jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

BILL EVANS 晩年の三作から ・・・・・ YOU MUST BELIEVE IN SPRING(その一)

2020-07-25 |  Artistry of Bill Evans

 

「起死回生の一発」、又は「逆転満塁サヨナラホームラン」と称したら、「確かに!」と思うリスナーと「何それ?」と思うリスナーの割合はどうなんだろう?40年も経てば世代交代も含め、恐らく後者の比率が高いだろう。

もし、この作品が無かったならば、エヴァンスは「あの四部作と60年代限定」の伝説的ピアニストで終わったリスクも無きにしも非ず、と言ったら信じてもらえるかな(笑)。ま、この感覚はリアルタイムで体験しないと分からないかもしれない。

70年代、新しい試み、チャレンジとレコード・セールスの狭間で自分のスタイルに揺れ、晩年の評価、人気は苦しかった。

Warner Bros.に移って最初の録音(1977/8/23~25)にも拘わらずリリースは死後の81年まで先送りされた。そのワケはFantasyの最終録音盤”I WILL SAY GOODBYE”(1977/5/11~13)が1980年の初めまでリリースされず、同じトリオが続くことを避ける内にタイミングを逸していたとされる。リリース決定権がどちらにあるか契約条項で変わるけれど、それだけセールスに繊細だったのだろう。

しかし、結果的に幸運だった。Warner Bros.は追悼盤としてリリースに当り、ヒットさせる戦略を練り、Fantasy時代のウィーク・ポイントだった「音」に着目し、マスタリングをDoug Sax率いるマスタリング・ラボに依頼している。また、タイトル曲だけに?具体的な処理は分らないけれどAdditionaⅼ Remix and Editingとして他の3作、全て録音しているColumbiaレコードのFRANK LAICOを起用している点も興味深い。またカヴァも気を配り、Fantasyの追悼盤の酷さと雲泥の差ですね。

リリース当時、押しの効いた音が評判でした。

最近、ドイツ・プレス盤のナチュラルな音が巷で話題になっていますが、残念ながら未聴です。

久し振りに聴いてみましょう。

用意したカートリッジはSHURE V15 typeⅤ、スタイラスはMR、シェルはオーディオ・クラフトのAS-4PL。

 

 

上下2本のダブル・ピンに加えツメが2ヶ所設置されたパーフェクト・ロック・タイプです。リード線はシェル側が直付けで接点ロスを極力避けています。更にセラミックスのスペーサーを挿入し無駄な振動を抑え、音像をくっきりさせています。

 

 

ちょっと長くなりました、続きは次回に。

 

 



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