先日、国立科学博物館に
『ヒカリ展』 を見に行ったとき、同時に二つの企画展が開催されていたので、見て行くことにしました。
最初はこちら、 『美しき機能材料 人工結晶』 展です。
人工結晶の持つ優れた物性は、機能材料として欠かせないものとなっているのですね。
普通、私達が人工結晶と聞いて思い浮かべるのはこんなヒ化ガリウムみたいなヤツでしょう。しかし……
おや、カミさんが何やら熱心に見ていますね。何を見ているのかな?。
正解はコレ、人造の宝石たち。
人造の宝石と聞いて思い出すのは、『宇宙大作戦』 (スタートレックの最初のシリーズ) の “惑星パイラスセブンの怪” というエピソード。その話の中で、宝石で買収しようとした異星人にカーク船長がこう言い放ちました。
「こんな物、エンタープライズ号の中で何トンでも作れる。何の魅力もない」
まぁ確かに、あれだけの船が作れる科学力があれば、宝石作るなんて造作もないだろうなぁ。
かつてフランスの思想家、ジョルジュ・バタイユはこういいました。
「宝石は美しく眩しいだけでは十分でない。それなら模造品の代用でもこと足りるだろう。ダイヤの頸飾り方を優位に置いて、そのためには財産をも犠牲にするということが、その頸飾りの魅惑的性格を設定する上に欠かせないのである」 (ジョルジュ・バタイユ著、生田耕作訳、 『呪われた部分』 、二見書房刊より)
確かに、もしこの巨大な人造サファイアみたいなのが低コストで簡単に作れるようになったら、宝石のありがた味も薄れちゃうでしょうね。
さすがのバタイユも、まさか宝石の模造品じゃなくて、本物を人工的に作り出すことができるような世の中がやってくるとは思っていなかっただろうなぁ……
この日見たもう一つの企画展に関しては、また日を改めて書かせていただくことにしますね。