俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬菜

2023-01-26 | 俳句・冬・植物

 

 

目に沁むる冬菜の緑夕晴れて

 

 

 

 

 

 

冬の菜類の総称。

 

 

 

 

 

 

漬物にする菜類は九月頃種を蒔き、間引きを繰り返し順次収穫してゆく。

 

 

 

 

 

 

あたりが枯れ果てたなかで、冬菜の緑はひときわ鮮やかである。

 

 

 

 

 

 

夕方晴れてきた。

周りが枯れているなか、冬菜の緑が目に沁みた。

 

 

 

 

 

音もなく雨降つてをり冬菜畑

 

 

 

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寒茜

2023-01-25 | 俳句・冬・天文

 

 

散歩して果たして富士や寒茜

 

 

 

 

 

 

厳しい寒さの中で、暗赤色に染まった西の夕空をいう。

 

 

 

 

 

 

「夕焼」は夏の季語であるが、冬も短い夕焼が見られる。

 

 

 

 

 

 

「夕焼」は雲が夕焼色に染まる状態をいうことが多いが、「茜空」は晴れた空が茜色に染まる状態がイメージされる。

 

 

 

 

 

 

散歩をしていて、夕暮れ時に富士山が見えるかもしれないと思った。

そうしたら思った通り、シルエットの富士が寒茜の空をバックにくっきりと見られた。

 

 

 

 

 

父母の国あるやも知れず寒茜

 

 

 

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寒三日月

2023-01-24 | 俳句・冬・天文

 

 

寒三日月天空に風唸りゐて

 

 

 

 

 

 

冬の三日月よりも一段と冷厳な三日月をいう。

 

 

 

 

 

 

凍てつく大気の中の夕空にかかる細い月である。

 

 

 

 

 

 

夕空にあれば、これから夜の冷え込みが一段と進むことが予想される。

 

 

 

 

 

 

夕暮になると、寒三日月が輝き出した。

そのとき、天空では北風が唸っていた。

 

 

 

 

 

急ぎ足寒三日月を横目にし

 

 

 

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寒雲

2023-01-23 | 俳句・冬・天文

 

 

寒雲の垂るる野道を歩きけり

 

 

 

 

 

 

寒々とした冬の雲をいう。

 

 

 

 

 

 

空一面を覆う陰鬱な雲やどんよりと垂れ込めた雪催いの雲がある。

 

 

 

 

 

 

「凍雲」は、寒空に凍りついたようにとどまって動かない雲をいう。

 

 

 

 

 

 

空には寒雲が垂れこめていた。

だが、その下の野道を日課として歩いた。

 

 

 

 

 

凍雲の世のモノクロとなりにけり

 

 

 

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寒椿

2023-01-22 | 俳句・冬・植物

 

 

誰も来ぬところに確と寒椿

 

 

 

 

 

 

「椿」は春の季語だが、「寒椿」は冬季に咲くものを一般的に差している。

「冬椿」「早咲の椿」とも用いられる。

 

 

 

 

 

 

園芸品種のなかに、寒椿と呼ばれる八重咲きで、山茶花のように花弁がばらばらに散る木があるが、それはここでいう「寒椿」とは別である。

 

 

 

 

 

 

寒椿は寒気にめげずに美しく咲く。

その生命力に力づけられる。

 

 

 

 

 

 

公園でも人が誰も来ないようなところがある。

そこに寒椿が確と美しく咲いていた。

 

 

 

 

 

やうやくに礼状書きぬ寒椿

 

 

 

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