薄雲のかかつてゐたる春の月
単に月といえば秋の季語なので、特に春の一字をつけて春の季語とする。
春の夜は大気中に水分が多いため、月は潤んで見える。
秋の月はさやけさを愛で、春の月は艶なる風情を楽しむ。
今日は満月だったが、春らしく薄雲が出て月がにじんで見えた。
春満月見てよりカレー作りけり
薄雲のかかつてゐたる春の月
単に月といえば秋の季語なので、特に春の一字をつけて春の季語とする。
春の夜は大気中に水分が多いため、月は潤んで見える。
秋の月はさやけさを愛で、春の月は艶なる風情を楽しむ。
今日は満月だったが、春らしく薄雲が出て月がにじんで見えた。
春満月見てよりカレー作りけり
春一番走らせ畑の土埃
立春後、初めて吹く強い南風のことをいう。
強力な日本海低気圧へ吹き込む風で、大体二月末から三月初めに吹く。
だが、今年は本日、関東、北陸、四国の各地方で二週間も早い「春一番」が観測された。
元々は壱岐地方の漁師が使っていた言葉であったが、気象用語として定着した。
今日、春一番が吹いた。
畑の土埃を走らせ、凄まじい勢いであった。
春一番鴉四十羽流しけり
をちこちに米軍基地の斑雪かな
まばらに降り積もった春の雪、または解けかけてまだらに残っている雪をいう。
春の雪は解けやすいが、日差しや地形によりすぐ解けるところ、降り積もるところができ、まだらに解け残るのである。
また、はらはらとまばらに降る雪のこともいう。
散歩していると米軍基地があった。
広々とした基地の中のあちこちに斑雪が見られた。
片側や畑の隅のはだれ雪
春陰や畑道に誰(た)も出会はずに
春の曇り空をいう。
「花曇」と似た季語であるが、初春から晩春まで花時に限らず使われる。
明るい春にあって憂いを帯びた陰りを感じさせる。
春陰の中散策をした。
畑道を歩いたが、誰にも出会わなかった。
春陰の夕日のありど野に立てば
ポストへと春雪の道歩きけり
春の雪はすぐに解けやすいが、曇っていて気温が低いと解けずに残っている。
外に出てみると、昨日降った春の雪が畑や空地に真っ白に残っていた。
二年振りの春の雪も滑ったりしなければ、見ていて楽しいものであった。
郵便物を出しに、長靴を履いて春雪の道をポストへと歩いて行った。
いつもの道が長く感じられた。
父母のゐしころ思ひ出す春の雪