「上手くやれたぜ」と満足そうに一服。会心の出来だったのだろう。
白のYシャツにネクタイ、そしてスラックス、革のシューズ、典型的なビジネス・マンのスタイルで決め、コークのボトル、サングラスなど小道具も無造作のようですんなり揃っている。
まるで、タイトルは勿論、何から何まで全て決まっていたかのような最高にイカしたカヴァ。
巷では”SOUL STATION”、”ROLL CALL”と共にモブレーのピークを記録した三部作として高い評価を得ている。
マイルス・グループに在団中なのか、TOPのタイトル曲なんかテンションの塊のようなアグレッシブなソロを聴かせ、グリーンまでも弦がはち切れんばかりの熱演を披露する。
伝え聞くところによると、録音が終わるとライオンが歓声をあげたそうです。このカヴァをじっと見ていると、そうした状況が容易に想像できますね。
けれど、気になる点が一つ、
所有するLPは2ndのNY・ステレオ盤なのか、音が今一つ、最高に盛り上がったスタジオ内の雰囲気をダイレクトに反映できていない部分がある。例えば、一曲目の”Workout”で、グリーンの後、何故かケリーのpの音圧が一段下がります。重箱の隅を楊枝でほじくるつもりはありませんが、全編に亘りケリーのプレイが些か精彩を欠いている。
1st盤を聴けば違う結果が出るかもしれません。
ライナー・ノーツでL・フェザーがモブレーをミドル級チャンピオンと称している。チャンピオンの座は長くは続かなかったが、彼を愛する気持ちは皆、変わらなかった。
振り返えれば、モブレーが輝いていたあの頃が「モダンジャズ」の絶頂期だった。
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