今回のフィリピンの台風被害は、時間が経つにつれてますます深刻な状況になってきています。私は、1994年以来、サマールに関わり続けてきましたが、レイテのタクロバンも再三訪れてきました。古い雰囲気の残った、お気に入りの街だっただけに、あの壊滅的な状況を見ると残念でなりません。
いろんな方々から、サマールの状況や、支援先の問い合わせをいただきました。以下、マニラ新聞のGさんからいただいた情報をもとに、現地の状況といくつかの支援先についてまとめてみます。
ご協力をよろしくお願いします。
なお、マニラ新聞が「台風災害特設ページ」を無料公開しています。フィリピンの様子がよく分かるのでご覧ください。
(レイテ島、サマール島をつなぐサン・ファーニコ橋)
1.サマールの状況について
私がいた西サマールのカルバヨグやソルソゴンでは、幸い、それほどの被害はありませんでした。学生グループ(JAPSAM)が作ったトレーニングセンターは、台風の避難所として準備されたようですが、その必要もなかったとのことです。
報道では、レイテのタクロバンの惨状がよく放映されていますが、東サマールのギーワンなどでも死者1000人といわれるほどの壊滅的な被害が出ているようです。カルバヨグには、タクロバンや東サマールから多くの被災者が避難してきており、混乱防止のために夜間外出禁止令が出されています。また、カルバヨグはマニラから陸路レイテに行く際の中継地になるので、救援活動の拠点の一つになっているようです。
カルバヨグでは、食糧や水なども充分にあり、問題はないとのことですが、やはり台風以来、停電が続いています。サマールの電気は、ほとんどがレイテの地熱発電所から送られているので、当面、電気の復旧のメドはなさそうです。
2.支援先について
支援活動を行っている3つの団体を紹介します。
<支援先① NPO法人・アイキャン(アジア日本相互支援センター)>
フィリピンで20年近い活動実績をもつNGOです。私も、マニラのパヤタス(ごみの集積地)での活動現場を訪問したことがありますが、信頼できる団体です。今回のレイテの台風被害についても、ミンダナオの活動現場から、いち早くタクロバンにかけつけています。
フェイスブックで現地での活動状況が分かります。支援金の送金先は、ホームページをごらんください。
<支援先② NPO法人・Action>
直接、かかわりを持ったことはないのですが、カルバヨグのWESADEFという現地NGOと提携してサマールを中心に活動しているグループなので紹介します。このWESADEFは、私もカルバヨグ滞在中に何度も事務所や活動地を訪問したことがあります。
支援金の送り先は下記のブログをご覧ください。
<支援先③>同志社ハビタット→日本YWCA
2012年からサマールに来てくれるようになった学生グループJAPSAMは、同志社のハビタットから生まれた団体ですが、今回の台風被害に関して、日本YWCAに協力して支援の呼びかけを始めています。以下、転載します。
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同志社ハビタットに関わってこられた皆様へ
ご承知のように11月8日にフィリピンを襲った巨大台風「ヨランダ」により現地では...
甚大な被害が発生しており、多くの人々が餓えをしのぎながらの極めて苦しい状況に
置かれています。
同志社ハビタットの活動を通じてフィリピンと関わられた皆様は、大変心を痛めてお
られると思います。
すでにそれぞれに行動を開始されておられる方も多いと思いますが、我々にできるこ
とを迅速にとの思いで、マーサ先生にも相談し、「フィリピンへのYWCA救援募金」への協力の輪を広げることに取り組むことといたしました。
つきましては、同志社ハビタットに関わられました皆様にこの呼びかけメッセージを
できるだけ広げていただき、協力の輪、支援の輪を広げていただけると大変に心強く存じます。以下、YWCA救援募金の口座です。
<郵便振替>
口座番号 00170−7−23723
加入者名 公益財団法人日本YWCA
通信欄に 「フィリピン緊急支援」とご記入ください。
集約期限:2014年1月末日
*文末にフィリピンYWCA総幹事からのメッセージを添付しています。
皆さまご多忙と存じますが、ぜひ、ご協力をお願いいたします。
復興の道のりは大変長期に及ぶものと思います。フィリピンの仲間のことを忘れず、
応援を続けたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
西田淳志(2002年卒)
春山慶彦(2004年卒)
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「フィリピンYWCA総幹事からのメッセージ(2013年11月10日)」
YWCA会員、友人の皆さま
私たちは、巨大台風「ヨランダ」(国際名「ハイヤン」)の甚大な被害に心を痛めて
おります。上陸時の時速190〜195マイルを記録したこの台風は、「上陸した熱帯性暴風雨としては歴史上最大」のもので、11月8日(金)に中央ビサヤ地域を含む幾つかの州に多大な被害をもたらしました。今までで初めて、22の州にシグナル「4」(分類中最大。12時間以内に時速185km以上の熱帯性低気圧が到来)の台風警報が出されました。暴風雨は、レイテ島のタクロバン市、オルモック市などを襲いました。
地域の国家災害リスク軽減・管理センターの報告では、138人が死亡、14人が負傷、4人が行方不明と示されています。36州の229町39都市、1336バランガイ(村/地区)において、合計94万4,697世帯(429万2,636人)が被災しました。7万1,623世帯(33万914人)が1,223箇所の避難所に避難しています。家屋、財産、農地、インフラへの被害は莫大です。
しかしこのような状況にも、フィリピンの精神は力強く立ち上がり、神への大きな信
仰をもってこの困難に立ち向かおうとしています。フィリピンYWCAは、ビサヤ地域のYWCAから情報を取り寄せています。カピス州のロクサス市YWCAからは、多くのYWCA会員の自宅が破壊されたことが報告されています。会員のコラゾン・ティアンゴは、家を失った何人ものYWCA会員の家族を自宅にかくまいましたが、強風により彼女の家の屋根も危うく飛ばされそうになりました。また、若い女性リーダーのリザ・バンデジャスとディレ・アセルヴォから何枚かの写真が寄せられましたが、それは見るにたえないものでした。西ネグロス州のサン・カルロス市では、事務局アシスタントのナネッテ・リベラルが自分のソーシャル・メディアのアカウントに、「同市での被害は小規模」と記載しています。電気も復旧したそうです。
フィリピンYWCAは最近、フィリピンの「3000クラブ」(国際的・地域的チャリティー団体)と提携し日本YWCAからの支援を受けて、地震の被害を受けたボホルおよびセブ州に医療物資・設備を送り、救援活動を行いました。
私たちはこれから、最も深刻な被害を受けたレイテとサハール州に災害救援・医療
チームを派遣している「Operation Blessing」と協働します。Operation Blessing
チームは、支援物資や医療物資を現地に送っています。私たちは、YWCAのコミュニ
ティと友人の皆さまに、もう一度呼びかけたいと思います。支援を必要としている人
たちを助けるため、私たちに力を貸してください。