俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

寒禽

2021-01-26 | 俳句・冬・動物




寒禽の人恋ふやうに地に降りぬ




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山野、水辺を問わず冬に見かける鳥の総称。







種類を問わず、寒さにちじこまっている鳥や逆に寒さと

たたかっている鳥をいう。







必ずしも寒中に限る必要はない。







寒さに悴んだ姿を特に「かじけ鳥」という。







寒禽が地に降りて辺りを伺っていた。

あたかも人を恋うているようであった。






佇んで見ぬ寒禽の枝移り




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枯芝

2021-01-25 | 俳句・冬・植物




枯芝に紙飛行機を飛ばしをり




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冬枯れの庭の芝生や野原の芝草のことをいう。







一面狐色の枯れ一色となり、まさに冬ざれの景である。







だが、晴れて日がたっぷりと当たった枯芝の暖かさは

懐かしい。



 



枯芝には、子供たちがボールを蹴ったり、犬の散歩を

する人達がいるのがよく見られる。







枯芝に年配の男たちが数人遊んでいた。

よく見ると、紙飛行機を飛ばしていた。






枯芝の中のジョギングコースかな




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寒灯

2021-01-24 | 俳句・冬・人事




寒灯や瀬音のほかは音のなく




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寒さの厳しい冬の灯火をいう。







明るく灯ってもなお寒そうに見える冬の灯火である。







必ずしも寒中の灯火のことだけを指すわけではない。







明るい灯火をさえ寒々とした感覚で捉えるのが

「寒灯」の本意といえる。







暗くなり、家々に寒灯がつき始めていた。

辺りは、家の前の瀬音がしているばかりであった。






健やかとあり寒灯に読む手紙




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寒林

2021-01-23 | 俳句・冬・植物




寒林を行く人小さくなりにけり




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冬枯の林。







葉の落ちた寒々とした冬の林をいう。







「冬木立」という似た季語があるが、「寒林」は林という

広がりと寒さを含んでいる。







「寒木」はその中の一本の木を指す。







寒林の中の道を行く人がいた。

遠のくに従って、小さくなっていった。






寒林に差せる夕日を眩しみぬ




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日脚伸ぶ

2021-01-22 | 俳句・冬・時候




日脚伸ぶ江戸期の旅籠膝折に




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冬の終り頃になって、昼の時間がだんだん長くなる

ことをいう。







冬至を過ぎると昼の時間は日一日と長くなってゆく。







それを実感するのは、一月も半ばを過ぎた頃からで

ある。







「日脚伸ぶ」には、どことなく寒気の緩んできた喜び

とともに、春がもうそこまできている気分がある。







散策していると日脚が伸びてきたことを実感した。

初めて歩いたところに、江戸時代に宿場の脇本陣で

あった旅籠の建物が今も残っているのを見つけた。

この建物は膝折(ひざおり)という室町時代から伝わる

地名の地にあった。






日脚伸ぶ畑に農夫の一人ゐて




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