3年生「ビジネス作文」のテキストには、結婚祝い、新築祝い、栄転祝い、時候の挨拶など、各種見本が並んでおり、それを見本にして書きながら形式や言葉遣いを覚えていく練習をしている。
その見本の一つに、地震見舞いというのがあった。先週金曜日、その見本を見ながら日本の皆さん宛てに見舞い状を書いた。形式的文書の練習だから、味も素っ気もないものばかりかと思いきや、中にはやはり自分の言葉で一生懸命書いている子もいた。
驚いたことに、昨年末に日本の戦争犯罪に言及した王さん、陳さんが最も自分の気持ちを表現した見舞い状を書いていた。他の子達も、形式を守りながらも、一言自身の気持ちを述べているものがあったので、ここに紹介する。なお今回は本人の了承を得たので本名を掲載することにした。
「地震お見舞い」
日本の皆様
前略 3月11日当日の夜、私は寮に帰って日頃通りにパソコンでNHKのニュースを聞き始めました。そのニュースを通じて日本では大地震が起こったことを知り、本当に大変驚きました。
また、一昨日ウェブサイトで衛星が撮った、地震が起きた各地方の写真を見、その惨状が私自身の身に起きたように感じ、呆然としました。
ここで今度の東日本大震災で不幸にもお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を申し上げ、且つご冥福をお祈り申し上げます。
また、ニュースによりますと、日本では余震などが続いて行く心配がありますが、皆様は災害に負けないよう、新たな生活をお迎え下さると信じております。
以上取りあえず書中をもってお見舞い申し上げます。
草々
王本賢
日本の皆様
前略 先週金曜日の午後のニュースによりますと、東日本は大地震に見舞われ、その後大津波が発生して、東日本の多数の町が流され、非常に大きな災害になったことに驚き、心から案じ申し上げます。
日本語学科三年生の私たちは東日本大震災に強い関心を持って、毎日インターネットで震災後の様々な報道を読んでいます。そして、日本人の皆様の心の強さ、楽観的な姿勢、政府に対する信頼感が見られて、非常に感銘を受けております。
2008年、中国の四川省汶川にも大きな地震が発生しました。日本人の皆様の隣人としての私たちは、皆様のご心痛のほど、深くお察し申し上げます。日本人の皆様、どうぞお気落としなく、一日も早い再建を心からお祈りしております。
最近、被災地は寒くなってきました。皆様の避難所での安全をお祈り申し上げます。
草々
江西財経大学外国語学院
日本語学科三年生
陳礼名
*ひとこと*
・決して希望を捨てることなく、身体を大切に明日からの日々を生き抜いていこう。(王建紅)
・心の強い日本人の皆様はきっとこの困難な状態を越えることができると信じております。(王書林)
・地震に、その最中の津波に、その後の原子力発電所の事故に屈することなく、この災難を乗り越えますよう頑張って下さい。(汪剣虹)
・私たち中国人にできることがありましたら、遠慮無くお申し付け下さい。できる限りのご協力をいたします。(肖進梅)
・皆様は必ず強い心を持って生きます。全世界の人々は日本の皆様を応援します。(陳旭) ・・・・・・・・・・・・・・・・