CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

兵庫県立考古博物館の春季特別展「弥生時代って知ってる?」観覧記 on 2021-7-4

2021年07月09日 04時46分32秒 | 神戸市以外の兵庫県

標題の展示の会期最終日の2021年7月4日、観覧しました。

憶えの為、展示内容の概略を記しておきます。

上の写真はリーフレット

弥生時代は2300年前から1700年前の約600年間であると覚えていましたが、
最近は佐倉市の国立歴史民俗博物館が2003年頃から提唱されている説で
500年くらい古い年代から弥生時代が始るということも言われています。
今回の展示では下記のように早期、前期、中期、後期・終末期の年代を規定。
また縄文晩期を弥生時代に入れるという説もあります。

  早期 2800年前~2600年前 

  前期 2600年前~2350年前

  中期 2350年前~2000年前

  後期・終末期 2000年前~1700年前

弥生時代全般について吉野ケ里歴史公園のサイトが面白いのでリンクさせていただきます。
    弥生ミュージアム (yoshinogari.jp)

 

弥生の名称についてWikipediaによれば
「「弥生」という名称は、1884年(明治17年)に東京府本郷区向ヶ岡弥生町(現在の東京都文京区弥生)
の貝塚で発見された土器が発見地に因み弥生式土器と呼ばれたことに由来」

発見者は有坂しょう蔵、坪井正五郎、白井光太郎

出土した土器は東京大学総合研究所博物館に保管されています。(弥生時代終末期の土器)
東京大学の農学部と工学部の境に「弥生式土器発掘ゆかりの地」の碑がある

 

弥生時代の特色は以下のとおりです。
 -水稲耕作の開始
 -金属器の使用  鉄器:主に武器、加工具  青銅器:主に祭祀に使用
 -朝鮮半島系(大陸系)磨製石器(石斧、石包丁)の使用
 -機織り技術の導入
 -弥生土器の製作

 

春季特別展「弥生時代って知ってる?」の開催要項

会期:令和3年4月17日(土)~7月4日(日) 場所:兵庫県立考古博物館

開館時間:9:30~18:00 入場料金:大人500円、大学生400円、高校生以下は無料

 

5つのテーマで県内外から出土品など計156点を集められた。

1.縄文時代から弥生時代へ

上の写真は縄文時代から弥生時代への展示 遠景

上の写真は縄文土器と弥生土器に関する説明パネル

上の写真は玉津田中遺跡(神戸市西区)の炭化米と炭化米入り弥生土器の展示

2.大陸から伝わったもの

上の2枚の写真は大陸から伝わったものの展示遠景と説明パネル

大陸から伝わったものとして一番重要なものは「米作り」である。

上の写真は常設展示の「米づくりのはじまり」の展示

米づくりの為の道具「木を伐る道具」、「木を加工する道具」さらに銅剣などが展示

上の写真は神戸市兵庫区の大開遺跡の説明パネル

平成25年度に実施の第14次調査においては弥生時代前期後半の環濠集落を確認
多量の弥生土器と石器、木製品、木の伐採及び加工道具、人骨が出土

稲穂を収穫するための道具「石包丁」も展示されていました。

上の写真は石包丁を使用した米の収穫風景 (常設展示より)

米作は弥生時代から始ったとされ、中国の雲南省付近から日本に伝播して
きました。海を渡って伝えられた稲作は日本列島を北上し沖縄、北海道を除く
日本各地に400年から700年かけて広まった。
従来の説では100年間で北上したという記載もある。

上の写真は小和田哲男監修「すぐわかる日本の歴史」東京美術(2000)のPage31
稲作が中国から日本に伝播した経路を説明したものです。

 

3.マツリの様子

上の写真はマツリ(祀り)の様子の展示遠景

銅鐸及びその製法に関する展示の他、下記の様な展示がありました。

上の写真は神戸市西区の玉津田中遺跡から出土の石棒、人形土製品

上の2枚の写真は磨製石剣と銅剣の展示と説明パネル

 

 

 

4.弥生人のくらし

上の2枚の写真は弥生人のくらしの遠景と説明パネル

上の写真は玉津田中遺跡で出土の土器。弥生時代の火災で焼失した竪穴式住居跡から

見つかったもの

 1)弥生人の衣服

上の写真は玉津田中遺跡(神戸市西区)から出土の機織りの道具の展示

壁に弥生人(女性)が着ていた「貫頭衣(かんとうい)」が展示(上の写真)

上の写真は機織りと養蚕の説明パネル

 2)弥生人の食べ物

 3)弥生人の住まい

上の写真は早川和子さんが作画した大中ムラの風景

竪穴式の住宅や高床式の倉庫などの建物が建てられました

風呂やトイレは近くの水辺や川で用を済ましました。

 4)弥生時代の鉄器の生産

淡路市の五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡で見つかった弥生時代後期の鉄製品と

鉄加工用の石製道具。五斗長垣内遺跡には、鍛冶炉を備えた工房跡があり、当時の人が

鉄を細かく加工する技術を持っていたことが見て取れる。

 

5.ムラからクニへ

上の写真はムラからクニへの展示遠景

上の写真は日本最大規模の環濠を持つ吉野ケ里遺跡(復元集落)

上の写真は内場山墳丘墓(丹波篠山市)から出土の太刀と鉄鏃

この遺跡は弥生時代末期の王墓で地域をまとめる権力者が台頭し始めた頃で古墳時代へと

繋がっていきます。

 

6.その他の展示

 1)金印(複製品)

上の2枚の写真は「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」と刻まれた金印の複製品

福岡市の志賀島(しかのしま)で出土

 

 2)中国人が見た弥生人のくらし

三国志の中の倭人伝には邪馬台国の位置を記した記事に次いで、倭人が紹介されて

います。倭人の衣食住に関する記述です。(上の写真)

上の2枚の写真は魏志倭人伝に描かれた弥生の人々の説明パネル(全6枚)と展示遠景

 

3)吉野ケ里遺跡の出土品

上の写真は吉野ケ里遺跡の出土品を復元した「胸飾り」と「ガラス管玉」

上の写真はガラス管玉の出土状況

上の写真は甕棺墓の中に収められた人 作画:早川和子


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カフェ すまいる おおなか... | トップ | 地球の歴史 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

神戸市以外の兵庫県」カテゴリの最新記事