俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

寒月

2020-01-11 | 俳句・冬・天文




寒月の明り頼りに帰りけり




にほんブログ村





冬の夜空に皎皎と冴えて見える月をいう。







照り翳りに関わりなく、見る人が心を覗かれたような

覚めた思いになる。







冷え冷えとした思いである。







寒満月は青白い光で、寒々しさの中にもこの時期ならでは

の美しさがある。







出掛けた帰り道に寒月が昇って皎皎と輝いていた。

その明りを便りに家路をたどった。






透徹といふこと寒満月にあり




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

臘梅

2020-01-10 | 俳句・冬・植物




臘梅の日溜りに足向けにけり




にほんブログ村





ロウバイ科の落葉低木。







中国原産で、唐梅ともいう。







一~二月、葉が出る前に香りの高い黄色い花を下向き

または横向きにつける。







蝋細工のように半透明で光沢があるので、蝋梅というが、

臘月(旧暦十二月)に咲くことから蠟梅とも書く。







臘梅が日溜りに咲いていた。

思わずそちらへ足を向けた。






臘梅の夕日に光得たりけり




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒晴

2020-01-09 | 俳句・冬・天文




一休みするも外にて寒日和




にほんブログ村





寒中の冴えわたった晴天をいう。







遠くの富士山もくっきりと大きく見える。







深い青空に浮かぶ旅客機も静かに美しく飛んで行く。







冬でも日差しが眩しいほどに感じられる。







長いこと歩いて一休みするのも、建物の中ではなく、外の

日の当たるところを選ぶ。

寒日和とはそんな日である。






寒晴や池の木橋の白きこと




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒の雨

2020-01-08 | 俳句・冬・天文




裏道を辿つて歩き寒の雨




にほんブログ村





寒の内に降る雨のことをいう。







冬の雨のうち特にその時期を寒中と限定したものであり、

冬の雨よりも寒さも冷たさも一層厳しい。







寒に入って九日目に降る雨を「寒九の雨」といい、その年

の豊作をもたらすといわれている。







寒の冷たい雨が降ってきた。

大通りを避けて裏道ばかり辿って歩いた。

それも楽しかった。






自転車の手に降つてきぬ寒の雨




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒鴉

2020-01-07 | 俳句・冬・動物




寒鴉夕日の中を飛び交ひぬ




にほんブログ村





冬の鴉のことをいう。


 




寒さが身に沁みる頃、鴉は人里でもっとも目につく鳥となる。







住宅のごみ置き場を荒したり、林中や電線で鳴いたり、

浜や川原に群がっているのをよく見かける。







また、枯木や電柱などに動かずにじっとしているさまは

淋しげである。







夕暮れ時になると、鴉は群れを成して塒へ帰る。

そんな寒鴉が夕日の中を飛び交っていた。






一声を落として翔ぬ寒鴉




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする