飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

安全設計とは?

2012-08-21 20:32:11 | ハーネス(HG harness)

先日、某エリアにて弊社ハーネスを使用していた方が、ランディング時ドラッグシュートを取だしベースバーを持ったところ、たまたまドラッグシュートがベースバーの前を通って開傘してしまうというアクシデントが発生しました。

機体はそのままタッキング直前の姿勢となったあと、フラットスピンに入りましたが、そのスピンが収まった後ダイブに入りました。

この時、大きな風圧でドラッグシュートのブライダルラインが切れてくれたのです!

ドラッグシュートが無くなった機体はそのまま回復。

無事ランディングできました。

実は弊社ハーネスは、最悪の状況に陥った時、いくつか安全な方に事態が転ぶ工夫をしています。

今回のドラッグシュートの件は、念のために通常より十倍を超える荷重がかかった場合、切れやすくなる品質のものを使っていました。

また、他にもトーイングタグの強度も、異常な荷重がかかった場合、破断するようにしています。

これはトーイング死亡事故の大半を占める「ロックアウト現象」に入った時に、ヒューズが効かなかった時の最後の手段として考えたものです。

その他、バックプレートもあえてグラスファイバーを使うことにより、瞬間的な荷重をグラスファイバーの弾力で吸収出来るようになっています。

このような考え方は、私が若いころ学んだ航空機の設計の仕方を生かしたもので、航空機はトラブルが発生しても、安全側に転ぶように設計することが「常識」となっています。

今回のアクシデントは、それがうまく効いてくれて、大きな事故を防ぐのに役にたったようです。

たとえ小さな部品でも、それをじっくり考え抜いて作ることにより、大きな事故を防ぐことが出来る‥。

これはものを作る人間として、肝に銘じておかなければいけないことだと思います。

コメント (4)
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