昨日(5月13日・水)、所要があり朝から辺野古に行った。4月17日に工事が中断されて以来の辺野古だ。水曜日なので当番の沖縄平和市民連絡会のメンバーらが監視行動に来ている。今日も特に工事の動きはなく、ゲート前は静まりかえっている。防衛局はコロナの非常事態が解除されれば工事再開を狙っているのだろうが、生憎、週末からは今年最初の台風が襲来しそうだ。
今日の地元紙は、河野防衛大臣が12日の参議院外交防衛委員会で井上哲士議員(共)への答弁で、今までの説明を修正したことを報じた。
大浦湾には海面下90mまで軟弱地盤が続いているが、防衛局は海面下70mまでしか地盤改良しない。実際には、地盤改良の作業船は海面下70mまでしか工事ができないからだが、防衛局はその理由を、「海面下70m以深は、『非常に硬い』粘土層だから、地盤改良の必要はない」と言い繕ってきた。
しかしこの間、防衛局の地質調査のデータでも、海面下70mから90mまでの地盤が決して「非常に硬い」粘土層でないことが明かになってきた。百歩譲っても、その境界は海面下70m以深ではなく、海面下77m以深である。
この問題については、私も『世界」5月号で指摘し、本ブログでも何回も取り上げてきた。立石新潟大学名誉教授を中心とした専門家グループも技術検討会、防衛局に質問書を提出している。
・「防衛局な何故、虚偽の説明にこだわり続けるのか?」(2020.4.26)
・「海面下77mまでの地盤改良工事は不可能」(2020.4.30)
河野防衛大臣は、12日の委員会で井上議員の追求に対して、「昨年1月の報告書では海面下約70mより深いところでは非常に硬い粘土層だと説明してきたが、昨年9月の技術検討会にはこれまでの土質調査の結果をより詳細に整理・分析し、地層境界を海面下約77mと設定した」と答弁した。
しかし国会の委員会審議を見ても、政府は「海面下70mを超える深度では非常に硬い粘土層」という答弁を繰り返してきた。ざっと見たところでも少なくとも10回の予算委員会等でこの答弁が繰り返され、そのうち防衛大臣自身も5回にわたって「海面下70m」と答弁している。技術検討会にも、海面下77mに修正するとの説明はされていない。
今回の工事では、海面下70mまで作業できる作業船を同時に3隻、配置するという。しかし、日本には海面下70mまで地盤改良(SCP工法)できる作業船が1隻しかなく、2隻は「改造」により、やっと70mまで施工できるというだけである(詳細は後述)。
防衛局は昨年から、海面下77mまで軟弱地盤が続いていることを認めれば、作業船がないこととの矛盾を指摘されるために、「海面下70m」という説明にこだわってきたのであろう。
政府説明には、次々とボロが出ている。
<備考>
防衛局は地盤改良の際、深度70mまでの作業船を同時に3隻配置すると説明している。上の表のように、深度70mまで改良できる作業船は日本に1隻しかなく、2隻は「改造により深度70mまで可能」というだけである。現在、深度50m程度までしか作業できない船を、深度70mまでできるように改造するのは、かなり難しく、費用もかさばるだろう。防衛局はすでに改造を指示しているのか? またその費用は、いったい誰が負担するのか? 防衛局はこれらについても明かにしなければならない。
(この静かさは何時まで続くか? 12日の工事用ゲート前)
(やんばるの山は、もうイジュの季節)