俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

忍冬の花

2023-05-21 | 俳句・夏・植物

 

 

すひかづら武蔵野に雨上がりけり

 

 

 

 

 

 

スイカズラ科の蔓性半常緑木本。

山野に自生する。

 

 

 

 

 

 

五月頃、葉腋に甘い香りのする筒形の花を二個ずつ並んでつける。

 

 

 

 

 

 

花は初めは白く、後に黄色に変わる。

そこから「金銀花」の名がある。

 

 

 

 

 

 

道端の藪に忍冬の花が咲いていた。

その武蔵野に降っていた雨が上がってきた。

 

 

 

 

 

佇みて缶珈琲や金銀花

 

 

 

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矢車草

2023-05-20 | 俳句・夏・植物

 

 

矢車草しやがんで猫を呼ぶをみな

 

 

 

 

 

 

キク科の一年草または二年草。

ヨーロッパ原産。

正式名は「矢車菊」。

 

 

 

 

 

 

四~七月、細い枝先に菊に似た頭状花をつける。

 

 

 

 

 

 

花弁に深い切込みがあり、矢車の形に似るところからこの名がある。

花色は紫、赤、白、桃などさまざま。

 

 

 

 

 

 

矢車草が群生しているところがあった。

その横の道に入り込んだ猫を、若い女性がしゃがんで呼んでいた。

 

 

 

 

 

矢車草まちまちに揺れ風の道

 

 

 

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えごの花

2023-05-19 | 俳句・夏・植物

 

 

今生の濁世に白しえごの花

 

 

 

 

 

 

エゴノキ科の落葉小高木。

林野に自生するが、庭園などに植栽もされる。

 

 

 

 

 

 

五月頃、長い花柄の先に白い漏斗状の五弁花を下垂する。

 

 

 

 

 

 

果皮が喉を刺激し、えごいところからこの名がある。

サポニンという毒があり、かつては洗濯に用いたり、搾り汁を川に流して魚を捕らえるのに使われた。

えごは山苣(やまぢさ)ともいう。

 

 

 

 

 

 

今生きているにごった世の中に、えごの花が真っ白に咲いていた。

 

 

 

 

 

えごの花散つたりレンタサイクルに

 

 

 

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朴の花

2023-05-18 | 俳句・夏・植物

 

 

のけ反つて退りて土手の朴の花

 

 

 

 

 

 

モクレン科の落葉高木。

山地に自生し、高さは二十メートルを越える。

 

 

 

 

 

 

五月頃、枝先に香気の強い黄白色の六~九弁の大輪の花をつける。

下からは見えにくい。

 

 

 

 

 

 

「朴散華」と傍題にあるが、実際は散華せず、そのまましおれて落ちる。

 

 

 

 

 

 

川堤の道に朴の花が咲いていた。

のけ反って見上げたがよく見えず、後ろへ下がって仰いで見た。

 

 

 

 

 

天上の誰彼見るや朴の花

 

 

 

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竹の皮脱ぐ

2023-05-17 | 俳句・夏・植物

 

 

竹皮を脱ぐや散策路の脇に

 

 

 

 

 

 

筍は伸びるにつれて、その皮を一枚ずつ落としていく。

 

 

 

 

 

 

真竹や孟宗竹の皮には斑点があるが、淡竹の皮にはない。

 

 

 

 

 

 

竹の皮は葉鞘が変化したもので、自然に脱落するころに採取し、食材を包むのに用いる。

 

 

 

 

 

散策をしていると、篁があった。

その中で竹が皮を脱いでいた。

 

 

 

 

竹の皮散つて微かな音したり

 

 

 

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