学生たちが大学に戻ってきた。
冬休み前に、あれ程ワクワクと帰りたそうにしていた彼らは、故郷でどのような休みを過ごしたのだろう。2年生に「冬休みで最も印象に残った事」という作文を宿題に出したところ、せっせと書いてきた。私の受け持ちは2年では作文じゃなくて会話だが、私は彼らの生活作文を読むのがとても楽しみなのであ~る。
と言うわけで、ちょっとその楽しみのお裾分けをいたしましょう。
○亜星(女性)
中国の春節は一年の初めだ。一切が新しくてすばらしいです。
今年の春節、楽しかった。私が一番好きなものはお年玉です。除夜は家族みんな団らんの時です。
夕飯のあと、あ~、うれしい時刻が到来した。祖父と祖母は部屋の正面のソファーに座り、私たち子どもは正面の方を向いて立った。それから私は姉と弟と一緒にお辞儀をしながら「新年快樂。」と言った。
祖父と祖母は一人にお年玉として、1300元をくれた。わあ~、楽しかった!
次に、叔父さんと叔母さんはそばのソファーに座って、私たちはさっきと同じ礼をした。今度、私は500元をもらった。ああ、私はお金をたくさん持った。
祖母は「あなた方は、ずっと子どもです。毎年お年玉をあげます。」と言った。
お年玉は中国の伝統の代表的なものだと思っています。確かにいいものです。
*大学生にもなって、まだお年玉をもらっているのかい!中国のお婆ちゃん・お爺ちゃんも孫には甘い…。亜星さんちは3人もいるので出費がたいへんだあ。(大卒初任給1500元の会社もあるのに…)
○小嬋(女性)
この冬休みはとても速く経ったみたいでしたが、いくつかの面白いことがあったわけでした。それのうちで仲良しの友だちの結婚は一番深く印象に残っています。
友だちはクラスメートのうちで一番きれいな女の子です。正月六日にもう3年間経って、彼女はいよいよ彼氏と結婚できました。その日に、私たちは飲んだり笑ったりしました。彼女はもう昔の彼女じゃなくて、妻になったんだと考えて、気持ちはちょっと変でした。
その夜、私たちは新郎新婦の部屋でゲームをしました。その一つがとても面白かった。
新郎新婦はベッドの上で布団をかぶり、他の人は布団しか見えません。そして、新郎新婦は一つずつものを捨てて出さなければなりません。何でもいいです。例えば、ひとつ目、腕時計。二つ目、靴下。三つ目、めがね…。
最後に、二人は下着も捨てて出しました。私たちはベッドを囲んで見ながら、大笑いしました。
他のゲームもいろいろあります。全部のゲームが終わったあと、私たちはみんな疲れた。
ある女の子は「私は絶対故郷で結婚しない。怖いですね。」と言いました。
*こういうゲームは他でも聞いたことがある。本当に怖いゲームだ…。
○文芳(女性)
今度のお正月に、確かに楽しいことやら面白い事やらいっぱいあったけど、一番印象に残っていることは中学校時代の同級生たちのことである。何人もが結婚したと聞いて、私はびっくりした。
中学校時代の同級生といえば、みんな年齢はだいたい同じで、20歳から23歳にかかるくらいだろう。確かに中国の法律では、この年齢で結婚することはできるけど、どうしても今は早過ぎるでしょう。
もし一人か二人ぐらいが結婚したなら変なことではないと思いますが、何人もとは理解できない。
同じ年齢に属する私としては、自分はまだ子どものような気がするので、何と言っても結婚とか想像できなかった。
しかし、今結婚したみなさん、これからの生活をどうするんですか。自分の人生はまだ始まったばかりで、大人の世界について何も分からなくて、相手の人生、それに生まれた子供の人生はどうするつもりですか。考えたことがありますか。それに、結婚に伴って自由がなくなって、本当に楽しいですか。みなさんにとって一番大切なものは一体何ですか。青春を楽しむことではないですか。
私はいくら考えても、みなの心が分からない。そういう疑問が印象に残って忘れられない。
*今も特に農村部では結婚年齢が若いそうだ。昔の村では25歳で独身の女性に『老処女=大年増』という言葉を投げかけたそうな。25歳まで結婚せず頑張る?人は孤独だったんだあ。
○恒斐(男性)
2月14日はバレンタインデーという西洋の伝統的な節日だ。それはもう、独身者としてはそのロマンチックな日に寂しい気持ちが最も強くなったので、恋仲だけではなく、独身同士友だちと一緒に何か活動するのは必要なんだ。
だから、その日はみんなと市中心部に映画を見に行くつもりだった。男性3人、女性2人。でも、当日朝、その女性2人は朝寝坊をして、元の計画は壊された。
男性3人にとってそれは寂しい気持ちが苦くて、ぜひ何か面白いことをしに出掛けたかった。
最後、男性3人は、バレンタインデーの朝に、目的もなく道を散歩することにしました。
昼ご飯の時は、恋仲が多くいる店でカレーライスを食べました。そのカレーライスは値段が高くて、味が良くない。タナカ先生ほど全然おいしくないです。食事の後は、2時間ぐらいビリヤードをしました。その後、続けて散歩して、たいへん身が疲れて家に帰りました。
恋人はいませんですが、恋愛より独身の時は面白いことが多いと思います。
成功のキーは、“寂しい心を我慢できるかどうか”です。
*バレンタイン=デーを『伝統的節日』と呼ぶのは少~し違うように思うが…。中国の若者は「結婚していない人」プラス「恋人がいない人」を『独身』と呼ぶようだ。日本語で正確に言うと『お一人君』?(←こ、これは懐かしい「南港ミュージックエンターテイメント」のリスナーの呼び名だ!)最後の「成功のキー」は、みんな噛み締めたいですね。
○小翠(女性)
春節は中国の一番大切な節日です。みんな一家団欒は一番重要なことと思います。私もそう思います。
今年の春節はいつもの年と同じ、いつものように家族と一緒に過ごしました。
みんな一緒に大掃除をしたり、餃子を作ったり、旧暦の大晦日に一家そろって食事をしたりしました。今年の春節は、変わったことが本当になかったが、家族と一緒に食事をすることが貴重で楽しかったです。
春節の間、母は一番疲れました。毎日私たちのためにご飯を作ったり、服を洗ったりしました。親類は私の家に新年の挨拶に来たとき、みんな客間でお茶を飲んで、テレビを見て、冗談を言ったりしていました。母だけは台所で料理を作っていました。私も手伝いたかったが、私の料理はちょっとまずいので、助手を務めるしかなかったです。お母さん、本当にありがとう!
*これを読むと「中国では男も厨房に立つ」という大雑把な言い方はできないことに気がつく。
中国は広い!これから「中国は○○…。」という言い方は、自分でも極力気をつけたい。