PRESTIGE 7506
EDDIE DANIELS(ts、cl) ROLAND HANNA(p)
RICHARD DAVIS(b) MEL LEWIS(ds)
1966年のウィーン国際ジャズ・コンテストのts部門で優勝(タイトル通り)したダニエルスがその後すぐ吹き込んだ初リーダー作。トップのボサ・ノバの名曲‘Felicidad’とラストのスタンダード曲‘How Deep Is The Ocean’のなんと素晴らしい事でしょうか!
ゲッツを思わせる透明感溢れるサウンドでテーマを情感を込め吹いた後、一転してJ.R.モンテローズばりの男っぽく変化に富んだ創造的なアドリブが圧巻。‘Felicidad’(9:45)、‘How Deep Is The Ocean’(10:35)とかなりの長尺物ですが、役者揃いのリズム・セクションをバックにダニエルスはその実力を遺憾なく発揮している。24才の若さながら盛りあげ方のツボを心得ており、思わず「いいねー」と声が出てしまう。
tsの他、clで3曲吹いていますが、このclがまたいいんだなぁ。as奏者の吹くclと違ってts奏者のダニエルのclはサウンド自体に芯が厚く、それに感覚がモダンで一般的なclのイメージと全く異なり聴きものです。その評判のせいか、その後、clに専念するようになり、豪快にして洗練されたtsが聴かれなくなり、残念です。サド=メル・オーケストラの一員としても名が知られています。
いずれにしても、素直に「気持ちのいい作品」と唸ってしまいます。正真正銘の掘出しものです。
(Bluespirits 2003.12.9)
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