チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

24日(土)は那覇・安里教会で講演 /// 軟弱地盤問題を中心に追求 --- 25日(月)防衛省交渉での質問事項 全文掲載

2019年02月24日 | 沖縄日記・辺野古

 2月24日(日)は、カトリック那覇教区平和委員会の例会で辺野古の話しをさせていただいた。たっぷり2時間近くをかけて軟弱地盤問題を中心に辺野古の工事の現状とその問題点を説明した。

 

 明日は、防衛省交渉のために東京に行く。関東方面の方でご都合がつく場合は、是非、おいでください。

    参議院議員会館 B109

  午後2時~4時 防衛省交渉   午後4時半~6時半 院内集会

 

 工事についての質問事項を以下に掲載する。なお、防衛省交渉のもう一つのテーマは、サンゴの問題をはじめとした生態系の問題を追及する

 **********************************

 

辺野古新基地建設事業に係る防衛省への質問事項        2019.2.25

<第1部>工事に関わる問題について 

第1.大浦湾の軟弱地盤と地盤改良工事について

  沖縄防衛局長が本年1月18日に提出した行政不服審査請求に係る「反論書」には次のように記載されている。

「ボーリング調査については、---前記24本のボーリング調査を含めて合計76箇所で実施していたところ、予定していた大半の調査が終了し、設計・施工の検討に関わる主要なデータが出揃ったことから、今般、これらの試験結果を基に設計・施工の検討を行なった(証拠13:「地盤に係る設計・施工の検討結果 報告書」(以下、「検討結果報告書」という)。

 その結果、C1護岸、C2護岸、C3護岸、隅角部護岸、係船機能付護岸、A護岸、中仕切岸壁A、中仕切岸壁B及び中仕切護岸N1を設置する箇所のほか、大浦湾の埋立地について、一般的で施工実績が豊富であり、かつ、国内に在籍する船舶等により施工が可能なサンドコンパクションパイル工法及びサンドドレーン工法による地盤改良工事を実施することにより、護岸や埋立等の工事を所要の安定性を確保して行なうことが可能であることが確認された。さらに、この地盤改良の施工による環境負荷は、当初の環境保全図書で予測された範囲を逸脱するようなものではないことも確認された。」

 

 さらに安倍首相は、本年1月30日、衆議院の代表質問に対して次のように答弁した。

「今般、沖縄防衛局において、地盤の検討に必要なボーリング調査の結果を踏まえ、米軍キャンプ・シュワブの北側海域における護岸等の構造物の安定性等について検討した結果、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により地盤改良工事を行うことにより、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと聞いております。」

 以下、この軟弱地盤と地盤改良工事の問題について質問する。

  

1. 大浦湾の軟弱地盤の厚さについて

1-1-1. 昨年3月に開示された土質調査報告書では、C1護岸のB28地点では、水深30mの海底地盤が厚さ40mにわたって軟弱地盤が拡がっているとされていた(「シュワブ(H25)土質調査(その2)」等)。

 ところが今回の「検討結果報告書」図2-1-3(大浦湾側外周護岸部の検討に用いた土層(S-S断面))によれば、追加の土質調査の結果、B27地点では水深30mの海底地盤が厚さ60mにわたって軟弱地盤であることが明かになった。海面から約90mもの深さまで軟弱地盤が続いているのである。

 B27地点の海底部の海面からの深さ、また、Avf-c層(谷埋堆積物(粘性土))とDK層(琉球層群(非石灰質))の境界部の海面からの深さを正確に説明されたい。

 また、B27地点では、N値ゼロが何カ所確認されたか? 土質柱状図を提出されたい。

 

1-1-2. 「検討結果報告書」(図3-2-1~3-2-8)によれば、護岸の基礎部分だけではなく、埋立区域の範囲にも谷埋堆積物、サンゴ礫混じり土等の軟弱地盤層が広範に拡がっている。これらの図では、海面下60mから80mもの深さまで谷埋堆積物層が続いている。

 昨年公開された「シュワブ(H25)土質調査(その2)」等の報告書には、軟弱地盤の厚さを示す「沖積層の柔らかい粘性土~緩い砂質土層等厚線図」や「沖積層基底等深度線図」等が含まれていたが、今回の「検討結果報告書」にはそれらの図がない。

 大浦湾の「沖積層の柔らかい粘性土~緩い砂質土層等厚線図」や「沖積層基底等深度線図」等を提出されたい。

  

2. 地盤改良工事について

1-2-1. 岩屋防衛大臣は昨年12月13日の記者会見で、「仮に軟弱地盤が見受けられたとしても、十分に工法によって解決・克服することは可能だと考えている。」と述べた(2018.12.14 琉球新報)。

 防衛局が追加の海上ボーリング調査の中間報告を受けたのは昨年末であり(2019.1.21 朝日新聞)、それをもとにした「検査結果報告書」は本年1月18日に提出されている。

 防衛大臣が、昨年12月13日の時点で、上記のような見解を述べたのは、どのような根拠によるものか説明されたい。

 

1-2-2. 「検討結果報告書」では、これらの軟弱地盤に対処するため、ケーソン護岸・中仕切岸壁A・同B、中仕切護岸N1の基礎部分(約17ha)については、サンドコンパクションパイル工法(SCP)で地盤改良を行ない、A護岸の基礎部分と埋立区域(約40ha)については、サンドドレーン工法(SD)で地盤改良を行なうとしている。地盤改良の総面積は約57haにもなり、大浦湾の埋立範囲の約半分にも及ぶ。

   地盤改良の深さは、SCP、SDとも水深約70mまでとされている。前述のように、護岸部分では海面下90m、埋立部分でも海面下80mほどの深さまで地盤改良を行なう必要があるにもかかわらず、70mまでの深さまでの地盤改良しか行なわないのは何故か? 安全上、問題はないのか?

 安倍首相が「護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認された」と断言した根拠を説明されたい。

 

1-2-3. この点について、「検討結果報告書」では、「改良深度等については、専門工事業者へのヒアリングから現有作業船の能力等を考慮し、改良可能な最大深度はCDL-70mとする」としている。

 しかし、「検討結果報告書」でも引用している日本作業船協会の『現有作業船一覧 2017』によれば、サンドコンパクション船は国内に15隻しかなく、しかも最大打込深度70mまで可能な作業船は2隻のみである。また、サンドドレーン船は国内に7隻しかなく、打込深さは最大のものでも60mが精一杯である。

 地盤改良工事を行なうとしても、作業船の調達は可能なのか?

 

1-2-4. さらに「検討結果報告書」では、地盤改良工事の工程として、ケーソン護岸部、中仕切岸壁部をほぼ同時期にSCP改良を行なうとし、C1護岸部、C2・C3護岸部、中仕切岸壁A部の改良のためにそれぞれ3船団、中仕切岸壁B部の改良のために2船団で施工するとしている。これでは11隻のサンドコンパクション船が同時に稼働することとなる。

 しかし、前述のように国内にはサンドコンパクション船が15隻しかなく、最大打込深度70mまで可能な作業船は2隻しかない。そうした現状でこのような工程が可能なのか?

 この工程でも、SCP改良だけでもほぼ2年必要とされているが、実際の工程はさらに長期間を要するのではないか? 

 本年2月13日の沖縄タイムスは、日本政府が米軍に対して、「軟弱地盤が見つかり、改良工事に最短で5年を要する」と伝えたと報じたが、事実か?

 

1-2-5. 「検討結果報告書」では、SCPの本数は合計38,945本、SDの本数は37,754本、合計76,699本もの砂杭を打設するとしている。SCP改良は、約20ヶ月ほどの間で4船団で行なうとされているから、1日に65本もの砂杭打設が必要となる。休日や荒天時など作業ができない日を考慮すると、作業可能日には、1日に100本もの砂杭を打設しなければならない。

 このような大量の砂杭打設が可能なのか? 工程そのものに無理があるのではないか?

 

1-2-6. 地盤改良工事においては、SCP改良、SD改良とも、砂杭のためだけではなく、大量の敷砂が使われる。必要となる砂の総量を明かにされたい。また、これらの砂は何処から採取する予定か?

 「検討結果報告書」では、SD工法の使用材料は「砂」、SCP工法の使用材料は「砂、砕石(スラグ、再生砕石)等」とされているが、砂以外の材料の使用を検討しているのか? 鉄鋼スラグの使用も検討しているのか?

 

 1-2-7. 地盤改良工事に伴い、現地盤面が盛り上がる現象が生じる。ケーソン護岸部では環境への影響を考慮し、盛り上がり土は撤去しないとされている。そのため、盛り上がり部分もSCPによる地盤改良が必要となる。

 一方、中仕切岸壁部は、岸壁をガット船等の荷役作業で使用するため、喫水を確保するために盛り上がり土の撤去を含め、所定の水深まで浚渫しなければならないこととなる。

 こうした浚渫土の総量はいくらになるのか? 当初計画の浚渫量と比較してどれほど増加するのか?

 

1-2-8. 安倍首相は、1月30日の衆議院代表質問に対して、「一般的で施工実績が豊富な工法により地盤改良工事を行うことにより、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認された」と答弁した。

 以前の計画でも、「深さ70mまで杭を打つ改良工事は私は聞いたことがない」(羽田空港の拡張工事で地盤改良の検討に加わった田中洋行北海道大学名誉教授(2019.2.2 東京新聞))と言われていたが、それが水深90mともなると、「水深90mまでの地盤改良工事は知る限り例がない」(鎌尾彰司日本大学準教授)というように前代未聞の工事である。

 全く今までに施工実績がないにもかかわらず、「一般的で施工実績が豊富な工法」とした理由を説明されたい。

 

1-2-9. 岩屋防衛大臣は、2月5日の衆議院予算委員会において、「どのぐらいの地盤改良工事が必要かということについては、---今般の中間報告の結果を踏まえて、今、沖縄防衛局において十分に検討を行なっているところです」として、「この段階で詳細についてお答えすることはまだできない段階です」と説明を避けた。さらに、「地盤改良が必要な面積は57ha。6万本の砂杭を70mの深さまで打つ改良工事は聞いたことがないと報道されている」という質問に対して、「その報道については私も読ませていただいたというか承知はしておりますけれども、それはまだ推測の域を出ない報道であると思います」と答弁している。しかし、これらの報道は、「推測」ではなく、政府の「検討作業報告書」に基づいたものである。

 また、2月7日の参議院予算委員会においても、「今、中間報告を踏まえて工法を検討しているところでございますので、現段階でそれを正確にお答えすることはできません」と答えている。

 そうであるならば、安倍首相の衆議院代表質問に対する答弁では少なくとも、「まだ検討中なので分からない」と答えるべきであった。何故、「所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認された」と断言したのか?

 

1-2-10. 沖縄防衛局は冒頭にも引用したように、「この地盤改良の施工による環境負荷は、当初の環境保全図書で予測された範囲を逸脱するようなものではないことも確認された」とも説明している。

 ところが「検討結果報告書」によれば、その根拠は、「各環境保全図書記載の工事と地盤改良工事のピークとなる時期が同時期に重ならないように工事工程を調整すれば、地盤改良工事を行なう場合でも環境保全図書の予測結果の範囲にとどめることは可能であると考えられる」というだけである。

 前述のように、SCP工事だけでも、ほぼ2年間にわたって護岸工4箇所を同時並行で11船団を動員して施工するというぎっしりとした工程が示されている。この工程は「工事工程を調整」したものか?

 工事工程の調整が必要というのであれば、従来の工程と地盤改良工事の工程を具体的に検証し、それが可能かどうか判断するまでは、環境への影響は評価できないのではないか?

  

3.設計概要変更申請について

1-3-1. 安倍首相は、本年1月31日の衆議院代表質問で、軟弱地盤改良工事に関し、「沖縄県に対して設計概要変更申請を行なう必要がある」と明言した。

 この設計概要変更申請は何時、行なう予定か、明かにされたい。

 

1-3-2. 防衛局は、残余のボーリング調査の室内試験の結果を記載した地盤に関する最終報告書を3月4日に提出するとしている。しかし、これらの追加資料に基づいた設計概要変更申請のための設計・施工の検討や環境への影響等の検討作業は、新しい委託業務を発注して行なうのか、 あるいは「シュワブ(H29)土木その他設計」等、すでに発注している業務で行なうのか、明かにされたい。

  

4.完成までの工期と総工費について

1-4. 安倍首相は地盤改良工事の工期と総工費について、本年1月30日の衆議院代表質問に対して、「現時点で今後の工期や費用について確たることを申し上げることは困難」と答弁した。

 また、岩屋防衛大臣は、2月5日の沖縄等米軍基地問題議員懇談会の質問に対して、「(総工費は)さまざまな不確定要素があることから、現時点で見込額を申し上げられる状況ではない」と説明している。

 しかし、埋立承認願書でも資金計画書が添付されているように、それぞれの時点で見込額を算出することは当然、可能であるし、行なわなければならない。そもそも、総工費がどこまで膨れあがるのか、完了までに何年かかるのかが示されない公共工事などあり得ない。

 政府は、一日も早い普天間基地の返還のためには辺野古新基地建設が必要というが、現状では完成の見通しが全く立っていない。逆に、辺野古にこだわり続けるほうが、普天間基地の返還が遅れるのではないか?

 現在時点での完成までの工期、総工費を明かにされたい。

  

第2.埋立に用いられている土砂の問題について

1.赤土等流出防止条例違反の土砂の堆積について

2-1-1. 琉球セメントは、昨年12月3日、安和桟橋の敷地内に大量の土砂を積上げ、辺野古へ海上搬送しようとした。1000㎡以上の土地の形質変更は沖縄県赤土等流出防止条例により知事への届出が必要だが、この土砂堆積は4500㎡もの計画であった。

 知事への届出が行なわれていないため、県は条例違反を指摘。作業はいったん中止された。しかし、その後、琉球セメントは積上げた土砂は使用せず、鉱山から直接、ベルトコンベアーまで運送することにより、赤土等流出防止条例上の問題はないとして、12月5日から土砂積込み作業を再開した。

 その後も県は、敷地内に積上げられた土砂について、赤土等流出防止条例の手続を行なうよう指導しているが、琉球セメントは今も応じていない。条例では、届出をしない場合には罰則規定まで定められている。防衛局は発注者として、条例に違反して積上げげらた土砂は、いったん鉱山に戻すよう琉球セメントを指導すべきではないか?

 

2-1-2. 昨年12月3日、安和桟橋の公共用財産管理規則に基づく工事完了届を提出しないまま土砂を2隻の運搬船への積込作業が始まった。また、この土砂は、上述の赤土等流出防止条例の届出を行なっていないものであった。

 この2重の違反行為で積出した運搬船は、しばらく沖合で待機していたが、その後、辺野古に搬送された。この問題は、法的に瑕疵のある状態で積み込まれた土砂がそのまま埋立に使われたとして、国会でも追及された。

 防衛省西田局長は、「ご指摘の船につきましては、沖合で停泊しているとの報告を受けてございます。この3日に運搬船に積み込んだ土砂の取扱いについては、今後の作業の進捗等を踏まえ適切に判断していきたいと考えておりますが、現時点でその取扱いについて確たることを申し上げられる段階にはございません」と答弁している(2018.12.6 参議院外交防衛委員会)。

 違法行為で積出した土砂をそのまま辺野古に搬送し、埋立に使用した理由は何故か?

      

2.岩ズリの細粒分含有率の問題について

2-2-1. 埋立承認願書に添付された「環境保全に関し講じる措置を記載した図書」(以下、「環境保全図書」)では、埋立に用いる岩ズリの細粒分含有率は「概ね10%前後」とされていた(6-7-131)。また防衛局は、埋立承認願書の審査の過程でも、県の質問に対して「岩ズリの細粒分含有率は2~13%」と回答している(2013.11.20)。

 ところが防衛局は、昨年3月に発注した埋立工事の特記仕様書で、岩ズリの細粒分含有率は40%以下と指示した。これは環境保全図書の変更であり、留意事項に基づき知事の承認が必要な事項であるが、防衛局はその手続を行なっていない。沖縄県がこの問題を指摘したところ防衛局は、「埋立土砂による水の濁りについては、外周護岸により閉鎖的な水域をつくり、その中へ埋立土砂を投入する工法によって外海に拡散しないようにすることとし、そうでない場合、すなわち、かかる工法を用いない埋立て工事について、埋立土砂の性状、種類により水の濁りによる影響を想定することを記載しています」(2019.1.18)、「外周護岸で閉鎖的な水域をつくることとしており、埋立材の細粒分や、細粒分における粘土とシルトの含有率により、周囲の環境に、水の濁りによる影響を与えることは想定されていません」(2019.2.1)と回答した。これでは、どのように劣悪な性状の土砂を投入してもよいこととなる。

 そもそも、外周護岸により閉鎖的な水域をつくらない場合の土砂投入に限って細粒分含有率が10%前後の岩ズリを投入するとは環境保全図書のどこにも記載されていない。環境保全図書の変更であり、留意事項に基づき、知事の承認を受けるべきではないか?

 

2-2-2. そもそも今回の外周護岸は、中央部の捨石の両側を被覆ブロックで押さえた構造にすぎず、内部はけっして「閉鎖的な水域」ではない。内側に汚濁防止シートを設置する前に土砂を投入する場合は、汚濁防止枠を設置するというが、以前、護岸の石材投下の際には何重もの汚濁防止枠を設置したが、外側に汚濁が拡散している状況が確認されており、汚濁防止枠の効果は万全とはいえない。

 さらに後述のように、現在の外周護岸はCDL+4.0m(仮設の袋材を入れてもCDL+5.2m)の高さしかなく、昨年9月の台風の際には高波が護岸を超える被害が発生した。この高さのまま土砂を投入しているのであるから、台風時には護岸を超えた高波で土砂がかき混ぜられ、汚濁水が外海に流出する恐れがある。

 「閉鎖的な水域」であるから、「埋立材の細粒分や、細粒分における粘土とシルトの含有率」等が問題とはならないという主張は失当ではないか?  

 

2-2-3. 埋立工事の特記仕様書では岩ズリの細粒分含有率を40%以下と指定しているが、西田安範防衛省整備計画局長は「搬入前に確認を行なったところ、概ね10%であった」と国会で答弁している(2018.12.6 参議院外交防衛委員会)。そして、「安和桟橋において船舶に積載前の岩ズリについて確認」したとして、細粒分含有率が、14.7%、15.3%、9.2%、8.2%、10.6%等のパンフロック試験結果のデータを県に提出した。

  防衛局は昨年12月14日から本年1月末までにすでに58隻の運搬船で土砂を運んだというが、その都度、細粒分含有率の検査を行なったか? 

 全ての運搬船の土砂の細粒分含有率の検査データを提出されたい。

 

2-2-4. 防衛局が提出した資料によれば、パンフロック試験の実施日は、2018年7月20日とされている。ところが室内粒度試験実施日は、2017年4月3日であり、同じ試料が使われているはずがない。異なる試料を使って換算係数を算出しても意味がない。再度、同一の試料から換算係数を算出すべきではないか?

  

3.土砂の性状試験結果を提出しないままの土砂投入

2-3-1. 埋立承認願書に添付された設計概要説明書には、「(岩ズリについて)土砂の性状の確認は購入時に行なうものとする」(84頁)とされている。また、環境保全図書には、「土砂調達に係る有害物質混入等の土壌汚染への対策としては、『土壌汚染に係る環境基準について』の規定を本工事の発注仕様に設定し、当該規定を満足する土砂を用いることと---し、配慮することとします。これらを担保するため、具体的には、土砂供給元を決定する際にこれらの状況を確実に確認する」と記載されている(2-30)。

 防衛局は県の指摘を受け、昨年12月14日、土砂を投入した後に初めて土砂の性状検査データを提出した。ところがその性状検査データには2年半以上も前の古いものが混じっているなど、検査対象の土砂の性状が、既に投入された土砂と同一のものであるかにつき重大な疑義が生じている(2018.12.21 沖縄県知事の行政指導文書)。

 このような古い性状検査データを提出した理由を説明されたい。 

 

2-3-2. また防衛局が提出した、有害物質の濃度計量説明書は、資料採取日は土砂が投入された昨年12月14日、試験結果報告日が本年1月7日のものである。

 設計概要説明書や環境保全図書に反し、土砂の購入時に有害物質検査を行なわなかった理由を説明されたい。

  

4.県の立入調査について

2-4. 埋立に用いられている「岩ズリ」は、一見して赤土分を含んだ土砂であることは明かである。

 県も「実際に投入された土砂は明かに粘土分を含むと見受けられるにもかかわらず、当該検査結果では粘土分をほとんど含まないものとされるなど、検査対象となった土砂の性状が、既に投入された土砂と同一のものであるかにつき重大な疑義が生じている」として、「土砂の投入を即刻中止するとともに、既に投入された土砂を速やかに撤去するよう」指導した。そして、「県の立入踏査及び性状検査用の土砂を提供するよう」求めている(2018.12.21 知事の行政指導文書。また、本年1月11日、1月25日の土建部長文書でも立入調査を求めた)。

 県の立入調査、性状検査用の土砂の提供に応じるべきではないか?

  

第3.現在の工事の状況について

1.②-1区域の埋立について

3-1. 現在、②-1区域への土砂投入が続いているが、昨年12月14日以降本年1月末までに約41,000㎥の土砂が投入されたという(沖縄等米軍基地問題議員懇談会(2月5日)への防衛省回答)。

 沖縄県赤土等流出防止条例に基づく事業行為通知書では、②-1区域の埋立のために必要な土砂の量は137,500㎥、施工期間は約20ヶ月とされている。

 現状では、②-1区域の埋立は何時、終了すると想定しているのか?

 

2.②区域の埋立開始について

3-2. 防衛局は本年1月21日、赤土等流出防止条例に基づき、隣接する②区域でも3月25日から土砂を投入すると県に通知した。この区域の土量は、1,109,500㎥で、埋立の終了予定日は2020年8月末となっている。

 しかし、後述のように海上搬送してきた土砂の陸揚桟橋がない現状で、土砂投入区域をいたずらに広げることには無理がある。

 ②-1区域の外周護岸高は、現状ではCDL+4.0mしかなく(仮設の袋材を積んでもCDL+5.2m)、昨年9月末の台風時には高波が護岸を超え、汚濁防止膜が打上げられる等の被害が発生した。埋立高さがCDL+3.1mの高さを超えると、敷き均し厚さは30cm毎とされ、各層を十分転圧する必要があるだけではなく、濁水処理プラント等も設置される。昨年のような台風被害が発生すれば、甚大な被害となることが危惧される。

 当初の計画では、基礎捨石の上部にコンクリート擁壁(H=4.0m)を造成し、外周護岸高をCDL+8.0mまで仕上げてから内側に土砂を入れるとされていた(これも、環境保全図書の変更であり、知事の承認を受けなければならない)。今回はそうした工程を無視して土砂投入を始めたのだが、少なくとも②-1区域の外周護岸を最終完成高まで仕上げ、越波の恐れをなくしてから、次の工区への土砂投入に着手すべきである。

 この点についての見解を示されたい 

3.新護岸(N4・K8)の着工について

3-3-1. 防衛局は本年1月22日の環境環視等委員会で、大浦湾側のN4護岸(全長135m)とその先のK8護岸(全長515m)のうち250mを造成すると説明した。そして、1月28日にはN4護岸の基礎捨石投下作業を開始した。

 しかし、③区域では軟弱地盤問題等のために沖縄県知事に設計概要変更申請を行なうことを安倍首相も表明している。知事が承認しなければ③区域の工事実施は不可能となる。

 それにもかかわらず、③区域の外周護岸造成に着手した理由は何故か?

 

3-3-2. 防衛局はK9護岸の一部を仮設工事として造成し、石材や土砂の陸揚用桟橋として使用している。この点については設計概要変更申請にも記載されておらず、沖縄県も再三、環境保全図書の内容の変更であるにもかかわらず、留意事項に基づく知事の承認を得ていないとして行政指導を繰り返してきた。そして昨年8月31日の埋立承認撤回の理由の一つとし、12月12日にも、「これ以上の使用は認められない」と指導している。

 ③区域の埋立工事着手が全く見通せない中で、N4護岸・K8護岸(一部)の造成に着手したのは、K9護岸と同じようにこれらの護岸を土砂陸揚用桟橋として使用しようとしているのではないかと疑われる。N4護岸・K8護岸(一部)を、土砂陸揚用桟橋として使用する予定か?

 その場合は環境保全図書の変更であり、留意事項に基づく知事の承認が必要ではないか? 

(N4護岸・K8護岸(一部)造成に伴う潮流の変化やサンゴ類への影響が危惧されるが、この点については、第2部の質問項目で触れる。)

  

4.その他、工事に関する問題について

3-4-1. 辺野古新基地建設事業で使用されているダンプトラックには、道路運送車両法、ダンプ規制法、道路交通法等に違反した車両が多いと指摘されてきた。

 市民らは、キャンプ・シュワブのゲート前や本部港(塩川地区)、琉球セメント安和桟橋等で撮影したダンプトラックの写真を再三、所管の沖縄総合事務局に提出した。沖縄総合事務局はその都度、多くの違反車両を確認し、車両所有者だけではなく発注者である沖縄防衛局へも是正するよう指導を続けている。防衛局は今までに、2017年9月、同10月、2018年4月、同5月、同12月、2019年1月、同2月の7回にわたって沖縄総合事務局からそうした指導を受けてきたはずである。

 ところが、違反車両はなかなか減少せず、防衛局は7回も指導を受け続けているのである。

 政府は、各省庁をあげて、道路運送車両法違反等の車両について、「違法改造は犯罪です」とキャンペーンを続けている。そうした中で沖縄防衛局が発注者である公共工事で、このような違法行為が続いていることは看過できない。このような実態を防衛省としてどう認識しているのか?

 現在、各ゲート前にはいつも多数の防衛局職員が立ち会っている。違法ダンプを確認した場合は、ただちにその場で引き返しを命じる等の強い措置を講じなければ、違法ダンプは撲滅できない。そのような強い措置を講じる考えはないか?

 

3-4-2. 防衛省は、昨年11月27日の意見交換の後の「現場の工事写真の看板の日付がなく、撮影年月日が確認できない。日付を入れるべきではないか」という再質問に対して、「内部基準において、撮影年月日の記入は必要とされておりません」と回答した。

   工事の適正な管理のために工事写真の看板に日付を入れるのは当然である。「内部基準」を理由とするのではなく、看板に日付を入れない理由を説明されたい。

 

3-4-3.

 今回、埋立に用いられている岩ズリ単価は岸壁渡しで5,370円/㎥となっている(「シュワブ(H29)埋立工事(3工区)」等の内訳書より)。しかし、以前に契約された「シュワブ(H26)ケーソン新設工事(1工区)」等の工事設計図書では、同じ岸壁渡しの岩ズリ単価は1870円/㎥であった。
 このように同じ岩ズリの単価が3倍も高額となっているのは何故か、説明されたい。

 

 

 

 

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