「お互いさま」を前提にした社会の構築が必要との、私にとっては
少し奇麗事に過ぎる論説かなと思った。
毎度のことながら各人に同額のお金を渡してもあっという間に
全てを使い切ってしまう人もいれば大金をせしめる者もいる。
これが社会というのもので格差だ不平等だと言われても、
というのが実態のようだ。
むしろこういう社会の実態を社会に出る前の若い人に
徹底的に理解させることが本来必要なのではなかろうか。
最初からセーフティネットがあるわけではない。
若い人同士で家族を持つと言うことはどういうことか。
みんなが学校に行くからと仕方なしに目的もなく通うとか。
先のことは考えずにとりあえず仕事につくとか。
社会保障制度への理解もなく年金なんてあてにならないとか。
一人のほうが自分で稼いだ収入を好きに使えるからいいとか。
中高生への学校教育に人生設計という科目を設け
将来の自分へ向けた自覚的な準備を促すとともに
無自覚・怠惰が招来するとんでも世界の姿を刷り込ませる
ことが大切なように思う。
これは一般教科よりも大事なことと思う。
あと社会保障にもプライスキャップの考え方が必要だと思う。
例えば、高齢者の医療保障だと健康保険の累計掛け金の
一定倍を限度とし、それ以上は自己負担とするとか。
これなんか「お互いさま」に反しないと思う。
治癒の見込みのない患者に無尽蔵に加療することの意味は
「お互いさま」からも説明できまい。
年金だって受給者に一定以上の収入がある状態なら制限を
加えてもいいと思う。年金は収入のあてがなくなった高齢者に
対する保険なのだから収入のあてがある限り受給制限は
一定の理解が得られると思う。だって、受給年令に達したときに
誰が収入のあてがあるかなんて前々からわかることではないのだから。
要は、老若誰もが経過していく人生設計の中で行政が
どのような保障を用意するかの納得性の問題だと思う。
この辺を曖昧にしておくから年金や健康保険の制度が逼迫
するのだ。
不平等の解消は無理だと思う。平等にしたところで
それを理解できないものがある程度いてその時点で
不平等が発生するはずだ。
それでもある時点で平等にしたのだから、あとは自己責任
と言ったら何ら従前と、つまり無作為の状態と変わらぬことだ。
ことほど左様に社会保障政策の立案は難しいということだ。
誰にとっても等しく納得できる政策は無理なのだから。
結局、本書を読み終えてもすっきりしなかった。
--------------------------------
生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて (岩波新書) [新書]
白波瀬 佐和子 (著)
新書: 256ページ
出版社: 岩波書店 (2010/5/21)
ISBN-10: 4004312450
-目次-
序章 不平等を語る
第1章 ゆりかごが決める人の一生―子どもたちの不平等
第2章 たまたまの勝ち組、たまたまの負け組―若者たちの格差
第3章 稼ぐ人・世話をする人の分かれ道―女の働き方・男の働き方
第4章 蓄積された不条理―高齢者たちの格差
終章 お互いさまの社会に向けて
少し奇麗事に過ぎる論説かなと思った。
毎度のことながら各人に同額のお金を渡してもあっという間に
全てを使い切ってしまう人もいれば大金をせしめる者もいる。
これが社会というのもので格差だ不平等だと言われても、
というのが実態のようだ。
むしろこういう社会の実態を社会に出る前の若い人に
徹底的に理解させることが本来必要なのではなかろうか。
最初からセーフティネットがあるわけではない。
若い人同士で家族を持つと言うことはどういうことか。
みんなが学校に行くからと仕方なしに目的もなく通うとか。
先のことは考えずにとりあえず仕事につくとか。
社会保障制度への理解もなく年金なんてあてにならないとか。
一人のほうが自分で稼いだ収入を好きに使えるからいいとか。
中高生への学校教育に人生設計という科目を設け
将来の自分へ向けた自覚的な準備を促すとともに
無自覚・怠惰が招来するとんでも世界の姿を刷り込ませる
ことが大切なように思う。
これは一般教科よりも大事なことと思う。
あと社会保障にもプライスキャップの考え方が必要だと思う。
例えば、高齢者の医療保障だと健康保険の累計掛け金の
一定倍を限度とし、それ以上は自己負担とするとか。
これなんか「お互いさま」に反しないと思う。
治癒の見込みのない患者に無尽蔵に加療することの意味は
「お互いさま」からも説明できまい。
年金だって受給者に一定以上の収入がある状態なら制限を
加えてもいいと思う。年金は収入のあてがなくなった高齢者に
対する保険なのだから収入のあてがある限り受給制限は
一定の理解が得られると思う。だって、受給年令に達したときに
誰が収入のあてがあるかなんて前々からわかることではないのだから。
要は、老若誰もが経過していく人生設計の中で行政が
どのような保障を用意するかの納得性の問題だと思う。
この辺を曖昧にしておくから年金や健康保険の制度が逼迫
するのだ。
不平等の解消は無理だと思う。平等にしたところで
それを理解できないものがある程度いてその時点で
不平等が発生するはずだ。
それでもある時点で平等にしたのだから、あとは自己責任
と言ったら何ら従前と、つまり無作為の状態と変わらぬことだ。
ことほど左様に社会保障政策の立案は難しいということだ。
誰にとっても等しく納得できる政策は無理なのだから。
結局、本書を読み終えてもすっきりしなかった。
--------------------------------
生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて (岩波新書) [新書]
白波瀬 佐和子 (著)
新書: 256ページ
出版社: 岩波書店 (2010/5/21)
ISBN-10: 4004312450
-目次-
序章 不平等を語る
第1章 ゆりかごが決める人の一生―子どもたちの不平等
第2章 たまたまの勝ち組、たまたまの負け組―若者たちの格差
第3章 稼ぐ人・世話をする人の分かれ道―女の働き方・男の働き方
第4章 蓄積された不条理―高齢者たちの格差
終章 お互いさまの社会に向けて
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます