防衛局は、大浦湾の軟弱地盤改良工事の検討のために、土木工学の「有識者」からなる技術検討委員会を発足させた。防衛局は、9月6日の第1回検討委員会の概要をホームページで公開したが、議題の一つに「護岸構造形式の候補の提示について」というものがある。議事録が未だ公開されていないので詳細は分からないが、きわめて重要な計画変更の可能性がある。
従来、大浦湾の深場の護岸工は、大型のケーソンを並べて護岸とする計画だった。ところが、今回、ケーソン護岸だけではなく、「直立消波ブロック式護岸」の検討を始めるという。これは、下の写真のように、大きなブロックを積み上げて護岸にするものだ。ケーソン護岸が中止され、「直立消波ブロック式護岸」となる可能性がでてきている。
防衛局は埋立承認願書の設計概要説明書で、大浦湾の深場ではいろいろな条件を検討した上で、ケーソン護岸が最適としていたはずである。それが今回、突然、工法変更を検討するというのだから不可解としか言いようがない。
考えられる理由の一つは、大型ケーソンの仮置き場となる海上ヤード予定地でもN値ゼロの軟弱地盤が広がっており、ケーソンを置くことができないためではないかと考えられる。しかし、今回のような水深の深い場所で、大型ブロックを直に積み上げることは多くの困難が想定される。工期も大幅に遅れそうだ。
軟弱地盤のために、辺野古新基地建設は地盤改良工事だけではなく、他にも多くの難しい問題に直面している。
(下図は第1回技術検討委員会資料より)
下のような「直立消波ブロック」を積み上げて護岸とする。
(直立消波ブロックの例。これを積み上げて護岸とする)