9月14 日、翁長知事が埋立承認の取消し手続に入ることを表明した。それ以来、多くの県民が、知事が実際に取消し処分に踏み切るのを、今か、今かと待ちわびている。各マスコミは、この間、何度も埋立承認が取り消されると報道してきたが、今日に至るまでまだ知事の最終決定はない。その経過を振り返って見よう。
<9月14日>知事、埋立承認の取消し手続に入ることを表明。防衛局に対して28日に「意見聴取」を行うと文書で通知。
<9月17日>防衛局、県に「意見聴取には応じない」との文書を送付。同日夕、県に電話で連絡。「埋立承認を取消すことは違法。『意見聴取』に応じる考えはございません。」 ⇒「知事は18日に三役で対応を協議。早ければ18日付で取消しを正式に決定する可能性も」(9月18日 沖縄タイムス)、「早ければ18日にも取消しに踏み切る見通し」(琉球新報 9月18日)
<9月18日>防衛局の文書が県に届いたが、知事は判断を見送る。⇒「知事は18日夕、記者団に対し『国連から帰ってから判断をしたい』と述べ---帰国した連休明け(24日)にも取消しに踏み切る意向を示した。」(琉球新報 9月19日)
<9月23日>県は「意見聴取日」の28日を迎えるのを待って取消しに踏み切る構え。⇒「早ければ28日中に防衛局に承認取消しの文書を発送する。」(琉球新報 9月24日)
<9月24日>県、防衛局を訪問。行政手続法に基づく「聴聞」ではなく、県規則に基づく「意見聴取」を28日に行うとの文書を手渡し、行政手続法に基づく「聴聞」であれば応じるかを確認する。防衛局は行政手続法で定める「聴聞」の場で意見を聞くべきと主張。⇒「取消しは29日以降」(沖縄タイムス 9月25日)。
<9月25日>県、防衛局を訪問。28日はあくまでも県の自主的な判断による「意見聴取」とする文書を手渡す。菅官房長官と武田防衛省報道官は、25日の記者会見で「聴聞」であれば応じると表明。「県、行政手続法に基づく『聴聞』を検討」との報道も(沖縄タイムス 9月26日)。
そして明日(28日)は、県が設定した「意見聴取」の日である。「知事は、28日の防衛局側の対応を見て、『聴聞』を行うかどうかを最終判断する」という(琉球新報 9月27日)。
このように知事の埋立承認取消しは、「18日」、「24日」、「28日」、そして「29日以降」と延期されてきた。県と国は、知事の承認取消し後の法廷闘争を見据えて、「意見聴取」か「聴聞」かにこだわっている。県は、防衛局は行政手続法の対象外である国の機関であるから、行政手続法の「聴聞」は適用されないという立場だ。ここで譲ると、国が行政不服審査請求をすることを認めることになってしまう。だから25日の報道の「県が『聴聞』を検討」というのは全く理解できない。さらに「聴聞」であれば国は同意するのだから、その分、知事の承認取消し処分はまた延期される恐れが強い。
もうこれ以上待てないというのが多くの県民の思いであろう。