あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

富士登山日記⑤

2003年08月30日 | 生活
七合目から八合目までは厳しいと聞いた。これもマッチョ情報だけど。

なるほど、急に岩場が増えて、足元が厳しくなった。勾配も急だ。

リズムも取り辛い。岩を避ける為、または岩を足場にする為、歩幅も広くなったり狭くなったり。これは後で臀部の筋肉に来るぞ。さっき7合目の休憩中に伸ばしておいたが、足りないな。

空気も薄くなっている。風も出てきた。
急な岩場は手も使って這い上がる感じだが、これもキツイ。
息が切れている、心拍数も上がっている。

なるほど、これが登山のしんどさか。

勾配が緩い砂利道に戻っても、火山砂に足を取られる。身体がズルズルと戻される。これもシンドイ。
ボクサーのキャンプで海辺を走ると、砂の負担で脚力付くのと同じ原理だな。あと、空振りが疲れるのと同じ原理だな。

―――なんて、山登りしながらもボクシングのコト考えるなんて、なんて偉いんだろう、オレ(←つ~か、ウザイよ)。

途中、何箇所か小屋みたいな宿泊場があって、休憩する人は休むのだが(つ~か、寝ている人もいるだろう。後で聞いたら気圧差や酸素濃度の変化に順応する為だっつうじゃねえか!)。しかし。ウチらは、なるだけ休憩取らず。
途中、救護所もあったりして。これからの厳しさを感じさせた。

そこらで簡易スプレーみたいな酸素吸入やってる若いのも。
それをマッチョに告げると「邪道ですよ、邪道」・・・と期待通りの答えが返ってきた。

はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!
あんなものを使ってイイのは、30過ぎて過酷な練習をされ、その上で身体のケアを考えておらした渡辺二郎さんだけなんだよ(なお、商品名は「酸素くん」でした)!

いかし岩場がキツイ。岩肌さけても足を取られる。厳しいぞ登山!これが富士登山の難しさなのか!

・・・なんて思っていたら「そっち登山道じゃないよ!はずれてるよ!」とS氏の声。

そ~いや、さっき鉄条網みたいの潜ったな(笑)。
つ~か、マッチョの先導に着いて行ってんだよ!これでズり落ちたら滑落かよ!

ここは学生時代にワンダーフォーゲル部だったS氏に着いて行った方が賢明だな(笑)。

しかし、寒くなったな。汗かいてる上に気温が下がり、風にも吹かれてる。
次の休憩所でウィンドブレーカーを着よう。

・・・ってんで、休憩しながら準備を始めたら、周囲の人々が上下とも着込み始めた。さっきまでTシャツだった人々が、だんだんと重装備に。

つ~か、最初からパッチはいて汗かいてるの俺だけかよ!?
・・・で、これから着込むのは俺だけ半端なジャケットかよ!?

脅すだけ脅して、そういう指南は無しかよ、マッチョ(笑)!

◆8/29(大阪府立体育館第2競技場)の試合結果
○4R
大西裕介 引分 新居健太
奥村和也 負傷引分1R 大村 忠
山村和弘 判定 福沢 郎
金光佑治 TKO2R 武政義明
岡野浩志 TKO1R 藤本和義
福永竜徳 判定 小倉雅弘
○6R
袖沢 哲 判定 中井昌弘
上原裕介 TKO5R 下村俊博
○10R
金井彰広 KO3R 坪井雄吾 

・・・金井選手は、11月15日に後楽園ホールにて、日本王者・中島兼謙選手に挑む予定。WBC10位vs日本王者、これは好カードですな!

◆8/29(後楽園ホール)の試合結果
○4R
斎藤憲和 判定 岡本恵一
加藤 敦 KO1R 仲田元気
秋田谷寛 KO1R 井熊隆英
柴田明雄 KO1R 小林英樹
▼B級トーナメント準決勝5R
○フライ級
木城敏晴 引分 八ツ橋進矢
○バンタム級
岸 裕機 判定 野田真太郎
○フェザー級
高藤敏郎 判定 植田夢人
○ライト級
三島光雄 引分 鈴木 学
○ウェルター級
磯谷和広 不戦勝 北島聖二

富士登山日記④

2003年08月29日 | 生活
「なんで自分は こんな事やってるのだろう・・・って思うくらいシンドイですよ」
「山頂近くは風が強くて油断すると飛ばされますからね」・・・・なんて、マッチョの脅しを聞きながら。心の準備はして来たが。やはり不安。

―――とは言え、5~7合目までは緩やかなハイキングコース的な登山道。
難点は、やや足場が悪いくらいか。回りの若者はハシャいでいるが。鈴付きの杖なんてついて。
我々は暗い道を懐中電灯で照らしながら、テクテクと歩く。

6合目にある安全指導センターにて、登山道の案内プリントを貰う。「気をつけて!」と笑顔で声を掛けられるので「行って来ます!」と爽やかに挨拶。山の男は礼儀正しいぜ(←つ~か、自分もすっかり山の男気分)。

しかし星がキレイだ。「余裕あるのは最初だけ、あとじゃ風景見る気力も無くなりますよ」と、またも脅かすマッチョ。

それでも満天の星の素晴らしさに感動。オリオンの三連星の周辺に、他の名もなき小さな星々が煌いている。北斗七星も同じ。昴も見える。
こんなのは故郷近くの海辺で見て以来、ウン十年ぶりだ。

マッチョが「前回は筋肉に乳酸が溜まって失敗したから、今回は柑橘系の飲料飲んで、アミノ酸摂る為に梅干食って・・・」と呟きながらコンビニで買った袋入りの小梅を口に入れている。

ザクザクと足音を立てて皆が進む事、2時間弱。七合目に到着。
山小屋があって、結構いろいろ売っている。やっぱり高いが。
隣の男性から記念撮影のシャッター押しを頼まれたので、こっちも写るンですを手渡しポーズ。
「先は長いですよ」マッチョがたしなめて来る。しかし「最初は七合目でフラフラでしたよ」って、脅かされたが(笑)オレ絶好調だよ。寝不足だけど(笑)。

もっとも、これでナメるのも危険なので、あくまで周囲のペースに合わせ、じっくりと歩を進める小心な私だった。

こういう有酸素運動なら、歩みと呼吸のリズムを合わせれば、かなり楽になる。水泳の息継ぎのリズムで進む私。昔から運動音痴の割りに長距離は苦手では無いのだ。

―――しかし暑いな(笑)。夜とは言え、まだ夏。長袖・パッチ装着で汗が・・・。

◆8/28(後楽園ホール)の試合結果
○4R
高橋 豊 TKO4R 森 博行
渡辺 潔 KO1R 山田義顕
菅谷 学 負傷引分2R ジーク俊介
山梨丈司 KO1R 竹本昌人
△B級トーナメント準決勝5回戦
○フライ級
中西洋介 判定 小泉 譲
○バンタム級
市川和幸 引分 折田力人(市川選手の勝者扱い)
○フェザー級
頴川耕司 KO1R 蜂須賀正喜
○ライト級
室井啓宏 判定 西田光堂
○ウェルター級
新井恵一 判定 斎藤伸介

富士登山日記③

2003年08月29日 | 生活
「山頂に進むほど気温は下がり、風もある」
・・・そう聞いて、持参したタートルネックとズボン下を着込む。そしてウインドブレーカーとニットキャップと手袋をリュックへ。
・・・暑い(笑)。

普段履きなれたスニーカーを着用。保養所を出る。
夜の登山道を車は ひた走り。一般道のコンビニで購入したドリンクとチョコで、登山中の補給物資も充分だ。

しかし、深夜の登山道は怖い。五合目までは車で向うわけだが、すれ違うバスなど運転手以外は無人。
後続車はいないかと、後ろを振り向くと「凄まじく真っ暗」。
「走るババアとか追っ掛けてきそうでコワイね」と思わず口走ると、「やめようよ、そんなネタ」と皆からブーイング(笑)。

まさに深夜、五合目の吉田口へ到着。どこから集まったんだと思わせるほど駐車場は満杯。人の姿もチラホラ。さすがに土産物屋などは閉まっているが。

車を出ると、天には一面の星。
天の川なんて十数年振りに見た。いや、もっとか?

ストレッチをしながら、ひときわ明るい星を発見。
それは火星だった。

「天頂に近付けば、もっと良く見える」
マッチョの言葉に盛りあがり、いよいよ我々は徒歩にて登山道を踏みしめた。

~以下続く

◆8/26(後楽園ホール)の試合結果
○4R
寺田 隆 判定 山中 暢
笠原久嗣 判定 大竹 亮
河村貢治 引分 外山雅咲人
浅子直樹 判定 深谷嘉崇
高橋直文 判定 古波蔵保知
安藤栄作 判定 上門俊二
森田崇仁 判定 鈴木啓太
横山宏明 KO1R 村中完次
鈴木 徹 判定 槙原昌洸
上田有輝 KO2R 横山竜也
 

富士登山日誌②

2003年08月28日 | 生活
マッチョの「ジャイアン・オン・ステージ」は2時間にも及んだ。

途中、こっちも慣れてウトウトしたが、終わったと思ったら、また始まったりして、すっかり休養時間が奪われた恰好。

それでも予定通り夕飯を宿泊所で摂り、滋養を補充(この夕食が、トンカツあり、焼き魚あり、刺身あり、茄子の炒め物ありの豪華なテーブルであった!これで一食1000円は安い!いいぞウチの保養所!中小と思いきや・・・、以下略)。

そのまま時間まで横になって腹ごなしする3名だったが(「ご来光」に合わせて山頂到着を予定している為、出発は夜)。
フロも沸いてるってんでワタシャ2Fへ。

湯を浴びて大広間に出ると、先ほどまでマッチョが使っていたカラオケがそのままに。
「使い方が分らん!」とマッチョを嘆かせながら、実際はチューナーの電源いれ忘れだった(へこむマッチョ!)カラオケセットは、そのままスタンバっている。

おもむろにマイクを握り。
「一曲だけにするか」と中村正俊の「俺たちの旅(作・小椋佳)」を軽~く歌唱。
なぜか山下達郎(キー高!)から、ユーミンまで(もちろん、荒井時代)。

しかし「翳り行く部屋」はイイ!キーも結構合う!ユーミン、女性なのにキー低めなんだよね。だから男でも歌いやすい。
軽いウォーミングアップのつもりが数曲歌ってしまい。

「一曲歌い終わって降りて『・・・・・なっ!』ってマッチョに言う筈だったのに、これではミイラ取りがミイラに・・・。

―――以下、続く。

◆8/24(大阪市中央体育館サブアリーナ)の試合結果
○4R
長田誠司 判定 小島宏樹
小野真吾 KO2R 高木竜也
佐々木郁矢 KO1R 石井正人
金城吉廣 判定 村田佳信
壷井克好 判定 矢野幸太
○8R
三谷将之 KO4R ブンチャイ・キャットタアイリン
○10R
松本憲亮 KO7R ナンナム・キャトプラサンチャイ
○東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12R
小松則幸 判定 トラッシュ中沼

・・・スプリット・デシジョン。場内のブーイング。嫌な予感もあったが。採点内容は?試合の展開は・・・? 

富士登山日記①

2003年08月27日 | 生活
行ってきました富士登山。
2泊4日、HP管理も ほっといて(笑)。
さすがに あの辺は携帯つながらないし。つ~か、会社の保養所くらい繋がれよ携帯。

―――で。
24日、当日の早朝まで職場にいて。睡眠時間3時間半。
「車中で寝る」と宣言し、マッチョマンが借りたレンタカー「ヴィッツ」に乗り込む。
マッチョの同期・カイロプラクターのS氏も加えて3名(結局ウチの「連れ」は辞退)。

しかし、安くて燃費もイイってんで借りた「ヴィッツ」だが。4ドアなのに小ぢんまりした車体。その運転席に、巨漢のマッチョが座ると「まるで『1.2三四郎/プロレス編』の五頭だね」ってな感じで。
「じゃぁ三四郎らに からかわれて、わき見して追突ですな」「いや~、現実に それじゃマズイですぞ(笑)」と小林まことネタで軽く盛り上がる。

運転は慣れたメンツに任せ、私は「CDあるよ~」と「太田裕美」や「井上陽水」を掛ける。我ながら世代に応じた絶妙なチョイス(笑)。
つ~か、車中で仮眠するんじゃなかったのか、オレ。

高速道路で、アッと言う間に府中を通過。
私は、運転もナビもヤらず、車中で「あっ高円寺だ」「まだ時間掛かるの~?」と勝手な事をホザく嫌なOLのようになっていた(笑)。

高速降り口を1つ間違えたマッチョだったが、「やっぱり太田裕美はイイ」「この裏声がイイ」とゴキゲン(笑)。
「いまでも可愛いしね♪」と私。知人で25歳すぎても10代に見える「デラマ」なんて、あんな感じだもんなぁ。

結論:可愛い人は、年かさねても可愛い。

最新ナビゲーションシステムのお陰で、少ししか迷わずに(笑)宿泊所へ到着。林に囲まれたイカした建物が。

結構やるじゃん、ウチの会社も。ただの中小だと思っていたら(笑)。

まずは一休み。睡眠不足を補うため。布団で横に。
「今日の夜から出発だから、じっくり休養とっとかないとな」と眠りにかかったところで、2Fからエコーの効いた歌声が・・・。

―――マッチョのカラオケ・タイムだ!
つ~か、1人で始めるかカラオケを(笑)!!

それ以前に声漏れまくりで眠れねぇじゃねぇかよっ!!!!

◆8/22(後楽園ホール)の試合結果
○4R
飯塚幸治 TKO2R 茂木和哉
加藤了三 引分 中邨好宏
中島吉晴 引分 小早川達朗
飛世将士 判定 倉内隆正
○6R
新田俊明 判定 平泉崇幸
中山英敬 判定 荻原尚一
中堀智永 判定 三舛 努
○10R
真鍋圭太 KO4R ムアンファーレック・ギャットヴチアン(タイ)

映画鑑賞 「チャンピオン」金得九ストーリー

2003年08月23日 | ボクシング
映画
「チャンピオン」 金得九ストーリー

「CHAMPION」 製作年: 2002年
製作国: 韓国

上映時間: 1時間57分 配給: メディア・スーツ



2003 08/23 新宿武蔵野館で「チャンピオン」を見た。

専門誌でも紹介された、韓国映画「チャンピオン」。
'82年、ラスベガスで人気者R・マンシーニのWBA世界ライト級王座に挑み、不利の予想を覆して善戦。激しい激闘の末、命を落とした「金得九(キム・ドゥック)」の物語。

7月から新宿武蔵野ホールで公開されてるって事で。見てきました。
私自身は、マンシーニのWBA王座奪取試合であるフリアス戦を(確か)地上派で観て、金得九戦の記事も当時の専門誌で記事を読んでいるので、かなり感傷的な気分で鑑賞。

つい、所々でウルウルと・・・(情けねぇなぁ)。

やはり、ジョニー・オーエンやキコ・ベヒネス(最後の倒れ方が金得九に似ていたなぁ・・・)、金得九の名前を聞くと、今でも胸が痛みます。

映画の舞台は、70年代後半~80年代前半の韓国。
同国のボクシング界の覇気を感じる事の出来る秀作でした。



「友へ チング」のクァク・キョンテク氏が監督、「友よ」にてブレイクを果した劉五性(ユ・オソン)が半年をかけて肉体改造しボクシングのトレーニングを積んで、主人公「キム・ドゥック」を熱演。

金得九が所属した東亜ジムの関係者に取材し、金選手の若きエピソードも交えた脚本はドキュメンタリーに近く、これは正に金得九の伝記映画と言っても良いでしょう。

劇中に出て来る、元世界ランカーの金賢治・東亜ジム会長、同僚・朴鐘八(コメディアンのような役者が演じていた。意外と本人はひょうきんキャラだった?)、黄俊錫(出番は少なかったなぁ)達は、名前を聞くだけで「おっ?」と思わせてくれた。

米ラスベガスのシーザース・パレス。
金得九選手が控え室で会長の声を聞きながら試合直前のイメージトレーニング。
野外リングの眩い雰囲気を良く再現した入場シーンから、試合開始と同時にマンシーニ役の俳優と金得九(ユ・オソン)が、右フックを豪快に相打ちするトコロ(ロッキーvsアポロで、こんなの無かった?)から始まる物語。

故郷にて父を亡くし、母が再婚を繰り返した事から不幸な少年時代を送る金得九。
養父は彼を満足に学校に行かせず、同年代の少年達からは からかわれる。

金少年は家を飛び出し、ソウルへ向ってバスに無銭乗車する。
浮浪児のような生活を経て(これは後のシーンでフラッシュバックされる)
7年後、金賢治会長の東亜ジムに入門。

キムのボクサー生活が始まった。



この後、
絶対的父性の元に弟子の身心を鍛える会長の元、同僚のイ・サンボン、朴鐘八、黄俊錫らと励まし合い、プロボクサーとしての階段を上がっていく(特にイ・サンボンとは、屋台にて父親に恵まれぬ互いの身の上話を経て、義兄弟の杯を交わす)。

未熟なグリーンボーイ時代、計量後に冷たいジュースを飲んで腹を壊して敗戦。
会長に尻を棒で叩かれるシーンも。
(この時「お前は勝ったが今後も頑張るように」と叩かれる朴鐘八の大袈裟な痛がり方!)

勝利を重ねるとともに、インスタント麺(これを温めるのが「サムソン」製のボロストーブってのが・・・。韓国の人は泣けたろうなぁ)から、皆で貪る焼肉へと変わり。

ついに金は韓国のライト級王者へ。



「女は成功の敵だ!」と書いた紙を、ボロ部屋の壁に貼っていた金青年だが。

この頃、ジムのあるビルの新規テナントとして挨拶に来たOLに一目惚れ。
愚直でガムシャラな求愛が功を奏すが、女性の父親からの反対にあい、自暴自棄に。

自棄酒を飲んで合同練習に遅れた得九を、突き放す金賢治会長だが、「服を脱いで鏡の前に立て。ボクサーはミス・コリアより鏡をみるものだ。まず最初に戦う相手が鏡の中に居るからだ」と諭す。

(それにしても劇中の金賢治会長は、徹底して良き父性として描かれているなぁ。厳しい反面、「会長は他のコーチと違って夜ドタドタ歩かない。眠った俺達を起こさないように摺り足で歩くんだ」と同僚に話させたり)

奮起した得九は、OPBFライト級タイトルを奪取。
一躍、韓国ボクシング界のホープへのし上がった。

※しかし、タイトル名が、日本語字幕でも、ただ「OPBF」。
 ボクシングファンなら分かるけど、
 少し調べて一般の鑑賞者にも理解しやすい「東洋太平洋」の
 ニュアンスを伝えて欲しかったなぁ。



ここで得九は、韓国ボクシング界のホープとしてマスコミにも取上げられ。
故郷へ感激の凱旋、
恋人とも婚約を認められ、一気に絶頂へと向い始める

(ここで結構いい気になったり、朴鐘八の世界戦無期延期の影響か、ライバルジムの引き抜きに乗りかけたりして、義兄弟イ・サンボンに諭されたりするのが人間味あってイイ)

そして、遂にWBAライト級王者レイ"ブンブン"マンシーニへの挑戦が決定
(しかし何で翻訳者は どいつもこいつも「ブーム・ブーム」って表記するんだぁ!?耳で聞ゃあ分るだろう!)

ラスベガスの砂漠でのロードワーク。
コーチに「息子がボクシングやると言ったら許す?」と訪ねる得九。
これにより婚約者が身ごもっている事がスクリーンを見つめる者に伝わる。

そしてマンシーニ戦。

ダメージで朦朧とした得九が、14Rのゴングに応じるところ、
灼熱の太陽が彼の意識の喪失を表わし・・・。

悲劇の予兆が・・・。



現地の病院に運ばれ、生命維持装置に繋がれた得九に、母親は話しかける。

婚約者は街角のTVで婚約者の絶命を知る。
泣きながら街を走る婚約者
(この辺、本当にストレートだなぁ)

そして、時は過ぎ。

閉鎖された東亜ジムの鍵を開く金賢治会長。
横には金得九の遺児の姿が。

ポスターがデラホーヤに変わっているのが時の流れを感じさせる。
壁に掛けられた歴代の代表選手。

柳明祐、張正九(右端は金相賢?)等に続き、父親である故金得九選手の写真が。

サンドバッグを叩く父親の幻。
そして、韓国という国家の青年期を懐かしむように当時の東亜ジムの活気が再びフィードバックされ。
映画はエンディングを迎える。

本当にストレートな映画です。
クァク監督は敢えて、そうしたのでしょうね。

金得九という青年の愚直なまでな真っ直ぐさを、当時の韓国の青年達の純情さを、そのまま表現したかったのだろうなぁ。

・・・というか、
「ゴッドファーザー」という映画が、米国マフィアをテーマにしつつ、「実はアメリカという国家そのものを描いた」と言われるように

クァク監督は、金得九というボクサーを主人公にしつつ、「韓国という国家の青年期」を描きたかったのではなかろうか?

その青年期は、日本の原風景にも通じる。
だから、金得九の愚直さは、我々の胸にも響く・・・。

国籍を超えて、若き日に何かに打ち込んだ人に見て欲しい映画だと思いました。

しかし、
ユ・オソンがハンサムな為、オカッパ頭の「金得九」は時に「カルロス・モンソン」や「ブルース・リー」に見えて困ったなぁ・・・。



「チャンピオン」 金得九(韓国)ストーリー 番外編

家に帰って無性に本物の試合が見たくなり、
VTRを探しまくって マンシーニvs金得九戦を見た。

米国TVの実況、
「キムのマネージャーもキムだ。セコンドもアナザー・キム(笑)。韓国で最もポピュラーな名前らしい」と、お馴染みティム・ライアン&ギル・クランシーの名コンビが語る(ゲストはS・R・レナード)。

このコメントは、そのまま映画でも再現されていた。

マンシーニが語った「映画は良く出来ているが。本物の金得九は、もっともっと凄かった」の言葉が納得できる挑戦者の善戦。

番組当初は、R・エリゾンドやH・カマチョ、E・ロサリオ、A・ガニガン等ライト級の強豪達が紹介され。
H・デービスやR・メイウェザー、G・コバーソンが登場し「マンシーニ、オレと戦え」とアピール。
ロサリオの後見人J・ジェイコブス氏がマンシーニのタレント性をコメントする。

金得九は、米国でも韓国でも限りなく勝機は少ないと思われていた。

しかし、第1Rサウスポースタイルから思い切り良く左ストレート・右フックを先制。
王者を慌てさせ、ポイントを挙げた。

放送席はクロスファイトに驚き、挑戦者の有効打に声を上げた。
15R制の廃止に繋がった試合、色々な意味で思い深い試合(これは「思い出の名勝負」にUPしたい)。

映画では、余りの悲劇のためか金得九の母親が自殺した事までは触れられていなかった。

やはり、映画を見て・現実の試合を見て思う。
世界タイトルと言う最高の舞台で、自国の選手が敗れ、命を失うなどと云う経験は、決してしたくないと。

もちろん自国選手で無くても、そんなのはゴメンだ。

新宿武蔵野館で「チャンピオン」を見た

2003年08月22日 | 生活
ボクシング専門誌でも紹介されている、韓国映画「チャンピオン」。
'82年、ラスベガスで人気者R・マンシーニのWBA世界ライト級王座に挑み、不利の予想を覆して善戦。激しい激闘の末、命を落とした「金得九(キム・ドゥック)」の物語。
監督は、「友へ チング」で韓国史上最高の興行収益を記録したクァク・キョンテク。17歳当時、この試合を見たクァクは激しい衝撃を受けたという。
彼は「友へ・・・」の成功に酔う間もなく「チャンピオン」製作に着手した。「得九」の物語をどうしても描きたかった。

得九が成長した70年代の韓国は、まだ貧しかった。日本の昭和30年代と同じ雰囲気。
絶望的な貧しさでは無く、頑張れば将来が拓ける貧しさ。若者はインスタント・ラーメンに生卵をかけて飢えをしのいだ。
若者が集うボクシング・ジムには活気が溢れ、同僚達と励まし合い、厳しい会長の元で「その他の大勢」から這いあがって行く得九。

80年代後半の全盛へ向け、疾走する韓国そのもののような得九(彼は、それを目にする事は無かったが)。

―――なんちゅうか、目茶目茶ストレートな映画だったなぁ。

ストーリーは「立身出世を目指す貧しい青年」。青年は不器用ながら、不屈の闘志で這いあがる。ヒロインは清純で可愛い。不器用な求愛に戸惑い、やがて受け入れるヒロイン(演じるチェ・ミンソ嬢は3千人のオーディションから選ばれたとか)。新人ながら「不快→困惑→戸惑い→喜び」と移り行く微妙な表情表現には、ワタクシ思わずワクワクしてしまいました(笑)。

BGMも。張り切るシーンで勇壮な曲、悲しいシーンでは悲しい曲。
もう、そのまんま。ストレート。

監督、ドゥックの生涯を描きながら。
韓国への応援歌を紡いでるような気もしたものです。

私は当時の専門誌で、得九の試合を知っていたので。なおさら感慨ふかく。

ぶっちゃけ、得九がラスベガスのリングに立つオープニングで泣いてしまいました。

水虫になってもた

2003年08月22日 | 生活
いやぁ~。

――――かゆい(笑)。

スイマーの宿命か。いや、去年もかかって治した筈だが。皮膚の奥ふかくで眠っておったか。

人の踏んだ足拭きマットを踏んで又かかったか。

でも泳ぎを少し止めている時にカユみが出るのね。
雨続きで湿気が多かったからなぁ。
むしろ連日泳いで洗ってた時の方が清潔だったってか。

去年買った水虫薬、また役に立つとは思わなんだ。

カラっとしない夏。それも水虫の原因だな。

しかし嫌だなぁ。
水虫、白髪、腹の脂肪・・・・悩みが完璧にオヤジだ(笑)。

あと、皺とか。口臭とか。薄毛とか。顔脂とか。乾燥肌とか。疲労感とか。回復の遅さとか。

長く1本だけ伸びた眉毛とか。同様の胸毛とか。

それでも僕には高校時代と変わらぬリビドーがあるからイイけどね(笑)。

でもそれって、ただの助平オヤジ・・・・。

いかん、週末には日本一の山に登るってのに。
なんかダウナーだぞ。

中古盤でレディヘの最新盤を聴きながら書き込んでるからか(笑)?

今日は「いいとも」に横山剣さん登場

2003年08月21日 | 生活
「イィ――――ッネ!」を連発しておられた。

和田アッコさんからの紹介ってワケで。
今アッコさんは、かなり剣さんが お気に入り。
雑誌「SWITCH」の「昭和歌謡と呼ばないで」でも息の合ったトコロを見せ。

剣さん作の「ルンバでブンブン♪」も お気に入りで、「歌い込む毎に詩に のめり込んでいる。今の方が、詩への理解度が増しているから吹き込み直したい」とまで発言されている程。

「ダンプ・レディ」と最初は題されていた楽曲。アッコさんサイドが難色を示すと、なぜか「ルンバでブンブン」に。
「全然ルンバじゃなくって。ルンバって、もっとテンポ早いよね。でも、そこが横山君のセンス、コダワリかなって」と了承したアッコさん。

「横山君、お母さんと2人だったの?」と歌詞の内容から訪ねるアッコさんに「まぁ、一時期は母子家庭みたいな状態でしたね」と答える剣さん。
アッコ:「そうじゃないと、あの歌詞は出て来ないね。トラックかあチャンみたいな感じだったの?」
剣:「いや、そこまで豪快じゃなく。そうあって欲しかったって願望もありますね」
アッコ:「でも、子供のそばに居てあげたいけど居てあげられない。反面、女としての自分も居る。仕事場での自分も。埠頭・マスコット・缶コーヒーみたいな、身の回りの物。今は、もっと歌詞の咀嚼が出来たから、感情移入してライヴでは歌ってる」

・・・そんな遣り取りが有ったよな。

また、最近のアッコ再評価の中、どうしても70年代アッコに注目が集まりがちだが「だって、しょうがないじゃない」のような最近の曲もイイと言う剣さん。上手くアッコさんのツボを押さえています(笑)。

さてさて、その上なにやら、音楽番組で「アッコ・剣・宇崎竜童」の組み合わせプログラムもあるそうで。

そこでは「ルンバでブンブン(アッコ)」「タイガー&ドラゴン(剣&アッコ)」「身も心も(アッコ&竜童)」「あの鐘を鳴らすのはあなた」が披露されるとか。

―――楽しみだ。

しかし、明日の「いいとも」は小西康陽さん。
剣さんからの紹介だが、今後はどうなるのか?
剣さん、生花いっぱい貰ってたけど(大西ユカリと愛の新世界とか)、流れとしては共通の知人って事で、そっちへ行くか?
コモエスタ八重樫か?ヒゲの未亡人か?それとも「ロケットマン」繋がりで、ふかわりょう?

案外プロデュースした縁で、深キョンとか?
小西さんも女の子好きだからなぁ~(笑)。

P.S.
しかし、今日は疲れと熱っぽさで真っ直ぐウチに帰ってしまい・・・。
しんどくてプールにも行けないとは、いよいよヤバイなぁ・・・。

これで週末に富士登山、大丈夫かオレ?

頼みますよ、オレ。

昨夜は爆睡

2003年08月19日 | 生活
なんか疲れちゃって。

仕事から帰って、家では寝るばかり。

・・・・モーレツ社員だよ!社蓄だよ!もうイヤだよ!

ただし、それでも泳いだワケだが(苦笑)。
これで泳がないと運動不足で、ますますダルくなるし(クロールで後背筋のばしてるから肩凝りの軽減にもなってるし。これで泳がなかったら肩から背中ガチガチだろうな)。

今日も何かモーローとしてるし。

それなのに。
・・・月末、富士登山決行する事が決定!アホか、オレ~!!!

職場の保養地が近くにあるってんで。
毎年それを利用していた元同僚のマッチョマンが、私の社員証を狙って急接近!(笑)
何が目当てだ~!?また肋骨か~!?(笑)

最初はOBの爺さん達も誘って、ドンちゃん騒ぎ、合間にウチらは富士登山って目論みだったらしいが。
オジキ連中、ことごとく辞退。結局オレら2人っきりに!!

何が悲しゅうて野郎2人でドライブして保養地宿泊しなきゃなんないの・・・。

まぁ、富士山には前々から登りたかったからイイけどね。

実質2泊3日じゃ、連れが・・・。

恐る恐る話したら「イイよ!」と快諾したものの、暫らくしたら寂しくなってきたらしく、自分も行くと言い出した。
登山はしないし、1泊だけのつもりらしいが。

・・・・イイのかよ?何か、珍道中の予感が。

◆8/18(後楽園ホール)の試合結果
○4R
塙 繁紀 引分 畠山敦史
○6R
中田智文 判定 野嶋竜二
○8R
村田昌隆 TKO7R ジャクリ・サクムアンクレン
石田貴章 引分 中田典由
嘉陽宗嗣 判定 ファーカノン・シンドンタイ
加藤壮次郎 判定 加藤祐二
○10R
山中大輔 KO4R ピセー・ウォースラポン

・・・日本Sフライ級8位の山中選手が、タイのフライ級王者にKO勝ち。ボディ攻撃を中心に連打で仕留めたとか。
10勝7KO1敗のホープ、所属のG&S具志堅会長は「OPBF新王者ローレンテ」に挑戦させたい」とコメント。福島選手を破ったばかりのSバンタム王者の名を挙げた。
・・・相手は2階級上なんですけど。山中選手、長身だから減量苦しくて増量するんですか?
それとも、ただカード組み易い為?

やっぱ忙しい

2003年08月17日 | 生活
繁忙期だ。
仕事上のトラブルが無ければ、土日・繁忙期の補充人員もあるから、こ~っそりHP更新も出来るが(笑)。

先日のNY大停電レベルの事あったら どうなるんだろう?ウチの事業所。
東電の電力不足対策、または停電時の対応なんてマニュアル作ってたりもするのだが。なぜだかオレが。半分自分用に(笑)。
・・・・把握不能な要素もあり、心配な点が多過ぎて。
・・・・気が遠くなる(笑)。

先日なんて、色々あって日報3枚。実務終わって、それ入力するのに2時間だし。肩は凝るし目は霞むし。腰は痛いし、肩関節は痛いし(←そりゃ持病だろ!泳ぎすぎだろ!)。

よってミスもあり・・・。
いかん、このままじゃオレがクレームの原因になってしまう。

そしてHPでも間の抜けたコト書いてるし。

「小松選手と戦ったアユタヤ」って誰だよ!
・・・知人にビデオ見せて貰った「フセインvs薩摩戦」同時収録の試合は「バノムデット」じゃないか!←つ~か、これも濁点曖昧だが(笑)。
しかし、フセインの試合。やっぱり「マネーの虎」でヤってんの。
薩摩選手も頑張ってましたが、1R早々に力量差が明らかになっていましたねぇ。TVの煽り文句も空しかった。加藤和也さん、「ガード云々」じゃありませんよ・・・。

「ハウレギのスパダフォーラ挑戦が楽しみ」・・・って、もうスパディ返上してるじゃん!

「シリモンコンvsメイウェザーJr流れた」・・・って、そりゃエリク・モラレス戦じゃん!

―――ボケてる。
元々ボケてるが、ボケが進行している。

つ~か眠い(爆笑!)。

朝まで仕事やって、妙な時間に寝てる事が多いからだ。よって日程的には土曜のダイナミック・グローブは行ける筈なのに、しょっちゅう寝すごして見れない(涙)。

繁忙期が終わるまで、あと半月の我慢だが・・・。

◆8/16(後楽園ホール)の試合結果
○4R
長沼アキラ 判定 辻野真央
○8R
矢代義光 KO2R 羅 相賛
三沢照夫 判定 岸田健一
額賀勇二 判定 ワンパノン・サカウィ(タイ)
○10R
横山啓介 判定 ジェリー・パハヤハイ(比)
○東洋太平洋Sバンタム級タイトルマッチ12R
ペドリト・ローレンテ(比) 判定 福島 学

◆8/16(大阪府立体育会館第2競技場)の試合結果
○10R
星山義貴 TKO8R 河原慎次
日高良市 判定 竹田津 孝
○東洋太平洋Sフライ級タイトルマッチ12R
小島英次 判定 ワエンペット・チュワタナ(タイ)

職場の送別会で世良正則を絶唱

2003年08月17日 | 生活
職場のトッチャン坊やが、辞めるってんで。
数々のヘマをしてくれて。これからもヤってくれそうだったから。悪いが辞めると聞いて「ホッ」。
私より、かなり年上だったが何度も叱った(笑)。部内じゃなく、外からのクレームがあったからなぁ。

―――で。迷惑かけられた面々が、なぜか送別会を催してあげたと(笑)。

まぁ、傘で突っついたり果物を投げ付けたりは有ったが。

私は結局、自分が騒ぎたいだけであり(笑)。
2件目のカラオケで歌いまくった。~ような気がする。回りが入力しないから、間が持たないのはナンだと思って(笑)。

―――で、なぜか今回は世良正則&ツイスト連発だった。CKBも氣志團も歌ったが。後半は、やはり歌謡曲と最も蜜月時代であった頃の歌になってしまう(笑)。

「マイクいらねえよ」と言われる程がなる。
・・・ほら、酒飲んだら泳げないからカロリー使わないと(笑)。

トッチャン坊やが「これ知ってます」って言ったらマイク1本わたして歌わしたって。

最後は本人希望で中嶋みゆきの「ヘッドライト・テールライト」を、しっとり合唱。

しめやかにプロジェクトは終わったのだった(笑)。

さぁ、次は誰を辞めさせよう?

◆8/15(後楽園ホール)の試合結果
○4R
岩崎真一 判定 小沢 司
真庭章文 KO1R 三浦善則
トム岡川 KO1R 山本 透
田村 啓 KO1R 五條 健
芦江匡晋 TKO3R 斉田 力
久田恭裕 判定 米田夏樹
斎藤晃一 KO2R 鎌田剛幸
山崎 亮 KO1R 芦田宗孝
町 一輝 TKO1R 岩永 大
原之園隆太 KO2R 橋爪勝哉

ZAPPAが予見していた米国ネオコン暴走

2003年08月16日 | 生活
ぶちゃけ政治の話しは疎いのだが。

ZAPPA御大は、極めて政治的な方でもあって。

1stアルバムの「トラブル・エブリディ」はワッツ暴動を題材にしたモノって言うし。それも有色人種への偏見を増長させる為にニュースが演出したモノとも言ってるそうだし。

翌年のカリフォルニア州知事選挙で、極右反動のロナルド・レーガンが当選。その後ブッシュの台頭に及んでは「反対勢力に投票せよ!選挙登録するんだ!自分の権利を行使せよ!君等の未来がヤツらに握られてしまうんだぞ!」と自分のコンサート・ビデオのラストにスーツ姿で登場して呼び掛けた。決して激昂せずに、冷静な語り口で。

晩年のザッパには大統領選挙出馬の噂が まことしやかに囁かれていた。
ザッパを「変態・キワモノ」と評し、「ステージ上でホイップを撒き散らす奇妙なミュージシャンの奇行の一環」と見る向きも多かったが。

東京都知事選挙における東郷健氏のような際物扱い。
いや、東郷氏とて真剣に都政を憂いていたのだ。ホモセクシャルとしてのマイノリティゆえ、マジョリティの暴力への反抗を身を持って呈示していたのだ。

ザッパ御大も同じく。
真剣に米国の明日を憂いていた筈だ。

ヤツら(ネオコン)に若者の未来を握らせてなるものか・・・と(アメリカの攻撃性の背景を喝破したドキュメント映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」の監督、マイケル・ムーアはザッパ御大と会食した事があるらしい)。

いまこそZAPPAの歌が真実を語っている。
67年に発売された「アブソルートリィ・フリー」の冒頭第一声!

「レイディース&ジェントルメン!米国大統領閣下です!」

――『やぁ、アメリカ国民諸君』――

「彼はずっと病気でした!」

「HOT RATS」アナログ盤、GETだぜ!③ 

2003年08月15日 | 生活
「無人島レコード」って言葉が少し前、雑誌などで良く聞かれた。
「無人島に一枚だけ持って行く事を許されたら、あなたは?」ってヤツだ。
著名人が、これに答えたコメントを1冊にまとめた本も出た。
やはり、皆「そんな、一枚に絞れない!」と悲鳴を上げていた。
そりゃあ、そうだ。私だって、同じ質問をされたら「ホテル・カリフォルニアにしようか?FREEのライヴにしようか?ヴァン・モリソンのイン・ザ・ガーデンも捨て難いし、飽きが来ないって意味じゃフーズ・ネクストだが・・・」と延々数十時間は悩むだろう。

では「宇宙船レコード」って項目があったら?
彼方へ向う宇宙船に乗せ、地球外生命体と遭遇した時、「地球人の文化」として再生される音源。その一曲(実際、既にクラシックやジャズの音源と合わせ、チャック・ベリーの「ジョニー・ビー・グッド」はロックンロールの代表曲として彼方を飛んでいる。それをチャックは「出自も知れねぇ黒人の作った曲が人類の代表として宇宙を飛んでるんだぜ!イエ~!」と笑顔で語っている。彼が獄中で書いた自伝で最高の一節だ)。

その「宇宙船レコード」。
それなら私は悩まない。フランク・ザッパの「HOT RATS」以外に考えられないからだ。
ロック、ブルース、ジャズ、クラシック、現代音楽・・・人類の作りうる音楽の殆ど全てが詰まった驚異の1枚。大らかで、スリリングで、衝動的で、前衛で、オーソドックスで、派手で、グロテスクで、美しくて・・・。

こんなモノを69年なんつう浮かれた時代に作り上げた上に、生涯で70枚とも言われるアルバムを量産したんだから、ザッパが「巨人だ、怪物だ、大きな山脈だ」と言われるのも当然か。

アメリカのアーティストなれど、英国メロディー・メイカー誌にてリーダース・ポールを獲得した「ホット・ラッツ」。しかもレッド・ツェッペリンの「Ⅱ」を押さえて(その上69年には「クリムゾン・キングの宮殿」だってリリースされているのだ!英国だけでも名盤が量産された年なのだ)。
嗚呼、そんなだから私は英国が大好きなのだ。

・・・・で。
そのオリジナル盤。リミックスどころか演奏の差し替えまで大手術を施したと言われるCDヴァージョンに較べ。
一曲目の「ピーチェズ・エン・レガリア」の出だし聴いた限りでは、余り大きな差は感じなかったが。音質のキラキラ感は当時の録音技術では脅威的だし(正直「音がショボくてガッカリしたら、どうしよう」なんて、ちょっと怯えていたのだが、とんだ杞憂だった)。

もちろん多少の差し替えが有っても根本は同じ。つ~か、こっちがオリジナルだ。襟を正して拝聴せねば。

しかし、やっぱり面白い。ベースの差し替えなんて曲のウネリを左右する。ドラムはノリを。

「ピーチェズ・・・」はドラムに少しチマチマした印象を受けるが、それも「人工的」な味を感じる。
むしろ、B面一曲目の「リトル・アンブレラズ」での敢えて淡々とした演奏に、無機質さを感じ。「これって後に自動演奏楽器シンクラヴィア使った原型みたいな演奏では?」なんて妄想は膨らむ。「後のCD版は、むしろ有機的なリズムに変換されてるような・・・。シンクラヴィアで自動演奏実現したから、御大は満足したのか?」なんて・・・。

――――それにしても。ザッパを「前衛だ。難解だ。変態だ」と表現する過去の識者とやらには文句の1つも言いたい気分だ。
ホット・ラッツなんて、こんなに取っ付きやすいのに。そりゃキャプテン・ビーフハートはダミ声で叫んでいるが(笑)。6曲中5曲はインストだが。
耳障りの良過ぎる甘いメロディなんて無いが。

音が絡み合って、キラキラと天井に上って、一気に配水管に潜り込んでいくような予測不能な曲群。または、ワングルーヴで延々と虚空に揺られるような楽曲。

特に「ピーチェズ・・・」と「サン・オブ・Mr.グリーンジーンズ」の星を駆け抜けるようなキラキラ感、高揚感。

―――宇宙人に聴かせたい。

・・・「これは俺達の為の音楽じゃないか!」と彼等は叫ぶかもしれない。

または彼らの脳ミソを吹き飛ばすか(笑)。

ザッパの音楽は どっちかだ。

「HOT RSTS」アナログ盤、GETだぜ!②

2003年08月15日 | 生活
「HOT RATS」は初めて買ったZAPPAのアルバムだった。
忘れもしない新宿のディスクユニオンの輸入盤コーナー。
ズバリ、「ジャケ買い」だった。
枯れたプールから顔だけ出すパーマヘアの性別不明な人物。「ピンク系の色彩が施された不思議なジャケット写真」に惹かれて買った。森山塔の不思議なエロ漫画「歯のないうさぎの口」のイメージが、どこかに残っていたのかも、なんて事は絶対に無い(笑)。

自分に取っては「トラフィック」のセカンドアルバムに並ぶ「2大ジャケ買い成功盤」である(あ、リトル・フィートの「セイリン’シューズ」もジャケ買い成功盤だったな)。

―――で。
レコードプレーヤーの上に載せていたビデオテープを片付けて(笑)。カバーを外したら「ガバッ」と取れ切った。裏の蝶つがいのネジが外れているらしい(笑)。

どうでもイイけど埃が凄い。

そんで、久々に(つ~か、何年振り?)にレコードをターンテーブルに乗せ。ゆっくりと針を降ろす。

言っとくけど「TRIO」のレコードプレイヤーだよ?針は「NAGAOKA」だよ!その前は「オーディオ・テクニカ」だよ!(←なんだ、この半端な自慢は?)

・・・で。聴きたかった「HOT RATS」の一曲目「ピーチェズ・エン・レガリア」。

おぉっ、音が出た!プレーヤーもカートリッジも生きてた!

―――ザッパ本人選曲のベスト盤でも第一曲目にチョイスされた名曲「ピーチェズ~」。69年なのに、近未来的でさえあるジャズロック!音も高音が効いたキラキラ・サウンド!

う~ん。

・・・あんまりCDと変わらないなぁ(笑)。