チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

8月21日、辺野古・変更申請に関する防衛省交渉(参議院議員会館)に参加 --- 防衛省の不誠実な対応に抗議が集中 /// 工事面に関する議事録とユーチューブの映像公開

2020年08月22日 | 沖縄日記・辺野古

 昨日(8月21日・金)、日本自然保護協会主催の辺野古・変更申請に関する防衛省交渉が参議院議員会館で行われた。私は工事面の問題を担当し、当初は東京に行く予定だったが、コロナ禍が深刻な事態となってきたため、沖縄からズームでの参加となった。

 防衛省職員は、顔を写されることを拒否したため、ズームでは相手の顔が見えないままのじれったい交渉だった。

  交渉の全容はユーチューブで公開されているので是非、ご覧ください。

 https://www.youtube.com/watch?v=gr2LXiu5qDo&feature=youtu.be

 

 以下、防衛省への質問事項を再掲する。

 辺野古・変更申請書に対する防衛省への質問事項 2020.8.21

 

 ジュゴンやサンゴ移植等についても、多くの問題が明かになったが、それらについては日本自然保護協会さんからの報告を待ちたい。私からは、質問4以後の工事面の問題点についての交渉内容を報告する。

(ズームを使った防衛省交渉。手前が防衛省の担当者、左側が日本自然保護協会のメンバーら(日本自然保護協会撮影))

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8月21日 防衛省交渉の記録

  ジュゴン、サンゴ移植に関する質問に対して防衛省は、「環境監視等委員会の指導・助言を得ている」として、内容についてのきちんとした説明を逃げ続けた。工事面の問題についても、「有識者で構成される技術検討会で了解いただいた」として回答しないことが多かった。

 とくに、工事面の問題に対しては、「変更申請書の内容については、今後、沖縄県の告示・縦覧により公表されるものであり、また、県の内容審査も予定されていることから、現時点で明らかにすることは差し控えます」として具体的な回答を拒否し、一般論に終始した。

 しかし、今回の質問事項は、変更申請書がまだ公開されていないため、防衛局が公表した技術検討会・環境監視等委員会の資料に基づいたものや、新聞等に大きく報道されたものである。この防衛省の回答拒否理由は通用しない(追及の結果、いくつかの質問については、「それではお答えします」として回答させることができた)。

 時間もなく、十分に追及できなかったが、それでも多くの問題が明かになった。以下、工事面の問題に関する交渉の記録である

 

4.埋立土砂・海砂の調達問題について

<防衛省読上げ回答>

●「埋立に必要な資材の量については、県内で調達可能な量を下回ることを確認している。このため、現時点においては沖縄県内の資材を使用することで必要量を賄えるが、具体的な調達先は施工段階で確定するものであり、現時点では確定していません。」

●「購入する資材の生産に際して必要な環境対策については、各調達先の事業者において講じられているものと認識しています。」

●「計画変更に伴い、工事における年当り、月当りの海砂の必要量については、那覇空港第2滑走路増設事業における使用実績を下回っており、県内において十分調達できるものと考えています。」

●「沖縄県内での海砂の使用については、沖縄県の海砂利採取要綱に規定されている採取面積や掘削深度、採取量を採取業者が遵守しているかを確認・決定するものとしています。」

<質疑応答>(〇:質問、●:防衛省回答)

〇「海砂採取は環境への影響が大きいため、瀬戸内海各県、熊本県など6県では全面採取禁止となっている。海砂採取に関する基本的な認識を説明されたい。」

  • 「各県で取られている対応についてはお答えする立場にはありません。」

〇「今回の事業では総量386万㎥もの海砂が必要となるが、防衛局は沖縄の年間海砂調達可能量を576万㎥としている。しかし、2013年~2016年度の沖縄の海砂年間採取量は120万㎥~180万㎥程度であった。576万㎥とする根拠は?」

  • 「今回の事業の年当りの海砂必要量は、那覇空港第2滑走路増設事業における使用実績を下回っており、十分対応できます。那覇空港第2滑走路増設事業の海砂採取で、特段、環境への影響が生じたとは承知していません。」

(注)防衛省は、今回の事業での海砂必要量は那覇空港第2滑走路埋立事業の際よりも少ないというが、これはあくまでも「年当り海砂採取量」である。今回の事業で必要とされる海砂総量は那覇空港第2滑走路増設事業で使用された海砂量よりも多い。

 

5.地盤改良工事について

<防衛省読上げ回答>

●「変更申請書の内容なのでお答えできません。」

●「昨年1月の報告書では、C1護岸周辺では「非常に硬い」に分類される粘土層が水面下約74mと設定し、昨年の通常国会においては、水面下約70mより深いところでは「非常に硬い」に分類される粘土層が分布しているという説明をしてきました。

 その上で、昨年9月の技術検討会でお示ししたものは、---これまでの土質調査の結果をより詳細に整理分析しており、B27地点におけるAvfc層とAvfc-2層の地層境界を水面下約77mと設定しました。

 なお、B27地点において「非常に硬い」に分類される粘土層の境界を水面下約77mとする条件下においても、一般的で施工実績豊富な工法によって地盤改良を行うことにより地盤等の安定性を確保できることを確認しています。」

●(辺野古調査団の「護岸崩壊のおそれ」という7月2日の質問書に対して)「護岸については、国土交通省が監修する「港湾の施設の技術上の基準・同解説」に基づき設計を行うことによって、必要な耐震性能を含む所要の安定性が確保されることを有識者で構成される技術検討会にお示しし、確認いただきました。」

●(米軍との調整について)「空港土木施設については、設計供用期間中に発生する可能性の高いレベル1地震動に対して、航空機の運航に必要な機能を損なわず、継続して使用することができるようにする必要があります。

 その上で、大規模地震発生時における被災により、人名・財産又は社会経済活動に重大な影響を及ぼす可能性がある施設については、空港の設置者、又は管理者が必要と判断すれば、最大規模の強さを有するレベル2地震動に対応した設計を行います。このため、レベル1地震動に対応した設計を行うことにより、飛行場として十分な耐震性能を満たすことになると考えています。

 今回の事業では、使用者となる米軍とも調整の上、レベル1地震動を設定して設計を行うことを確認しております。この設計により、所要の安全性や運用が確保される耐震性を備えることができると考えています。」

 

6.「先行盛土」について

<防衛省読上げ回答>

●「変更申請書の内容なので現時点ではお答えできません。」

●「ケーソン護岸部の未閉合部分に追加展張する汚濁防止膜は、海面から海底まで展張することをこれまでの環境監視等委員会で報告しています。」

●「ケーソン護岸の下方の埋立については、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」の置換工法の考え方を踏まえ、岩ズリで埋立を行うこととしています。この点については、技術検討会の委員からも特段の異論は示されていません。」

 <質疑応答>

〇ここで聞いているのは、先行盛土は海面下7mまでか、あるいは海面下20mまでなのかということです。どうですか? 今までの防衛局の回答では、7mまでと言われていたが、海面下20mとしている資料もある。どちらですか?

  • 「すいません、その点については後に福島議員の方に文書で回答させてください。」

(注)先行盛土は実際には海面下7mまでだが、防衛局は第25回環境監視等委員会では、「海面下約20mまで」と説明している。

 

7.特殊作業船の調達について

<防衛省読上げ回答>

●「日本作業船協会の『作業船一覧』(2019)や、業者へのヒヤリング等から地盤改良工事に必要な作業船の数以上の船舶が国内にあることを確認しています。実際の工事にあたっては、作業船の稼働状況を踏まえつつ必要な作業船をしっかりと確保していきたいと考えております。

(注)海面下70mまで作業できるサンドコンパクション船は日本に1隻しかなく、2隻は「改造により可能」とされているにすぎないが、その点については回答していない。

 

8.A護岸の工事について

<防衛省読上げ回答>

●「変更申請書の内容なので現時点ではお答えできません。」

●「ウォータージェット併用バイブロハンマーにより、濁りの拡散状況については返還後の施工計画を踏まえ、濁りの発生が多くなる複数の時期を予測対象時期として設定した上でシュミレーションにより計算していますが、濁りの拡散範囲は変更前と同程度又はそれ以下に収まるとの結果を得ています。

<質疑応答>

〇「変更計画の内容なので答えられないというが、これは技術検討会の資料についての質問ですよ。」

  • 「技術検討会でお示ししたことであればお答えします。A護岸の工期については、当初には想定されていなかった地盤改良工事を追加しつつ、より合理的な施工計画を検討した結果、A護岸の施工期間は3年10ケ月となりました。」

〇「それは違います。昨年の報告書では、A護岸の基礎部分にSD工法を行うとされていたが、その後、技術検討会ではそれはなくなったでしょう。地盤改良工事を追加したから工期が長くなったと言われたが、A護岸下部では地盤改良工事は行いません。 これについても文書で再回答してください。

 A護岸下部では地盤改良工事が無くなったのに、何故、工期が5倍にもなったのですか?」

  • 「全体的な工程の合理化の結果です。この点については、今の回答で全てです。」

(注)A護岸(延長597m)の工事は当初計画では9ケ月にすぎなかったが、変更計画では、工期短縮のために打設工法を変更したにもかかわらず、3年10ケ月と5倍にもなっている。あまりに杜撰な設計と言わざるを得ない。

 

9.「環境への影響が『変更前と同程度がそれ以下』などあり得ない」について

<防衛省読上げ回答>

●「今回の変更計画では、地盤改良工事の追加の他、施工方法や工事工程の見直しを行っています。海上施工による地盤改良工事が追加になったものの、当初の計画に比べて環境への影響が少ない施工方法の採用や、工事の施工時期が分散したこと等により、計画変更後の環境影響の予測評価については、当初の予測結果と同程度若しくはそれ以下になるとの結果が得られたことを、これまでの環境監視等委員会において説明いたしました。これに対して環境監視等委員会からは、その手続きや結果について問題がないものとされ、特段の指導助言はありませんでした。」

<質疑応答>

〇「環境への影響は『変更前と同程度かそれ以下』と繰り返されているが、たとえば濁り(SS)については、月当り、年当りの値ではなくて、負荷総量は増えるのですか、あるいは減るのですかと聞いているのです。」

  • 「変更後の環境影響の予測評価については、環境への影響が少ない施工方法の採用や、工事の施工時期が分散したこと等により、当初の予測結果と同程度若しくはそれ以下になります。」

〇「去年1月の報告書では、変更計画でのSS発生量の総負荷量は、当初計画に比べて113%に増えると説明されていた。総負荷量が増えているのに、何故、「当初の予測結果と同程度若しくはそれ以下」と言えるのですか? SSの総負荷量をきちんと説明してください。」

  • 「現行の環境保全図書と同様に、予測評価対象とした環境要素ごとに国や地方公共団体が示した基準や目標に整合するか否かの評価を行います。」

〇(福島議員)「それは全然、答えになっていません。総負荷量が増えるのか、減るのかをきちんと文書で回答してください。」

〇(福島議員)「宿題がいくつかあります。環境監視等委員会の発言者の名前を出した議事録を公表することとあわせて、工事面で問題となった項目について文書で回答してください。」 

 

 交渉後のまとめの集会では、変更申請書の告示・縦覧が始まれば、再度、その内容についての防衛省交渉をしようということとなった。その際は東京に行って直接、防衛省の担当者に追及することができるような状況になっていることを期待したい。

 

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