先日、家内が好きでしょ、とサクランボを1パック買ってきた。
一度には食べ切れず少しずつ味わってこれが最後となった。
サクランボは子供の頃の思い出につながる。
(サツマイモにはさらに強い思い出があるのだが)
兄と私は父に連れられて隣の直江津に出かけた。
私の子供のころの行動範囲は狭い。
ちょっとしたお出かけと言えばほかに高田くらいだ。
そういう時は滅多にないので真新しい白いパンツをはかせてくれた。
母の心遣いなのだろう。
何かあっても着古しのパンツではみっともないだろうと。
父の用向きは、趣味の謡の会だった。
兄弟には興味がなかろうと50円ずつ渡して時間つぶししなさい、と。
街中のお店を見て歩くうちに青果店に。
多分二人とも同じものに目がいったのだと思う。
艶やかなサクランボ。
二人のお金を足して100円分買う。
現在のようにパック売りでないから店員は100円相当分を小さな紙袋に入れてくれた。
多分、10粒くらいしか入ってなかったと思う。
それを兄と半分に分けて食べた。
滅多に口にしない果物。いや初めて口にしたのかも知れぬ。
味がどうだったかは全く記憶にないが、なぜかこのことだけは鮮明に覚えている。
食べてしまえば他にすることはない。
退屈だ。
父のいる会場に戻り窓から中を覗う。
こちらに気付いたのか汽車の時間になったのか、さほど待たずに帰ることになったようだ。
なぜサクランボだったのだろう?
「黄色いサクランボ」という流行歌があった。
調べると、1959年の歌で10代になる前だ。
家にテレビもない時代だからラジオから流れるこの曲を聞いていたかも知れぬ。
そして、店先のサクランボに目が止まった。
多分、兄も同じで衆議一決となったのかも・・・
昨日は昼間2粒食べ、夕食後のデザートに家内と3粒ずつ分け合った。
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