飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

最小沈下速度が分かれば、ハンググライダーは乗りこなせる!その2

2022-10-13 18:11:40 | ハング(hangglider)

前回では、ハンググライダーの最小沈下速度を知る方法、そして、その速度から最良滑空速度を導き出す方法のご紹介で

たね!

具体的には、最小沈下速度に1.4をかければ、だいたい最良滑空速度になるというものでした。

今回は、前回求めた最小沈下速度から、フレアーのタイミングをつかむ方法を解説いたします!

 

まず、フレアーのタイミングなんですが…。

これを知るには、適切に重心位置が設定されている必要があります。

その適切な重心位置から、適切なニュートラル速度が作り出されている必要があるんです。

ニュートラル速度とは、コントロールバーから手を離した時の速度のこと…。

ニュートラル速度は、通常のハンググライダーでは、最小沈下速度になるように設定されているんです!

 

これ、なぜニュートラル速度が最小沈下速度になっているかというと…。

ハンググライダーでの飛行は、大半がサーマリング、つまり、旋回を繰り返しているときですね!

この時、腕の力が抜ければ、一番フライヤーは疲れを感じず、サーマルのわずかな空気のどよめきも感じることが出来ま

す!

その、サーマリング中に力が抜ける設定が、最小沈下速度あたりになるんです!

加えて…。

これからご紹介する、「フレアーのタイミング」を知るにも、最小沈下速度をニュートラル速度に設定することが、とて

も都合が良いのです!

さて、それでは、なぜ最小沈下速度をニュートラル速度にすると、フレアーのタイミングをつかむのに都合が良いのか?

ご説明します。

 

まず、前回のおさらいなんですが、最小沈下速度って、まだ翼に失速が発生していない、一番遅い速度でしたよね!

この最小沈下速度を過ぎて、更に速度を落とすと…。

翼の中央に、部分的に失速が起こり始めます。

この時…。

パイロットにはどのような現象が起こっているかというと…。

ハンググライダーは、元の速度に戻ろうと、ノーズを落としたがります。

この時、コントロールバーを介して、バープレッシャーという形で、あなたを後ろへ押し返します。

つまり、あなたの体の位置が後ろに移動するということですね!

加えて、強くなったバープレッシャーのため、通常の飛行時よりも、コントロールバーを押してノーズを上げる動作に、

力が必要になってしまいます。

もし、このように翼に既に失速が始まった状態で、「フレアー動作」をしようとしても、バープレッシャーが強いため、

体を後ろに押し返してしまい、ノーズが上がらずフレアーがかからないのです!

フレアーのタイミングは、既に翼に失速が始まっている速度では、遅すぎるということですね!

でも、フレアーのタイミングが早すぎると、いわゆる「ロケット」になってしまうし…。

ここで使えるのが最小沈下速度なんです!

最小沈下速度は、一番沈下速度が低いスピードなんですが、フレアーのタイミングとしても、ベストな速度でもあるんで

す!

 

この、フレアーに最適な最小沈下速度を、ニュートラル速度になるようグライダーを調整すると…。

ランディング場侵入時、はじめ、速度が付いた状態でコントロールバーを引いていた力が、速度の低下と共に緩められ、

引いていた力がゼロになるタイミング、それが最小沈下速度、ベストなフレアーのタイミングになるんです!

つまり、ニュートラル速度を最小沈下速度にしておけば、コントロールバーを引く力がゼロになった時にフレアーをかけ

れば、バッチリ決められるということですね!

 

このため、ハンググライダーの大半は、最小沈下速度がニュートラル速度になるようにしているのです。

もしあなたが、フレアーのタイミングで悩んでいるのであれば…。

まずは、最小沈下速度がニュートラル速度になるように、ハンググライダーを調整してください。

最小沈下速度を知る方法は…。

前回ご紹介しましたよね!

 

まずは最小沈下速度を調べ、手を離した時、その速度でニュートラルとなるか確認し…。

このようにすれば、フレアーのタイミングもつかみやすくなるんです!

 

ただ、注意していただきたいのは…。

ランディング場に入っても、フラフラと高度処理をしているような飛び方…。

こんなでたらめなランディングをしていると、フレアーのタイミング時もグライダーが傾いているため、いつまでたって

もフレアーのタイミングをつかむことは出来ません!

しっかりと、ランディング場に入るときには高度処理は終わっており、ファイナルアプローチ後はまっすぐに侵入するよ

うにしなければ、せっかく良い位置にニュートラル速度を調整しても、フレアーのタイミングはつかめないのです!

 

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最小沈下速度が分かれば、ハンググライダーは乗りこなせる!

2022-10-13 16:45:45 | ハング(hangglider)

なんとなくいつものスピードで飛んでいれば、ハンググライダーはそれなりに飛んでくれる…。

でも、これでは上達出来ないんじゃないかな?

そんな悩みを持っているあなたに…。

少しでも良いアドバイスをと考え、今回このブログを書いてみます。

 

ハンググライダーって、結局は「最小沈下速度」がつかめれば、かなり、その乗りこなし方がわかるはずなんです!

最小沈下速度がつかめれば、すぐに最良滑空速度が分かります。

また、フレアーのタイミングだって分かるはずなんです

 

それでは、どのようすれば、ハンググライダーのコントロールに大切な、最小沈下速度が分かるのか…。

正直言いますと、今回公表する最小沈下速度を知る方法は、少々熟練を必要とします。

しかし、それなりにハンググライダーに乗れている方であれば、出来るのではないか?思います。

上の図は、パイロット技能証検定を受けた方であれば、皆さんが知っている「ポーラーカーブ」ですね!

この図で、最小沈下速度は、最も沈下が少なくなる、上に示した位置になります。

この最小沈下速度を過ぎて、更にグライダーの速度を落とすと…。

面白い現象が起こるのです!

まず、ハンググライダーがブカブカとした感じで、不安定な飛び方に変わります。

更に、それより少しだけ速度を落とすと、翼の中央が、部分的に失速に入り始めます。

この段階から、アドバースヨーという現象が現れ始めるのです!

アドバースヨーとは…。

曲がりたい方向に体重移動すると、旋回したい方向とは逆にノーズを向けてしまう現象のことを言います。

つまり、右に方向修正しようと右側に体重を乗せると、ノーズが逆方向の左に向いてしまうんで

す。

 

この、一連のハンググライダーの動きから、最小沈下速度をつかむことが出来るんです!

 

具体的には…。

アドバースヨーが発生しているということは、既に、翼の中央部には、部分的に失速が始まり、最小沈下速度を通り過ぎ

遅くなっているということ。

ならば…。

この、アドバースヨーが発生しない、更には、このアドバースヨーの発生の前に見られる「ブカブカとした不安定な感

じ」も出てこない、その直前の、何とかハンググライダーが素直に体重移動通りに飛んでくれる、その速度…。

ここが、そのハンググライダーの最小沈下速度になるんです!

 

この方法による、最小沈下速度の知り方は、上にも書いたように、少々熟練は要しますが、しかし、少しトライすれば

分かってくるだろうと思います。

そして…。

この、最小沈下速度が分かれば、そのハンググライダーを一番遠くに飛ばすことが出来る「最良滑空速度」が、たちどこ

ろに分かるんです!

コレ、どうするかというと…。

簡単なんです!

ただ、最小沈下速度を1.4倍するだけ…。

これだけなんです!

これだけで、最良滑空速度になるんです!

例えば、最小沈下速度が30Km/hだとしたら、それに1.4をかけて42Km/hが最良滑空速度になるということですね!

これ、理論的に証明されていることです。

本来、理論だけだと約1.32倍なのですが、1.4倍になるのは、スピードメーターの誤差があるからです。

 

翼は、揚力を発生させている関係で、上側が早く、下側が遅く空気が流れます。

これ、速度が遅ければ遅いほど、顕著に上下での空気の流れの速度差が出てきます。

そのため、最小沈下速度で飛んでいるときも、実際の速度よりも遅くスピードメーターの値が表示されているため、

理論値よりも若干早い1.4倍程度の速度が、だいたい最良滑空速度になると考えれば、グライダーの乗りこなしが上手にで

きるようになるでしょう。

 

次回は、今回分かった最小沈下速度を使って、フレアーのタイミングを正確に知る方法を解説いたします。

 

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