ビール飲みオヤジの日々雑感

ビール飲みオヤジが日々感じる雑感を徒然なるままに。

新書大賞第一位

2019年04月28日 | 私事
「日本軍兵士 -アジア・太平洋戦争の現実」を読んで感じたこと。

長時間通勤時の読書は最近専らミステリーを中心としたエンターテイメント系です。
理由は簡単。それ以外の本はどうしても睡眠導入剤的役割比率が高くなるからです。(笑)
それでもたまにはハードカバーや新書系を読もうと思って、「2019年新書大賞第1位」の帯に釣られて買った1冊。

幸い、睡眠導入剤としての効きが悪く興味深く読めました。

その理由は、これまでも軍部の暴走、兵站を軽視した作戦、国力格差を軽視した精神論偏重の意思決定といった敗因分析について書かれた本を読んできましたが、これは兵士側から見た内容でそんなに小難しい理屈が並べられているのではなくその時の現状が具体的に書かれているからでした。

特に開戦期と敗戦濃厚な時期との兵士の体格差、容易に想像できる体格が小さくなっていたこと。
軍服や軍靴を始め携行品の品質が次第に物資不足とともに落ちて、最後は代用品もしくはそれすら支給されていなかったこと。
身心のケアについてはほぼ行われておらず、多くの兵士が「虫歯」「水虫」に悩まされていたこと等々。

責任論や思想論についてココでは言及しません。
とにかく兵士がまともに戦える状態でなくなっていたことがよく解りました。

今更ながら数字を知って驚いたのが日本の軍人比率。
1944年で日本の男子人口の10%だったそうです。最後は卒業前の学生まで動員していたのだから相応に高いと勝手に思い込んでいたオヤジは勉強不足でした。
ドイツと比較されていましたが1943年でドイツは28%。
物資不足ながら、その生産に携わるためしかも生産性の低さゆえに多くの人を要していたそうです。

兵士側から見たことを知るにつけ、改めてそもそもやるべきではなかったし、とてもやれる状況ではなくなっていた戦争だったと思いました。






コメント
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