あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

最近の収穫「TETSU & THE GOOD TIMES ROLL BAND "LIVE" 」CD

2015年11月21日 | CD紹介(FREEメンバー)
FREEやFACESで活躍した世界に誇る日本のミュージシャン、
山内テツ(b)。

1975年フェイセズが解散した後にテツさんが組んだのは
日英混成グループ「TETSU & THE GOOD TIMES ROLL BAND」。

日英混成と言っても
ヴォーカルが英国人のGary・P・Hopkinsって事だけなんだが。

唯一発表されたのが、76年のライヴ・アルバム。
サウンドは、FACESを彷彿とさせる、ファンキーでメロウ、
グルーヴィーなロックン・ロール。



ヴォーカルがRod Stewartそっくりだから
ホント、日本版FACESなノリで。
「やっぱコノ路線で来たのね」と思いつつ、ここまで
やってきますか・・・と軽い驚き。

メンバーが凄い。

ギターの森園勝敏は、四人囃子を脱退しプリズムに加入する
前の時期。

キーボードの上綱克彦は後に柳ジョージ&レイニーウッドの
リーダーになる人物。

ドラマーの島田吉隆は当時10代だが、後にチャーと活動を
共にするテクニシャン。

バック・ヴォーカルは桑名正博の妹、桑名晴子。
後にソロ・デビューする人だけに、このアルバムでも
メインで歌う曲では、ソウルフルな素晴らしい歌唱を
聴かせてくれる。

メイン・ヴォーカルは、英国ウェールズ出身のゲイリー・
ピックフォード・ホプキンス。
元ジェスロ・タルのメンバーとワイルド・ターキーを組んだ
経験あり。
なんと、リック・ウェイクマンの「地底探検」や
「アーサー王と円卓の騎士たち」にも参加している人で、
同ツアーのメンバーとして日本にも来ているそうです。



私が購入したのは輸入盤でベージュのジャケット。
なぜか国内盤は黒いジャケットで、個人的には体温を
感じるベージュの方が好きだなぁ。

【収録曲】
1. エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ
2. トラヴェリング・マン
3. イフ・ユー・ニード・ミー
4. 634-5789
5. アイ・ノウ・バット・ユー・ドント・ノウ
6. ウェイク・アップ
7. ドント・ユー・ニード・サムバディ
8. ロング・アー・ザ・デイズ
9. ハード・ワーキング・ラヴィング・マン

いきなりテンプスのカバーです。
「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ」です。
ウィルソン・ピケットの「634-5789」も。

メンバーは森園さんを始めテクニシャンばっかりだが
テツさんのキャリアに敬意を表し、シンプルな演奏に
徹している。

R・ブラックモア直系のアーミングも、天駆ける奏法も
封印した森園さんだが
ここは切れの良いカッティングやソロで魅せてくれる。

鍵盤もI・マクレガンを思わせてくれて私ゃニヤリ。

弾きまくり、演りまくりもロックの醍醐味だが
グルーヴと間を大事にする演奏も、これまたゴキゲン
なのです。



森園さん、さすがに決めるトコロは決めてくるし。
テツさんのベースは、まさにテツ節。
※さすが本場のR&Bマンに「あんなファンキーなベースを
 弾くヤツいなかったぜ」と言わしめたプレイヤーです!

フリーでは前任のA・フレイザーが個性的すぎたから
割を食ったが、テツさんのベースも充分に記号性あり。

フリーの「マディウォーター」を思わせる印象的なベース・
ラインにはグッと来ちゃいました。

シンガーのゲイリー・P・ホプキンスのソウルフルな
シャガレ声が良い・・・。

この1枚で終わったのが残念なバンドでした。

なお、ゲイリー・ピッグフォード・ホプキンスは、2013年の
6月22日に癌のため死去している。

リック・ウェイクマンが自身のサイトで明らかにした事によると
長い間、癌との闘病生活を送っていたそうだ。

今更ながら御冥福を御祈りしたい。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連アルバム・レビュー!(23)

2005年12月12日 | CD紹介(FREEメンバー)
そして、各メンバーの現在・未来。

まずはアンディ・フレイザー。
80年代には【FINE FINE LINE】(January 1984 Island 7901531)なんてソロアルバム出したが。
おりしもAOR全盛時、このアルバムもモロAOR。
フレイザー、ベース弾いてないし、声も甘ったるいし、中古盤で買って直ぐ売っ払らった私でした。



その後、フレイザーさんの姿を見たのは94年。
WOODSTOCK94にロジャース先生が参加。
この時、ゲストとして登場して「オールライト・ナウ」を演奏。
私を感動させてくれたのだが。

反面、腕の衰えも感じさせ(ギターソロ前振りのベースランニングが走っていないというか、ウネリがゼロというか・・・、とにかくフレーズ押さえるので必死な感じが痛々しかった)。

同年にはギブソン100周年コンサートでもロジャースとアンディは共演。
「オールライト・ナウ」と「ミスター・ビッグ」を演奏するも、見せ場のベースソロはイマイチで、やはり感激と落胆が交錯したものでした。

しかも、身体も顔も異常に痩せ細り。「大丈夫か?エイズにでも掛かってるんじゃないのか?」なんて本気で考えていたら。・・・その通りでしたよ。

しかも、最新ニュースじゃ「元フリーのアンディ・フレイザー、“エイズで死亡説”を否定!」なんて見出しが付いてて。

堀江淳かよ・・の世界ですよ(涙)。
なんか、3月頃からネット上を情報が出回ってており、身内から電話が掛かり捲くって困ったアンディ自身がメッセージを発表した模様。

ただし、そこでエイズ感染に関しては認めたそうな(涙)。
2005年にアルバムを発表しているフレイザーさんだが、そのタイトル名が「NAKED…AND FINALLY FREE」だったりするから。

ますます「最期の覚悟で作ったのか?」ってな憶測生んだんでしょうな。
あと、ロジャース先生が去年のフェンダー記念コンサートで「オールライトナウ」演る時、「コゾフに捧げるよ」と言ったついでに「アンディにも!」と言っちゃったから、「すわ!フレイザーも亡くなっちゃったの!?!?」と皆が勘違いしたんじゃないの?ロジャース先生「ヤベッ」と思ったのか、直ぐに「カークにも!」と明かな生存メンバーの名前も付け足したが、皆の早合点を止めるに至らず・・・だったと私は見たが。

まぁ、アンディさんも公式HPお持ちですが。そこのフォトも健康状態よさ気には見えないもんなぁ・・・。
ちなみに最新盤の試聴も公式サイトで出来るが、75年の声に戻ってました(涙)。
曲調は、現在住む米国西海岸の雰囲気というかトロピカル・ムードがタップリな物も一部あったりだが。

まぁ、彼の「今」の声が聴けただけ嬉しかったですよ。



――以下、収録曲。

【NAKED…AND FINALLY FREE】2005発表

01. Healing Hands
02. Yours Faithfully
03. Stand Ready
04. Too Far To Turn Back Now
05. Don't Leave
06. All I Want Is You
07. Jungle
08. Deliverence
09. Someone Watching Over Me
10. Family
11. The Night
12. Standing At Your Window

――ファイナリーなんて言わず。
も少し音楽活動続けて欲しいねぇ・・・。

ロジャース先生には、J・ベックとも組んで欲しいが、やっぱりフレイザーの曲を歌って欲しいねぇ・・・。
別にフリーの再編やらなくてもイイから。フランキー・ミラーが歌った「ビー・グッド・トゥー・ユアセルフ」「ア・フール・イン・ラヴ」「ダブルハート・トラブル」のロジャース・ヴァージョンが聴きたいねぇ・・・。
または、アンディー・フレイザー・バンドの曲(一曲目の「ドント・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ」など)を、ロジャースさんの歌で録り直したり・・・。

その方がイイ気がすます。
ブライアン・メイとのプロジェクトで「もっと何か出来る気がする。新曲が出来たら・・・」なんて語ってられるが、ぶっちゃけ両方とも出がらしさんだからねぇ・・・。

ロジャース先生ばっか「80年代以降、不遇」なんて言われてるけど、70年代に活躍した人は大半が、80年代不遇の時代を過ごしているんですよ・・・。

ミューズの神に見放され、曲も書けなくなり・・・。
そんな者同士で新しく何かを始めようとしても、出来は読めるというか(ロジャース先生が、彼にとって目新しい曲を歌い、新鮮だったってだけで・・・)。

だったら自分達の過去から掘り起こした方が良いんじゃないか・・・と。



ロジャース先生の「エレクトリック・ランド」「スピリット・オブ・ラブ」とか、良い曲に成り掛けてたのにバンドの状態がイマイチだったため納得いく録音が出来なかった曲とか・・・(しかし、改めて思うに、ロジャース先生の歌詞には「LOVE」が多いねぇ。彼は「愛の人」だったんだねぇ・・・)。

ここらで一枚、75年にA・フレイザーが発表した2枚目みたいな南部味付け(ホーン付き)アルバム作ったってイイじゃない!

――ロジャース先生らの今後の活動に幸ある事を祈りつつ、長くなったシリーズを終わらせようと思います。

Hey! Everybody! Let‘s Get It On Agein With FREE & Bad Company!!

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(22)

2005年12月12日 | CD紹介(FREEメンバー)
次は、
ロジャース以上の才能を持ったと言われつつ、遂にフリーを超える音楽活動を送れなかったアンディ・フレイザー関連など。

1973年に結成した「Sharks」メンバーには、名ギタリストと言われるChris Speddingの名前あり。



双頭バンドと言われ、フリーっぽい楽曲もあったが。
ヴォーカルのSnipsのダミ声が強烈で(けっこう好きなんですけどね)、 余りフレーザーのベースの印象も残らず。

1曲目の「ワールド・パーク・ジャングル」など、フリー・アット・ラスト収録曲みたいな雰囲気あるが。

全体的に「名曲」って感じのブツが無く、きらびやかさに欠ける印象あり。
バラードの「スティール・アウェイ」なんて、かなりイイ線いってると思うが、ヘヴィな曲に決定打が無く。
このメンツでのアルバムは1枚で終わり。フレイザーはバンドを飛び出してしまったとさ。



【First Water】Mau Mau MAUCD628 1973発表
1:World Park Junkies
2:Follow Me
3:Ol'Jelly Roll
4:Brown-eyed Boy
5:Snakes And Swallowtails
6:Driving Sideways
7:Steal Away
8:Doctor Love
9:Broke A Feeling

――CDではセカンドアルバムとの2in1で収録されており。
90年代には、新録の3rdアルバムも発表されたが、そちらにもフレイザーの参加は無い。

天才少年フレーザーも、メンバー探しに苦戦。
一時は、フランキー・ミラー(この人も名ヴォーカリスト!)と組んだって話もあったが、アルバム発表には至らず。

しかし、F・ミラーにはロビン・トロワー(g)とのバンド結成の話があったりして、
「ミラー、トロワー&フレイザー」みたいなバンドが実現してたら、ある意味フレイザーさんの人生も変わってたろうなぁ・・・なんて
詮無い事を思ってしまうブリティッシュ・ロック・ファン・・・。

この時期、幻の名バンドが結構あるんだよなぁ・・・。

――で。
結局は、自分が中心となってトリオを組む事を選んだフレーザーさん。
その名も「アンディ・フレイザー・バンド」。

75年にアルバム発表となったのですが、フレイザーの歌い方が相当にロジャースさんに似てて、皆ビックリこいたのでした。

今はイイ時代になったもので、その1stと、直後にソロで出したアルバムがカップリングでCD化されております。

【THE ANDY FRASER BAND & IN YOUR EYES】1975発売

1. Don't Hide Your Love Away
2. Changed Man
3. Ain't Gonna Worry
4. I Wanna Be There
5. Bring It On Home
6. Double Heart Trouble
7. Keep On Loving You
8. Love Is All around
9. Baby Forever
10. Train Of Love
11. Let Your Love Come Out
12. Ease On Out
13. Be Good To Yourself
14. Gotta Steal Away
15. Listen To The Rain
16. Leave Your Love Light Shine
17. Talking 'Bout My Baby
18. Ain't No Substitute
19. Need Someone To Love

――この辺を聴くと「フリーの曲って、かなりフレイザーの貢献大きかったんだなぁ」と思わされてしまいますな。



まぁ、このアルパムじゃフリー離れを意識してるだろうし、時代性からかエレピを多用してるから、全体的にフンニャカしたムードもあるのだが。

フランキー・ミラーがロック色を強くカヴァーした「Double Heart Trouble」や「Be Good To Yourself」なんて、かなりフリーみたいでした。

「Be Good・・・」なんて、ミラー・ヴァージョンの方がフレイザーっぽいベースライン使ってたりして・・・。

まぁ「曲が書ける」って強みゆえ、以降は他人に提供する側に回ってしまったフレイザー。
収入は安定しているだろうが、天才ベーシストの称号はフリー時代で終わってしまった。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(18)

2005年12月06日 | CD紹介(FREEメンバー)
そして、これまたギタリストとして圧倒的な存在感を見せていたポール・コゾフ。

髭面のふてぶてしい風貌とは裏腹に、ストーンズのブライアン・ジョーンズとも被る繊細さを持っていたという“Koss”(しかし「同じバンドに二人のポールが居るから、こちらは下の名前から“コスと呼ばれた」・・・なんてのが色々と暗示してるよなぁ)。

フリー解散後、クスリしたら足を洗えないながらも、ソロや新バンド=バックストリート・クロウラーで印象的なギターを披露していたのでした。

【Paul Kossof/BACK STREET CRAWLER】(1973)
1:TUESDAY MORNING
2:I'M READY
3:TIME AWAY
4:MOLTON GOLD
5:BACK STREET CRAWLER



――音の透明度が高いソロ・アルバム。

参加は、TETSU YAMAUTI、ANDY FRASER、CLIVE CHAMAN、TREVOR BURTON(以上ベース)、
ALAN WHITE、SIMON KIRKE(以上ドラムス)、PAUL RODGERS、JESS RODEN(以上ヴォーカル)、
RABBIT(キーボード)などなど、かなり豪華なメンバーで。

アラン・ホワイトなんてYESじゃなく、こっちで叩いてた方が全然OKなんじゃないか?・・・なんて思わせる重いスネアを聴かせてくれます。

そしてコゾフのギター。その個性と言える、独特のトーンとヴィブラート奏法の両方がタップリと堪能できるのですよ。

フリー時代はレスポールを使っていたコゾフ、このアルバムではジャケットでストラトキャスターを抱いていて、よりロングトーンの音色が研ぎ澄まされた印象。

最大の聴き物は、レコード時代はA面すべてを占領していた「TUESDAY MORNING」。

もうね、フリー時代に押えられていたギタリストとしてのエゴが炸裂しています!
自由に弾けて嬉しそうです。

前半、ノリの良いリフを中心としたヘヴィなギターロック、後半はソロ弾きまくり。
これが、「カム・トギャザー・イン・ザ・モーニング」に匹敵する泣きまくりギターで。

コゾフ・ファンには感涙の音色が聴けます。
この音色聴くだけで、このアルバム買う価値あるでしょうな。

2曲目は、これまた英国産の名ヴォーカリストと言われるジェス・ローデン(まぁ、私はイマイチ好きでは無いが)をヴォーカルに迎えてのファンキー・ロック。

4曲目は、フリーの同窓会的な曲(ラビットも参加)。
あらゆる声域で魅せるポール・ロジャースの歌唱も圧倒的ながら(ホント、このヒト凄すぎるわ!)、曲の良さも感動的で。
スローテンポながら、後半の盛り上がりが、フリーと言う「失われた財産」の尊さを感じせられる。
盟友コゾフへの最後のプレゼントとなった、これぞ名曲。

――以降、このアルバム・タイトル名を冠したバンドを結成するが、他のメンバーの知名度不足や、コゾフのドラッグ癖の悪化などあり、活動は地味なものとなり。

度重なる体調不良の末、コゾフの弱った心臓は、ツアーに向かう飛行機上で鼓動を刻む事を止めたのでした・・・。

90年代になって発表されたコゾフの音楽活動をなぞったアンソロジー「Blue Soul」では、セッション参加も含めて彼のギターのハイライトとも言える演奏が聴けたが、
未聴だったフリー曲のライヴ・ヴァージョンに、激しく感動したものだよなぁ・・・。



【Blue Soul】
1. Over The Green Hills Part One - Free
2. Worry - Free3. Moonshine (Live) - Free
4. Trouble On Double Time (Live) - Free
5. Crossroads (Live) - Free
6. Oh I Wept - Free
7. We Got Time - Uncle Dog
8. Oh How We Danced - Jim Capaldi
9. The Stealer (Single Version) - Free
10. Hold On - Kossoff Kirke Tetsu Rabbit
11. Catch A Train - Free
12. Come Together In The Morning - Free
13. Molten Gold - Paul Kossoff
14. I Don't Know Why The Sun Don't Shine - The Rumbledown Band
15. Tricky Dicky Rides Again - Jim Capaldi
16. I'm Ready - Paul Kossoff
17. Blue Soul - Backsteet Crawler

――「クロスロード」が聴きモノかなぁ。
ジム・キャパルディの「オウ・ハウ・ウィ・ダンスド」のキャッチーなサウンドの中でもシッカリと「コゾフのギター」を弾いてるのが偉い・・・。

最後は自己コントロールの出来ないラリパッパ・ギタリストと成り果てたが、やはり英国産の名ギタリストと言ってよろしいでしょう。

この人なしではフリーは成り立たなかったし、ロジャース先生が「コゾフの居ないフリ-は考えられない」と言うのも納得のギタープレイでした(「ハートブレイカー」でも、メンバーは正式にコゾフを迎えたつもりが、レコード会社は「ゲスト扱い」としていて、皆でショック受けた・・・なんて話もありましたなぁ)。