんですなぁ・・・。
ちなみに当時、日本盤はチャーが関わってる「江戸屋レーベル」から発売され。
コプリー繋がりだろうが、それはそれで印象深かったですな。

チャーは、日本で唯一「ロジャース先生の後ろでギター弾いて良いギタリスト」ですから。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連アルバム・レビュー!(17)

2005年12月02日 | CD紹介(P・ロジャース)
「マディ・・・」が売れて。
グラミー賞(アダルトロック部門だっけ?)にもノミネートされて。
気を良くしたレコード会社さんは、ゲンキンです。

さっそく、ツアーの模様をレコーディングして発売してしまいました(笑)。



【Paul Rodgers / The Hendrix Set】(1993年発売)

1:Purple haze
2:Stone free
3:Little wing
4:Manic depression
5:Foxy lady

――まぁ、ミニアルバム形式ですが。

ツアーの中で余興的にジミヘン・カヴァー演ってたのを、まとめて発売してくれました。

まぁ、ジミもブルース・ベースのミュージシャンだし。
「ストーン・フリー」の「♪ガッタガッタッガッタ♪」って一節はオーティス・レディングの影響大だし。



日本公演でも、ロジャース先生はジミヘンのカヴァー演ってたが
「エンジェル」の終盤、サビを客に歌わせようとして、見事にハズしていたよなぁ・・・
(例によってオレは歌ったけど)。

ギタリストもジミヘン曲を演奏するのは楽し気で、ニール・ショーンもノリノリで弾いておりますです。

ほぼ原曲の完コピですが、歌はやっぱりロジャース節(笑)。
オーヴァーダブなど、仕込む時間的余裕もなく発売された印象あり。

音圧が薄い気もするが、そこはライヴ・アルバムゆえ、仕方なし・・・・か。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(16)

2005年12月02日 | CD紹介(P・ロジャース)
ザ・ファームも尻すぼみ、続く「ザ・ロウ」(元フェイセズのドラマー、ケニー・ジョーンズとの双頭バンド)もアルバム1枚出して解散・・・と、
パッとしない80年代~90年代初頭を送ったロジャース先生が、「原点回帰」を図ってカッ飛ばした起死回生のカヴァー・アルバム。

それが「マディ・ウォーター・ブルース」。

60年代デビューのミュージシャンの大半がリスペクトするブルースの巨人「故・マディー・ウォーターズ」。

パープルで台頭してきたD・カヴァデイルが「あんた、P・ロジャースに歌い方似てるね」と言われて発した言葉が「ルーツが同じだから。僕もマディ・ウォーターズなどの影響受けてるからね」なんて言ってて「ウソつきやがれ!」と思ったものだが(いや、デビカヴァさんも嫌いじゃないんですがね)。

そのくらい、マディの名前は轟いてるのだが。その巨人へのリスペクトを、そのまま1枚のアルバムとして発表したのが、このアルバム。



――で、
ロジャースさん「原点回帰」を果たすに当たり、色々なギタリストに声を掛けたんですな(フリー解散後の一時期、ギター弾きながら歌ったが、上手く行かなかった教訓が残ってたか?)。

そして、誘いに乗ったギタリストはキラ星のような面々で。
ブルースロックの原点に戻ったロジャース先生に、ジェフ・ベックなどのギタリストが脇を固めたら鬼に金棒!古くからのファンを歓喜させ、ギタリスト好きも飛び付く好盤となり。

この後のツアーでは、アルバム参加のニール・ショーンを引き連れて世界を回り(米国ではスラッシュなども飛び入り参加)、感動の日本公演も実現したのでした。

さらに、名ギタリストが次々と登場する同アルバムの形態は、ギターイベントの興行主から好まれ。
ギブソンやフェンダーのイベントに、ヴォーカリストでありながら引っ張りダコとなる副産物まで生み出すのでした(最後は全員出演で「クロスロード」演奏したりして、盛り上がるのよ)。

そこでブライアン・メイとの親交も暖まり・・・ってのは余談でありますなぁ。

――以下、収録曲と参加ギタリスト。

【Paul Rodgers / Muddy Waters Blues】(1993発表)

1:Muddy water blues/buddy guy
2:Louisiana blues/trevor rabin
3:Can't be satisfied/brian setzer
4:Rollin' stone/jeff beck
5:Good morning little school girl/jeff beck
6:Hoochie coochie man/steve miller
7:She's alright/trevor rabin
8:Standing around crying/david gilmour
9:The hunter/slash
10:She moves me/gary moore
11:I'm ready/brian may
12:I just want to make love to you/jeff beck
13:Born under a bad sign/neal schon
14:Good morning little school girl/richie sambora
15:Muddy water blues/neal schon

――このアルバムは、かなり売れ。
'93年以降暫くはロジャース先生、復活の狼煙を上げて世界中を駆け回る事になったのでした。



ま、現役バリバリの黒人ブルースマンのBUDDY GUYさんの参加もハクを付けてたし(お礼にロジャース先生、ガイ師匠のアルバムに協力)。

イエスのTREVOR RABIN、ストレイ・キャッツのBRIAN SETZER、スティーヴ・ミラー・バンドのSTEVE MILLER、ピンクフロイドDAVID GILMOUR・・・なんて意外なメンツな気もするが、みんな元々は黒人音楽の影響下にあった人だし。

そして、ガンズのSLASH、GARY MOORE、クイーンのBRIAN MAY、ジャーニーのNEAL SCHON、ボンジョビのRICHIE SAMBORAなども楽しげにギターを奏で。

圧巻は、JEFF BECK・・・。
この人のキレあるギターの功績は大きすぎ。
見事に、このアルバムを「90年代のブルースロック・アルバム」に仕立ているのでした。
この人「他にも弾かせろ」って乗り気だったが、人の良いロジャースさんは「みんな声掛けに応じてくれてるからさ」と、やんわり却下。
勿体無い!!・・・と、「以前、ベック・ボガード&アピスにロジャースが参加する話もあった」なんてネタを信じる者に地団駄踏ませてくれたのでした・・・。

ま、こんなメンツが集まったのも、ロジャース先生の人徳だろうし、多くのミュージシャンが彼のキャリアに対して敬意を払っているって事でしょうな。

ギターだけが注目されてる気もするが、このアルバム成功の理由は「曲の良さ」「アレンジの良さ」にもあり。

カヴァーなれど、そこは「90年代のブルースロック」に仕上げてあり、「ルイジアナ・ブルース」などフリー時代を思わせる曲調で、古くからのファンは狂喜したモノです。

「先人と同じ事しても仕方ないだろ?」ってロジャース先生の言葉が聞こえてくるような。
そんな気がする復活作。

フリー、バドカン以降、やっと「ファンが求めるもの」と「ミュージシャンが呈示したもの」が一致する好盤を物にしたロジャース先生なのでした。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(15)

2005年12月02日 | CD紹介(P・ロジャース)
――で。
ロジャース先生が、リハビリ中(?)のジミー・ペイジさんを救済すべくタッグを組んだ「ザ・ファーム」。

まぁ、双頭バンドで。他のメンバーで知名度あるのは、ベースのトニー・フランクリンくらいかも知れないが。
「ボンヨヨヨ~ン」って感じの音色は、あんまり好きじゃないんだよなぁ・・・。

期待と不安を抱えながら針を落とした1stアルバムは。
全盛時代の技量やメロディーの冴えには及ばないものの、思ったよりは出来たレコードだと安心したのでした。
そこそこスピード感ある「クローサー」。
ミディアムテンポのリフロック「メイク・オア・ブレイク」。
いかにもなJ・ペイジの手癖ギターだが、妙に聴けてしまう「サムワン・トゥ・ラヴ」。
直球カヴァーの「ふられた気持ち」。
シングルになった「レディオアクティヴ」

・・・などなど。



当時はMTV全盛で、両巨頭が寸劇まじりに演奏するビデオクリップは、見ていて中々辛かった。
米南部風の酒場で演奏。
おネェちゃんの前で、これ見よがしにボトル使ってスライドギター決めるも、席を立たれて『カックン』となるペイジ先生・・・(涙)。

本人達は自虐ギャグだったのかも知れんが、酒場の「うらぶれ感」、「もう昔ほどモテ無い感」が、こっちにゃ痛いほど伝わって来て・・・(涙)。

――以下、1stと2nd収録曲

【The Firm】
1. Closer
2. Make Or Break
3. Someone To Love
4. Together
5. Radioactive
6. You've Lost That Lovin' Feelin
7. Money Can't Buy
8. Satisfaction Guaranteed
9. Midnight Moonlight

【Mean Business The Firm】
1. Fortune Hunter
2. Cadillac
3. All The King's Horses
4. Live In Peace
5. Tear Down The Walls
6. Dreaming
7. Free To Live
8. Spirit Of Love

――セカンドは曲の鮮度が一気に落ちた感じか(結局、ラスト・アルバムになったのも納得・・・)。

ペイジのソングライティングに期待できない分、ロジャース先生がソロアルバムから「リヴ・イン・ピース」を持ち出し。
それなりに壮大なアレンジで聴かせてくれている。

シングルカットとなった「~キングス・ホーセズ」は、メロディーにイマイチ魅力が無い。



聴きドコロは、ラストの「スピリット・オブ・ラヴ」か。
ゴスペル風(?)コーラスを背に、ロジャース先生の独壇場。
スピード感を増してアルバムの最後を飾る。
最後、地味に終わる傾向あるロジャース先生のアルバムにしちゃあ上出来のエンディング。

CDで買い直してないけど、これだけの為に購入するか、悩みドコロですな。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(14)

2005年11月30日 | CD紹介(P・ロジャース)
――で。
バドカン消滅の後、すぐに発表されたロジャース先生のソロが「カット・ルース」。

全ての楽器を自分一人でコナし、録音してしまったトコロに「バンドとの決別」を感じるが。

出来たアルバムは「バンド・サウンド」だったりするもんだから、こっちの心中は複雑・・・。

6曲目の「ブギー・ママ」なんて、ドラムのリズムがアッチャコッチャしてて、少し耳に痛いし・・・。
ただ、厄介なバンドの人間関係から開放されたせいか、曲調は原点に返り、音も明るい。
曲も悪くは無いし。バドカンの「ラフ・ダイアモンド」より全然イイ(笑)。
個人的には結構スキなアルバム。
ジャケットのロジャース先生は、憂いを帯びた表情してるが。
デニムシャツを着たロジャース先生、ファッションのダサさは有名だが、このシンプルな格好は良かったですな。

バドカン後期は、太ったタヌキ体型になった上、むっちりタイツ系や胸毛披露の胸開きシャツ着たりして、かなりキツイものがあったのだが。
もう、シェイプされた印象ですよ、色々と(笑)。
感激するP・ロジャースのファンをよそに、このアルバムは大して売れなかった。
同時期にケニー・ロギンスの「フット・ルース」が売れまくったからだ。・・・私はそう睨んでいる。



【Paul Rodgers/Cut Loose】1983発表

1:Fragile
2:Cut loose
 3:Live in peace
4:Sweet sensation
5:Rising sun
6:Boogie mama
7:Morning after the night before
8:Northwinds9:Superstar
10:Talking guitar blues

――1曲目の「フラジャイル」。

ギターサウンドに乗って「You Better Love Me♪」の連呼。
「オレを愛したがイイぜ」と何度も歌い、「だってオレは君を愛しているから」と来る、これまたシンプルな歌詞。

シャッフル・ナンバーの「カットルース」。

後にJ・ペイジと組んだ「ザ・ファーム」で再録、90年代の来日ソロ公演でも演奏されて観衆を感動させた「リヴ・イン・ピース」。

じっくり聴かせるミディアム・ナンバーの「モーニング・アフター・・・」など。

やっぱロジャース節は健在で。フリー時代を思い出させる若々しい歌声は、やはり原点回帰を感じさせてくれます。



このアルバムはアトランティック・レコードから発売され、多分その縁で「レーベルの記念コンサート」にも登場したのだが。

YES(ロンリーハート時代)やELP(レイク抜き)が登場し、短い持ち時間に不遇さを感じさせられたが、それでも地力のあるトコロを見せ。
ツェッペリンの再編と騒がれた「プラント、ペイジ、ジョーンズ&ボーナム息子」で、やっぱり高音の出ないプラントと指が動かないペイジを見て寂しいモノを感じさせられたりしたのだが。

アトランティックと言えば・・・の「オーティス・レディング」故人となったオーティスの曲を誰が歌うのか・・・と思った時、私の頭に浮かんだのはロジャース先生。
「でも、ありえないよなぁ・・・」と自分の考えを否定してた矢先に、ひょっこり現れた黒髪の小柄な男。
「ポ、ポール・ロジャースだ!!」と驚く私を尻目に、これまた御大オーティスの曲を歌い上げるロジャース先生。

「♪Looks Like、Nothin’Gonna Change♪」と盛り上がる一節を、見事なロジャース節で歌い上げ。
御大オーティスの「ドッグ・オブ・ベイ」さえ、咀嚼して自己流で歌い上げるロジャース先生に感動し・・・

「こんな凄いヴォーカリストが埋もれたままでイイ訳ないじゃないか!!!」
――と
TVの前で叫んだ事も懐かしい。
しかし、その後のロジャース先生といえば。
ジミー・ペイジとの「出がらしコンビ・グループ=ザ・ファーム結成」だの、元フェイゼズのケニー・ジョーンズ(dr)と組んだ出来損ないのAOR(?)バンド「ザ・ロウ」・・・などなど、
迷走は続いていたのでした。