「超二流」・・・良い響きです。
チームとしてのレベルが大会出場に届かなくても、個々にチカラのある選手に「場」を与えることは全体の底上げにも繋がると思います。
だから「学連選抜」というチームが成果を上げるのではなく、個々の場面で全力で魅せてくれることを楽しみにしています。
結果的にかつての西鉄ライオンズのような快挙が実現されるかもしれません。
一方で一流は一流のチカラを見せつけて欲しいものです。
それにしても、もう明日から師走です。
箱根駅伝までもう1か月、今年もあっという間です。(汗)
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<【スポーツ異聞】箱根駅伝に「学連選抜」復活 “超二流集団”だからこそできる快挙に期待>
産経新聞 http://www.sankei.com/ 2014年11月30日
「学連選抜」という雑草ランナーの寄せ集め集団が箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年ぶりに“復活”する。例年、下位グループに低迷するように見られがちだが、第84回大会(2008年)では4位入賞を果たして注目を集めた。「個の力」を頼りにタスキをつなぐ選抜ランナーはチームの重圧に左右されない分、“怖い者知らず”で走れるメリットもある。1950年代、プロ野球の世界にも究極の寄せ集めというべき球団がファンの話題をさらった。エリート選手を集めた巨人などに対抗心をむき出しにして栄光の時代を築いた。
■敗者が意地を見せる舞台
箱根駅伝で学連選抜という枠が採用されたのは「弱小校を含めた出場機会の拡大」という目的があった。毎年秋の予選会でチームとして出場がかなわなかった大学に所属するランナーから選抜され、“セカンドチャンス”を手にした選手たちにとっては雪辱の舞台。常連校、伝統校とのデッドヒートを期待するファンも多く、箱根駅伝のもう一つの風物詩になってきた。
2年ぶりに「関東学生連合」という名称で復活する今年の場合、東京農大のエース、浅岡満憲(4年)ら16人のスピードランナーが選ばれた。1校からの選出は1人。そのため所属大学がより多彩となり、ぶっつけ本番の度合いが強まる。
ノンフィクション作家、堂場瞬一の『チーム』(実業之日本社文庫)は箱根駅伝の学連選抜に焦点を当てた、選手たちの複雑な胸中や葛藤を描いたスポーツ小説である。箱根にチームとして出場できない“敗者”が集まった集団が、どうモチベーションを発揮できるのか疑問を持ったことが小説執筆につながったという。
「同じ釜の飯」を食う者同士の編成であれば、仲間のためにタスキをつなごうとする絆が生まれるだろう。しかし、即席チームで結束を期待するのは難しい。同じ目標を持つことすら容易ではない。寄せ集め集団の最大の課題は走力もさることながら、メンタルにありそうだ。
■「超二流」三原野球の原点
オールドファンなら懐かしい知将・三原脩が率いた西鉄ライオンズは、1950年代に黄金期を築いたが、もともとは弱小の九州球団に過ぎなかった。西鉄はパ・リーグの西鉄クリッパーズとセ・リーグの西日本パイレーツが合併して1951年に誕生。球団が創設された頃、主力選手がごっそり引き抜かれたため、一流とはいえないような選手で構成された。
他球団であれば二軍行きを命じられそうな選手を三原は「超二流」という言葉を使って発奮させた。戦況に応じて個々の役割をまっとうする臨機応変さを求めた。“三原マジック”と呼ばれた采配の下、西鉄は球団創設4年目にしてリーグ優勝を果たした。
■箱根の経験は生かされる
「箱根路」を走ることへの熱い思いは、強豪も弱小も変わりがない。環境の違う者同士、個の力を遺憾なく発揮して昨日までのライバルにタスキをつなぐことに選抜チームの魅力がある。言い換えれば、彼らこそ三原が率いた「超二流」集団なのである。
長距離を専門にする大学生アスリートであれば、4年間の目標として箱根を挙げる者は少なくない。「公務員ランナー」として活躍する川内優輝(学習院大→埼玉県庁)も2度、学連選抜として箱根を走っている。
川内は大学4年間でチームのタスキをつなぐ機会には恵まれなかったが、「箱根で大観衆の中で走る喜びを知った」と振り返る。箱根を走った貴重な経験が「挑戦する心」をはぐくみ、世界に飛び出すきっかけを作ったようだ。
箱根における「花の2区」と山上りの5区の走りが違うように、野球の1番打者と4番打者の役割は異なる。選手の長所を引き出しながら、「つなぐ」が勝負のキーワードになっている点でも駅伝と野球は変わらない。
関東の学生ランナーにとって「箱根」には特別の魔力があるという。「第二の川内」の誕生に期待したい。
チームとしてのレベルが大会出場に届かなくても、個々にチカラのある選手に「場」を与えることは全体の底上げにも繋がると思います。
だから「学連選抜」というチームが成果を上げるのではなく、個々の場面で全力で魅せてくれることを楽しみにしています。
結果的にかつての西鉄ライオンズのような快挙が実現されるかもしれません。
一方で一流は一流のチカラを見せつけて欲しいものです。
それにしても、もう明日から師走です。
箱根駅伝までもう1か月、今年もあっという間です。(汗)
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<【スポーツ異聞】箱根駅伝に「学連選抜」復活 “超二流集団”だからこそできる快挙に期待>
産経新聞 http://www.sankei.com/ 2014年11月30日
「学連選抜」という雑草ランナーの寄せ集め集団が箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年ぶりに“復活”する。例年、下位グループに低迷するように見られがちだが、第84回大会(2008年)では4位入賞を果たして注目を集めた。「個の力」を頼りにタスキをつなぐ選抜ランナーはチームの重圧に左右されない分、“怖い者知らず”で走れるメリットもある。1950年代、プロ野球の世界にも究極の寄せ集めというべき球団がファンの話題をさらった。エリート選手を集めた巨人などに対抗心をむき出しにして栄光の時代を築いた。
■敗者が意地を見せる舞台
箱根駅伝で学連選抜という枠が採用されたのは「弱小校を含めた出場機会の拡大」という目的があった。毎年秋の予選会でチームとして出場がかなわなかった大学に所属するランナーから選抜され、“セカンドチャンス”を手にした選手たちにとっては雪辱の舞台。常連校、伝統校とのデッドヒートを期待するファンも多く、箱根駅伝のもう一つの風物詩になってきた。
2年ぶりに「関東学生連合」という名称で復活する今年の場合、東京農大のエース、浅岡満憲(4年)ら16人のスピードランナーが選ばれた。1校からの選出は1人。そのため所属大学がより多彩となり、ぶっつけ本番の度合いが強まる。
ノンフィクション作家、堂場瞬一の『チーム』(実業之日本社文庫)は箱根駅伝の学連選抜に焦点を当てた、選手たちの複雑な胸中や葛藤を描いたスポーツ小説である。箱根にチームとして出場できない“敗者”が集まった集団が、どうモチベーションを発揮できるのか疑問を持ったことが小説執筆につながったという。
「同じ釜の飯」を食う者同士の編成であれば、仲間のためにタスキをつなごうとする絆が生まれるだろう。しかし、即席チームで結束を期待するのは難しい。同じ目標を持つことすら容易ではない。寄せ集め集団の最大の課題は走力もさることながら、メンタルにありそうだ。
■「超二流」三原野球の原点
オールドファンなら懐かしい知将・三原脩が率いた西鉄ライオンズは、1950年代に黄金期を築いたが、もともとは弱小の九州球団に過ぎなかった。西鉄はパ・リーグの西鉄クリッパーズとセ・リーグの西日本パイレーツが合併して1951年に誕生。球団が創設された頃、主力選手がごっそり引き抜かれたため、一流とはいえないような選手で構成された。
他球団であれば二軍行きを命じられそうな選手を三原は「超二流」という言葉を使って発奮させた。戦況に応じて個々の役割をまっとうする臨機応変さを求めた。“三原マジック”と呼ばれた采配の下、西鉄は球団創設4年目にしてリーグ優勝を果たした。
■箱根の経験は生かされる
「箱根路」を走ることへの熱い思いは、強豪も弱小も変わりがない。環境の違う者同士、個の力を遺憾なく発揮して昨日までのライバルにタスキをつなぐことに選抜チームの魅力がある。言い換えれば、彼らこそ三原が率いた「超二流」集団なのである。
長距離を専門にする大学生アスリートであれば、4年間の目標として箱根を挙げる者は少なくない。「公務員ランナー」として活躍する川内優輝(学習院大→埼玉県庁)も2度、学連選抜として箱根を走っている。
川内は大学4年間でチームのタスキをつなぐ機会には恵まれなかったが、「箱根で大観衆の中で走る喜びを知った」と振り返る。箱根を走った貴重な経験が「挑戦する心」をはぐくみ、世界に飛び出すきっかけを作ったようだ。
箱根における「花の2区」と山上りの5区の走りが違うように、野球の1番打者と4番打者の役割は異なる。選手の長所を引き出しながら、「つなぐ」が勝負のキーワードになっている点でも駅伝と野球は変わらない。
関東の学生ランナーにとって「箱根」には特別の魔力があるという。「第二の川内」の誕生に期待したい。