毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

とほほ、情けなさ過ぎ・・・「氣志團SS事件」    2011年3月2日(水) No.77

2011-03-02 10:28:59 | 中国事情
  ああ、世界中が見てるのを日本は知るや知らずや…。MTV、ソニーミュージック=アーティスツに大人はおらんのかい!
…おらんかったんだな、きっと。

 2月23日のMTVテレビ番組に“人気ロックグループ”氣志團のメンバーがナチ親衛隊(SS)の制服そっくりの衣装で出演したとのこと。
どうしてこういう人権感覚まるでなし事件が現実のものとなるのか。
これは「なんだ、たかがロックグループの服じゃないか。日本は思想、信条、言論の自由、ならびに表現・服装の自由があるし~。」と済ませようとしたかも知れないが、そうはいかない。強く抗議されて当然のことだ。

 英語でHATE CRIME(へイト クライム)という犯罪がある。日本語でぴったりの言葉は…、ないのかなあ。近似するのが「脅迫」「嫌がらせ」というところか。しかし、この言葉は[人種・宗教・思想信条・性などにに対しての]という対象を特定してはいない。単に行いそのものを指すだけだ。アメリカではこのヘイト=クライムはそれ以外の一般的?脅迫や嫌がらせより罪が重いそうだ。日本は法的にも[ ]内のものごとに対する手厚い配慮がない。

 それにしても、ナチによるユダヤ人ホロコースト(大虐殺)の歴史を知らない日本人は居るまい。識字率98%だか99%の国だ。テレビ局やソニーミュージックなんかで働いているヒトたちはほとんどが大学とか出ているんじゃないの?
なのにこういう事が放置され、ストップさせられないのは、中国人が日本に対して耳にタコができるほど言っている「歴史認識が足りない」からだ。

 中国人が第二次世界大戦のとき日本軍が中国の民間人におこなった数々の残虐な行為に対して発言する度に、多くの日本人は「ああ、また言っている。いつまで大昔のことを持ち出すんや!中国はホンマにもう信じられへんわ!」と、食傷する声がよく聞かれる。

 確かに1985年、戦後50年にしてようやく、当時の社会党村山首相はきちんとアジア関係諸国に謝罪した。また日本は中国に対して最大の資金援助国でもある。中国の改革開放政策を支えたのは日本の強力なODA援助であると言っても過言ではない。小平がその政策を打ち出した当時、日本の援助額は諸外国からの援助総額の66.6%を占めたという。
それらは、戦前、戦中に日本が中国に対して行った帝国主義的侵略行為を反省してそうしたことだ。というか、心から反省し、これから良い関係を築いていくために関係を修復し補償したことだ。(経済活動するに有利、という事情があったにしても…)

 そうであるならば、その姿勢(=戦前・戦中の日本がアジア諸国に対して為したことは誤りだったという認識)は変わらず堅持しなければならない。
今の日本にはその認識がどんどん減ってきていると思う。歴史は今の生活と何の関係もないという日本人が多すぎる。もっとスゴイのは、あの東京都知事だ!(あのヒトと私の誕生日が同じだなんて…、誰のイタズラ!?

「氣志團」は東京のどっかの公園に20000人を動員するほど人気があるんだそうだ。ラジオ番組「オールナイトニッポン」にも出演したそうだ。…だけど、やっていいことと悪いことがあるんだということは社会の大人が教えなくてはならない。感受性がある(であろう、知らんけど)若者を、金を運んでくるだけの脳みそ無しロボットにしてはならないのだ。

 国際的ユダヤ人人権団体「サイモン=ヴィーゼンタール=センター」(本部ロサンゼルス:40万人家族が参加するNGO)からの抗議に対して、「ソニーミュージックアーティスツ」の代表取締役2人(原田公一、高橋章)が謝罪した文を読んだが、あまりにも形式的で誠意が全く感じられない。「再発を防ぐために一所懸命取り組む」ぐらい書けないのか。
MTVと氣志團メンバーはまだ謝罪すらしていない。(世界中から袋だたきにされたらいいんだ!)とすら思う。
人権感覚なさ過ぎの原因は、歴史から大切なことを学ばなかったためだ。学校で学ばなかったことは、社会で学ぶ。それも日本社会はできないのが現実だ。だったらもう残された道は、世界社会から教えてもらうしかないのかも…。
「モノ作り」では、そりゃ、日本は世界一かも知れないけど、人間社会の暮らしは「モノ」だけ良けりゃいいってもんではないだろう。ハア~~~~。
コメント
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