自転車に乗つてポストへ柿若葉
柿の若葉のこと。
新鮮さを感じさせる萌黄色である。
いかにも若々しく明るくて力強い感じである。
葉は艶があり、柔らかである。
青空に柿若葉が輝いていた。
その脇を通って、自転車でポストへと走った。
柿若葉腹ごなしとふ散歩して
自転車に乗つてポストへ柿若葉
柿の若葉のこと。
新鮮さを感じさせる萌黄色である。
いかにも若々しく明るくて力強い感じである。
葉は艶があり、柔らかである。
青空に柿若葉が輝いていた。
その脇を通って、自転車でポストへと走った。
柿若葉腹ごなしとふ散歩して
花いばら晴るれば足の軽くなり
バラ科の落葉低木。
日本全土の山野に自生する。
五月頃、枝先に芳香のある白い五弁花を円錐状に多数つける。
果実は球形で、秋には赤く熟し、薬用とされる。
散策していると道端に茨の花が咲いていた。
晴れると茨の花が生き生きとしているように、こちらも足が軽くなったように感じられた。
川堤下りて野茨眩しみぬ
草苺ふふみてありぬ日の温み
バラ科の小低木。
本州以南の山野や藪などに自生する。
四月頃、枝先に白色の五弁花をつけ、花のあと夏に球形の赤い実を生らせる。
実は食すことができる。
道端に草苺が熟して真っ赤になっていた。
美味しそうなので一つ摘んで食べてみた。
すると、その草苺には日の温みがあった。
宝石のごと坂道の草苺
橋めざし歩いてをれば紫蘭かな
ラン科の多年草。
関東以西から朝鮮半島、中国の湿原や草原に自生するが、観賞用に庭に植えられもする。
四~六月頃、三十~五十センチの花茎を伸ばして、紅紫色の花を五、六個つける。
遠くにある橋を目指して川沿いを歩いていた。
すると道端に紫蘭が美しく咲いていた。
紫蘭咲く前をじやれ合ふ犬二匹
葉桜や釣人いつも一人ゐて
桜の若葉をいう。
桜は花が散ると若葉が出始め、五月には青葉となり、葉は緑色を深めてゆく。
「花は葉に」ともいうが、夏の季語であり、春の季語ではない。
日の光に透けた葉桜はことに美しい。
川堤の道の桜が葉桜となっていた。
その下の川にいつも一人の釣り人がいた。
葉桜の下を自転車抜けにけり