DVDのカスタマーレビューでは
「幼稚園の娘がウテナの真似をして・・・」なんてコメントもあったから
雰囲気だけでも楽しく見るのかな?
一見して宝塚風だし、そんな物を幼女は喜ぶのか?
「ポスト・エヴァ」とも言われたそうな
え?
エヴァンゲリオン以降のアニメだったの?
余りにも少女漫画の正統派キャラが出てたりするので
アニメアニメしたエヴァ以前の作品だと思っていた
※しかし、映画版を見たときには
オープニングを見て「ああ、エヴァ以降のアニメだなぁ」と
素直に思ってしまった
メカが出てきたからかなぁ(←単純なこと!)
でも、TVアニメ以上に「ワケ分かんね」で終わっちゃいました
登場人物が絵に描いたような少女漫画キャラで
生徒会長(策士)の桐生冬芽が長髪のハンサム
副会長の西園寺莢一が剣道部部長で古風な男尊女卑キャラだが、やはり長髪ハンサム
フェンシング部部長(代行)の有栖川樹璃は、ストイックな『お姉さま』キャラで
見事な縦巻きロール髪が王道少女漫画している
密かな想い人が『どうしようもない相手』というのも良い
桐生冬芽の妹:七実は絵に描いたような『高慢なお嬢様』 しかも強度のブラコン
イジワルさ、悪巧みは清々しい程で、ギャグキャラとしても素晴らしい
西園寺といい、一本気なキャラクターは話が進むに連れてギャグキャラとして
使われる傾向あり・・・か
回を追うごとに味が出て、当初は『嫌なヤツ』だった敵役に愛着が湧いていくのも
『続き物』の醍醐味ですなぁ
ミッキーも
大学カリキュラムに進む才人設定ながら
中一の「ボウヤ」らしい思い込み一直線な部分や鈍さが重ねて表現されていく
※男の音楽教師に「期待してるよ」と腰に手を回されて嬉しそうに笑う鈍さが
また堪りません・・・
それを見る妹の梢の目が妖しく光り、音楽教師は何者かに階段から
突き落とされるのでした
ああ、梢ちゃんの水着姿がエロすぎる・・・
幾原監督は作画の方に「男を知ってる身体」と「そうじゃない身体」の描き分けまで
指示してたんじゃないか?
様々な『対比』が見られるアニメだが
『選ばれし者vs凡人(俗人)』の構図も興味深い
選ばれし者は、その優秀さゆえに完璧であろうとし、自らに欠ける部分を埋めようと苦悩する
それが過去の事であろうと・・・だ
それに比べ
俗人は様々な事を諦め、姑息に生きる術を知っている
したたかで、ふてぶてしい
『選ばれし者』への憧れ抱きながらも、心の底では妬み、憎んでもいる
『七人の侍』の侍×百姓みたいな構図か?
最後の勝者は・・・・?
心の隙を利用し、戦いに向かわせる『世界の果て』という存在
ハイ、もうワケが分かりません
分かる努力をする気もありません
そこに天真爛漫なウテナの居場所は?
決闘の勝者の『花嫁』アンシーとは?
最後までハッキリとは明示されずに終わりました
(明示されてたのかも知れないけど)
昔、漫画の表紙だけ見て
「歴史モノ?」とか「ジャンヌダルクみたいに国家を革命する少女の話?」とか
思ってた私ですから
「内的革命」の話だと思ってからは
『ハートキャッチプリキュア』の心の花がしおれた方々の話・・・に
通じる物を感じて視聴したが
まあ、内的世界も底が見えなかったり実は凄く広かったりするから
これは壮大な話なんだなぁ・・・と、思ったりもしました
女性キャラに『萌え』要素が無いし
そもそも『少女漫画世界のアニメ化』なのだから、
21世紀の萌え文化の中で『エヴァ』のように再生を繰り返す事もなく
作品世界も構築され切った上に、独自な美術・演出が見る者を選ぶ事から
発表当時で完結した印象のある『ウテナ』
地上波での再放送も
「序盤、アンシーが毎回ぶたれる」「インモラルでセクシャルな表現も多い」
「不条理・虚実入り乱れの演出連発」・・・などの理由で不可能だろう
ただ、その潔さも魅力だと思う
よくもまぁ、このようなアニメが平日の夕方6時に放映できたもんだ
テレ東さんの懐深さはハンパやないでぇ
当時、『ウテナ、ドライブ回』では、どれだけのお父さんがお茶の間で
気まずい気分を味わった事だろう
(そして、「オレのウテナ」が・・・・)
それにしても
何が『ビーパパス』だ!本物のパパの気持ちをどう考えてるんだ!
我が家のちびスケに「プリキュアの後はウテナだな」とかウッカリ考えて、
いまや途方に暮れてる私を どうしてくれるんだ!