俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

春雨

2023-02-13 | 俳句・春・天文

 

 

春雨に畑の湿つてきたりけり

 

 

 

 

 

 

単に春に降る雨を意味するのではなく、春に静かに降る雨をいう。

 

 

 

 

 

 

古くから、しっとりとした情緒のある雨として詠まれてきた。

 

 

 

 

 

 

春先の台風のような激しい風雨は「春雨」ではなく、「春荒」「春嵐」と呼ぶものである。

 

 

 

 

 

 

春雨が降っていた。

畑が次第に湿ってきた。

 

 

 

 

 

境内に駐輪ありぬ春の雨

 

 

 

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春の雪

2023-02-10 | 俳句・春・天文

 

 

畑には足跡のなし春の雪

 

 

 

 

 

 

春になってから降る雪をいう。

 

 

 

 

 

 

関東以西では、真冬より春先に雪が降ることが多い。

 

 

 

 

 

 

春の雪は融けやすく、多少積もってもすぐに消えてゆく。

 

 

 

 

 

 

畑に春の雪が降り積もっていた。

足跡などなく、真っ白であった。

 

 

 

 

 

春雪や幼の記憶よみがへり

 

 

 

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春陰

2023-02-08 | 俳句・春・天文

 

 

春陰や伊豆殿堀の今もなほ

 

 

 

 

 

 

春の曇りがちの空をいう。

 

 

 

 

 

 

「花曇」の花時に限らず、初春から晩春まで使われる。

 

 

 

 

 

 

中国北宋の詩人蘇瞬欽の「春陰野に垂れて草青青たり」などの漢詩に由来する。

近代以降に使用されるようになった季語である。

 

 

 

 

 

 

「伊豆殿堀」は野火止用水のことで、知恵伊豆と呼ばれた松平伊豆守信綱がこの用水路を造ったことによる。

春陰のもと、伊豆殿堀には今もなお清らかな水が流れていた。

 

 

 

 

 

春陰や雑木林の横長に

 

 

 

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花曇

2022-03-29 | 俳句・春・天文




子の掬ふ網の空なり養花天




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桜の咲く頃の曇り空をいう。







「養花天」ともいう。







大気中に水蒸気が多く、どことなくうっとうしい感じ

がする。







花と一体となった曇り空がどこまでも続く。







花曇のもと、子供たちが池で柄のついた網を持って

何かを掬っていた。

だが、中は空であった。







自販機に買ふカフェオレや花曇




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鳥曇

2022-03-17 | 俳句・春・天文




畑隅の祠拝しぬ鳥曇




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雁や鴨などの渡り鳥が春になって北方へ帰って行く頃

の曇り空をいう。







この頃、日本付近は高気圧と低気圧が交互に通過し、

巻層雲、高層雲の層状の雲が広がる。







その頃の風を鳥風といい、その風に乗って鳥たちが

帰って行く。







「鳥曇」には、風に乗って瞬く間に消え去る鳥の群れ

に哀感がある。







畑の隅に赤い鳥居付の祠があったので参拝した。

空を見上げると鳥曇であった。






子供らの遊び声して鳥曇




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