俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

寒月

2024-01-26 | 俳句・冬・天文

 

 

寒月やSLIMは神酒(みき)の海にあり

 

 

 

 

 

 

冬の月よりも一段と冷厳な月をいう。

 

 

 

 

 

 

必ずしも寒中の月でなくとも厳寒期を想定した季語なので、晩冬とされる。

凍てつく大気の中の月を思わせる。

 

 

 

 

 

 

ただし、「寒の月」とした場合は寒中の月のことをいう。

 

 

 

 

 

 

煌々と冷たく輝く寒月が出ていた。

先日、日本の月探査機「SLIM」が神酒の海に着陸した。

神酒の海はうさぎの向かって右側の耳の平地である。

そこにSLIMがあるのだなあと思った。

 

 

 

 

 

天心を寒満月の渡りけり

 

 

 

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寒雀

2024-01-25 | 俳句・冬・動物

 

 

人影にすぐ飛び去りぬ寒雀

 

 

 

 

 

 

寒中の雀のことをいう。

 

 

 

 

 

 

この頃は食べ物が乏しくなるので、雀は餌を求めて人家に近づく。

 

 

 

 

 

 

寒気を防ぐため全身の羽毛を膨らませて丸くなっている雀を「ふくら雀」という。

 

 

 

 

 

 

寒雀が細い枯木の枝に止まっていた。

だが、近づこうとすると、こちらの動きに気がついたのか、すぐに飛び去ってしまった。

 

 

 

 

 

風の中歩けばふくら雀かな

 

 

 

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寒木瓜

2024-01-24 | 俳句・冬・植物

 

 

寒木瓜に日差し待たるる日和かな

 

 

 

 

 

 

バラ科の落葉低木。

中国原産。

冬のうちから花をつけている木瓜をいう。

 

 

 

 

 

 

普通木瓜は春に咲くが、早咲きや四季咲きもある。

特別に寒木瓜という種類があるわけではない。

 

 

 

 

 

 

花の少ない時期だけに、鮮やかな花として珍重される。

 

 

 

 

 

 

散策路に寒木瓜が咲いていた。

曇っていたので、日差しがあればもっと美しいだろうと、日差しを待つような天候であった。

 

 

 

 

 

寒木瓜や句集礼状認めて

 

 

 

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枯桑

2024-01-23 | 俳句・冬・植物

 

 

枯桑に残る夕日や畑の中

 

 

 

 

 

 

葉が落ち尽くした冬の桑をいう。

 

 

 

 

 

 

現在では養蚕農家が激減したが、関東地方ではまだ桑畑が見られる。

 

 

 

 

 

 

葉をすっかり落とした桑の枝が縦横に伸びる景は、いかにも寒々しい。

 

 

 

 

 

 

広々とした畑の中に一列の枯桑があった。

その枯桑に夕日が残っていた。

 

 

 

 

 

桑枯れて武蔵野に雲広がりぬ

 

 

 

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冬枯

2024-01-22 | 俳句・冬・植物

 

 

冬枯の中に野墓のありにけり

 

 

 

 

 

 

冬が深まり草木が枯れ果てて、野山が枯一色となった満目蕭条たる景をいう。

 

 

 

 

 

 

同種の季語に「冬ざれ」があるが、これは冬枯を含めた冬のもろもろの現象で、荒れ寂びた感じをいう。

 

 

 

 

 

 

単に「枯」「枯る」の形でも様々に詠まれ、自然の風景のみならず、人間の心理に踏み込んだ表現も多い。

 

 

 

 

 

 

散歩をしていると、辺りは蕭条と冬枯れしていた。

その中に昔からの野墓があった。

 

 

 

 

 

枯れ果てし児童遊園人気なく

 

 

 

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